ロクでなし魔術講師は教え子との間に二人の娘と一人の息子を得た。
白猫少女は講師となり
青髪の少女は守るため戦い
大天使は母となる
そんな話
はじめまして。私の名前はイルシア=レーダスです。
私は父と母に妹と弟、あと父方の祖母と家で暮らしています。
私はつい最近まで私の父が無職のニートだと思っていました。だっていつも家でゴロゴロしているし、お母さんがくれたお小遣いをすぐに未来への投資というギャンブルに使っていたり、セリカさんの作る料理に文句を言うなど本当にこの人が大人なのかとなんでも思いました。
昔、母になんでお父さんと結婚したの?と聞いたら
『子供っぽく見えるところとかが可愛いの、あとやる時はしっかりやったりそうゆうところが好きになったの』
はじめの部分はなんとなく共感できますが、後半に至ってはもはや別人です。納得がいかないのでさらに問い詰めてみると。
『えっと、これから話すことはあんまり言いふらしたりしちゃダメだからね。子供の頃、私はシスティ.......魔術学院で講師をしてるシスティーナ先生って知っているよね。そのシスティの家にお世話になていたんだけど、その時私がシスティと間違えられて誘拐されちゃったの。
え?大丈夫だったか?もちろん大丈夫だったよ。
それでね、お母さんを助けてくれたのが昔のお父さんなんだ』
私はおどきました。普段の父を見ていると本当にそんなことができたのかと。
さらに聞いてみると、父と再開したのは魔術学院で、講師と生徒という関係だったそうです。
そして、システィーナ先生とお母さんあとリィエルさんたちなどの女性陣の奪い合いになって、最終的に父が母にプロポーズしたことで終わりを迎えたそうです。
『あの時は驚いたよ。お父さんが私の方に来て
ルミア、お前が好きだ。結婚してくれって』
すごく羨ましいです。そしてなんでそんなイケメンが今やシロッテの枝を求めて街をさまよっているのかがさっぱりわかりませんでした。
母が魔道官僚をしており、一番下の弟のシオンを産んでから引退して家にいることは知っていました。
でも、母が引退してお父さんの育て親のセリカと父さんの昔の仕事仲間で父さんに惚れていたリィエルさんの家にお世話になることになったのに驚いたのは昔の事でした
が、最近それらの理由もだんだんとわかってきました。
実は私の父、グレン=レーダスは帝国宮廷魔導師団特務分室の執行者、執行ナンバー0・コードネーム《愚者》です。
クラスメイトに話した暁にはクラスメイトどころか学校中の笑いものだし、事実なので父が迷惑を被ることになります。
それは一週間ほど前の夜.......
「すま.......ルミア.......む」
「グ.......一体.......どう.......」
あれ、こんな時間にお客さんかな?
「セリカ.......こっ.......だったか?」
「あぁ、大丈夫だ」
なんだお父さんとセリカさんか
「先生!?こんなに傷だらけでどうしたんですか!?」
え?
「悪いちょっとしくじった。まさか爆弾を足元に敷き詰められているとは思わなかったぜ」
爆弾?!
「とにかく治療するのでもう話さないでください」
お父さんが.......死んじゃう
その瞬間私は玄関に向けて駆け出しました。
「お父さん!!」
「な!?イルシア、なんで」
そこにあったのは血塗れになった父の姿でした。
「イルシア.......すまない」
そして父からすべてを聞きました。
父が執行者だったこと、母さんが死んだはずのエルミアナ王女だったこと、なぜセリカさんたちと一緒に暮らしているかなどから、たまに来る師匠のバーナードさんも執行者であること、よく街出会う怪しい女性のエレノアさんのこと、など
「信じられないよね」
不安そうな顔でこちらを見つめてくる母を見た時、全部真実であることが察せました。
そして、妹のセラと弟のシオンには話さないことを誓わされました。
最ももう十七歳になった私には遅かれ早かれ話す気だったそうです。
「お前が、俺の娘だって知られたらヤバいことになるかもしれん、それに心配もかけたくなかったしな」
「でも、先生そろそろイルシアには話さないといけないってこの前言ってましたよね」
「ば、ばっかなこと言うなよルミア。流石に信じられないで冗談だと思われちまうし、娘の頭を弄るのも気が引けただけだ」
その時私は怖いと思いました。
「イルシア、俺が怖いか?」
「うん」
「そうか、だったら俺が嫌いか?」
「わかんない」
正直わかりません。知ったばかりですが、ダラダラしている父と戦う父。
「わからないならそのままでもいい、でも正直嫌いにはなって欲しくないよ」
わかりません。
「とりあえず・もう・寝ろ」
そこで意識が落ちたのはよく覚えています。