京都弁はネットで変換したものです。
全然違うかったらすみません。
ヨシヨシ偉い子だねぇ、と女は梟を撫でる。
とは言っても
目を細める梟を並の梟よりは一回りの二回りもでかい。
傍らにざっと目を通す。
「はぁ」
本日何度目であろうため息。
海はあまり好きではない
潮の匂いが鼻につく。
コンテナに身を隠しながら女は考える。
プランその一。
標的が船に乗る前にやってしまう。
プランその二。
……
プランその三。
…………
……………ない………
「はぁ」
いくら知恵を絞っても出てくるのはため息だけ。
しかし船の中で暴れて船ごと墜落してお陀仏するのだけは勘弁してほしい。
「厄介だなぁ。あの人の弟子ともなるとなぁ」
何をしでかすかは分からない。
だから嫌なんだよ生け捕りは、と女は意味の無い愚痴を零す。さっさと殺ってとっとと帰りたい……
「晋助様!どこに行かれてたんスか!」
「あぁちょっと野暮用でな」
あれが『赤い弾丸』来島また子か……
となると標的はあの男。
鬼兵隊総督、高杉晋助。
そっと梟を空に返してから女は目を凝らす。
片目包帯で見るからに反乱分子だ。
今やるか……?
いやもう少し待つか……?
やっぱりやろう。
そっと後ろに隠しているくないに手を伸ばす。
「お嬢ちゃんはそこで何をやってんのかなぁ?ここいらは厄介な奴らが多いもんでオメーさんのようなべっぴんは狙われやすいぜ?」
今まさに狙われてるんすけど?
おっさんの声だ。
明らかに問う気はなく勧告の色も見えない。
そこから一歩でも動いたら首吹っ飛ぶぜ?、という殺気しかない。
振り向かずとも頭に銃口を突きつけられているのが分かる。
ちっ、と心の中で舌打ちする。
めんどくせぇ……
「おにいはん、ほんにすんまへん、うちは怪しいもんではあらへん」
とりあえず用意していたセリフを返そう。
少しの間が流れ、殺気は相変わらずだが、銃口は少し逸らしてくれたようだ。
振り向くとそこには黒いマントを羽織ったダンディな
おじさまが。
「うち、京から来た商人どす。船探しとったら道に迷うてしもて、困っとったんどす」
ちょっといかにもそのような顔を作ってみる。
どうだ……
「へぇ?どの船探してたんだい?案内してやろーじゃねぇか」
しつこい……
そしておじさまなんかニヤけてる。
あんたを今すぐ冥土に案内してやりたい。
仕事の邪魔をしやがって、こちとらそんな暇じゃないんだよ。やるべきことたんまり溜まってんだよ。どっかのおっさんの性欲みたいに溜まってんだよ。
もういいや、
こうなったら一緒の船に乗ってやろうじゃあないか。
船に中で人質とればこっちのもんだ。
「京から鬼兵隊への届け物があるんどす。やから鬼兵隊の皆はんの船を……」
「ついてきなぁ」
こいつはいったい何なのか。
歩きながら女は考える。
傘を指してるから夜兎には間違いない。
と、なるとなぜ私を導くのか。
目的は何なのか。
考え事をしている女には気付かなかった。
先導している男が小さく呟いた言葉に。
「飛んで火に入る夏の虫…たぁよく言うたもんだぜ」