コズミックプリキュアS   作:k-suke

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この話から、しばらく登場する「彼女たち」は私が以前投稿していたコズミックプリキュアのAfter storyにちらりと出てきたのと同一人物です。

あの後、だいたい本編通りの事態があったと思ってください。




第19話 まさに奇跡!! 魔法との幸福?な出会い(前編)

 

 

 

 

甲子市 アーケード街北側

 

 

 

どこかスッキリしない曇り空が広がる中、三人の中学生ぐらいの少女が、鼻歌を歌いながらそんな暗い空気をふきとばすように楽しそうにアーケード街を歩いていた。

 

 

「はーっ、寒い。ここも冬なんだね」

 

三人のうちピンクのロングヘアの少女が手に息を吹きかけて擦り合わせながら、冬を感じていた。

 

 

「そうね。でもまぁひゃっこい島ほどじゃないし。どうってことはないわ」

 

強がるようにドヤ顔でそう言った紫のロングヘアの少女だが、直後吹いて来た北風に震え上がった。

 

 

それを見て、金髪のショートヘアの少女が心配そうに尋ねた。

 

「大丈夫? リコったら我慢することないのに、コート忘れて来たんだから」

 

 

その言葉にリコと呼ばれた紫のロングヘアの少女は敏感に反応した。

 

「忘れてないし!! 私ならこれぐらいの寒さなんともないって思ったからなんだ…か…ら… ハーックョン!!」

 

 

と見栄を張ったものの、くしゃみをしながらの台詞では全く説得力がなかった。

 

 

 

「ダメだよ無理しちゃ。 そうだ前の時みたいにおしくらまんじゅうする?」

 

そうやって無邪気に提案したピンクのロングヘアの少女だったが、さすがにそれは止められた。

 

 

「ダメだよはーちゃん。こんな街中でそんなことしちゃみんなに迷惑だよ」

 

「みらいの言うとおりよ。それに私たちは調査に来たんだからあんまり目立つことをしないようにしないと…」

 

「う〜っ…」

 

 

そうしてたしなめられたはーちゃんと呼ばれたピンクのロングヘアの少女はしゅんとなってしまった。

 

 

そこに再び北風が吹いて来て、全員震え上がってしまった。

 

 

「う〜っ、でも寒い〜。せめて何かあったかいもの…」

 

 

みらいと呼ばれた金髪のショートヘアの少女が辺りを見回すと、さすがアーケード街。

 

食べ物の店が所狭しと並んでおり美味しそうな匂いが漂って来た。

 

 

 

「あっ、パンケーキだ!! 甘くて美味しそう!!」

 

そう言ってみらいはショーウインドウにへばりついた。

 

 

「はーっ!! ラーメン屋さんだ美味しそうないい匂い!!」

 

寒さも手伝ってフラフラとラーメン屋に入りかけたところでむんずと襟首を捕まえられた。

 

 

「ちょっと二人とも本当にわかってるの!? 私たちは食べに来たんじゃないのよ!! それにお小遣いだって限りがあるし無駄遣いしたらいざという時に困るじゃない。大事に使わないと…」

 

 

そうしてお説教が始まったところでふとあることに気がついた。

 

「あら? みらい、モフルンは?」

 

 

 

「あ、あれ? さっきまで…」

 

「た、大変すぐに探さないと!!」

 

「えぇ、歩くクマのぬいぐるみなんて大騒ぎになっちゃうわ!!」

 

 

 

以上のようなドタバタ劇を繰り広げて、モフルンというクマのぬいぐるみを探し始めたこの三人の少女。

 

わかってる人はもうわかってると思うが、朝比奈みらい、十六夜リコ、花海ことはの三人である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほぼ同時刻 アーケード街南側

 

 

 

豪「んじゃ、じいちゃんはまだ寝てるの?」

 

ラン「そっ、思ったより風邪がひどくてね」

 

 

ソーラ「でも、なんで博士だけこんなに長引くの? ランちゃんは五日で治ったし、豪くんはそれより早く治ったんだよね」

 

 

先日の太陽ドラフターの騒ぎで、ほぼ街中の人間が体調を崩すことになり、遠藤博士や豪とランも例外ではなかったのだが、さすがに一週間も経った今では街にもほぼ以前の活気が戻っていた。

 

 

しかし、未だに臥せっている遠藤博士をソーラは心配しており、こうして栄養のあるものを買いに三人で出かけて来ているのである。

 

 

ラン「まぁ、おじいちゃんもいい歳だしね。普段運動しないから体力も落ちてるのよ」

 

ソーラ「ふーん。お薬飲んだら元気になるんじゃないんだ」

 

 

豪「まぁ、心配しなくても所詮風邪だしね。なんかうまいものでも食べて寝てりゃすぐに良くなるよ… っと、あれうまそう!!」

 

 

漂って来た甘い匂いにつられ、走り出した豪にランは呆れながらあとを追いかけて言った。

 

ラン「全く、あんたが食べる物買いに来たんじゃないでしょ」

 

 

 

 

豪「これ甘くてうまいな!! じいちゃんにも買っていこう。じいちゃん甘いもの好きだしな」

 

移動販売車で売っていたパンを買い、近くのベンチでうまそうにパクつく豪を見て、ランがたしなめた。

 

ラン「もぅ、買い食いなんかして!! 知らないわよおばさんに怒られても!!」

 

豪「平気平気!! パンの一個ぐらい食ったうちに入らねぇって!! お前も食うか、うまいぜこのイチゴメロンパンっての」

 

ラン「バカ!! だったらせめて新しいの差し出しなさいよ!! そんなあんたの食べかけのじゃなくて!!」

 

 

そんな二人の会話を微笑ましく見ていたソーラは、ふと空を見上げてつぶやいた。

 

 

ソーラ(先輩… 先輩たちの言ってた素晴らしいもの、なんとか守れてますよ。まぁ、その守るものに助けられてばっかりですけど、私頑張ります)

 

 

 

 

 

 

 

すると足元で何かが蠢いているのに気がついた。

 

ソーラ「ん? 何?」

 

 

「クンクン!! 甘い匂いモフ」

 

目線を下に落としたところにいたクマのぬいぐるみに、ソーラは歓声をあげた。

 

ソーラ「うわぁ〜っ!! 可愛いぬいぐるみ!!」

 

 

その可愛さに思わず抱きかかえたソーラを見て、そのクマのぬいぐるみは慌ててジタバタし始めた。

 

「お、お前は!? は、離すモフ!!」

 

 

ソーラ「うわ〜っ!! すごいすごい、動いて喋るぬいぐるみなんて!! ねぇ見て見て二人とも、これすごい!!」

 

興奮気味に豪とランにぬいぐるみを見せたが、ソーラの興奮とは裏腹に二人は冷めたものだった。

 

 

豪「へぇ〜…」

 

ラン「よくできてるのね。最近のおもちゃって」

 

 

ソーラ「? あんまり反応ないね。これ可愛くないの?」

 

冷めた反応に首をかしげつつぬいぐるみを撫で回すソーラに、豪とランは今更というように返した。

 

 

豪「だってぬいぐるみが動いて喋るぐらい、どうってこと…」

 

ラン「そりゃ可愛いとは思うけど、もうそんなに大騒ぎするような歳でもなし…」

 

 

そんな会話をしている間にも、ソーラの手の中のぬいぐるみはなんとかして逃げようともがいていた。

 

 

「は、離すモフ!! みらい〜、リコ〜、はーちゃ〜ん!!」

 

 

豪「誰か呼んでるな、このぬいぐるみ」

 

ラン「持ち主の認証機能でもついてるんじゃない。ソーラさん、わかりやすいところに置いといてあげて。そのうち取りに来るだろうし」

 

 

ソーラ「そうだね。それじゃそこのベンチにと…」

 

そっとぬいぐるみをベンチに座らせたソーラだが、当のぬいぐるみは立ち上がって必死に叫んだ。

 

 

「一体モフルンをどうするつもりモフ!? お前が前にみらいやリコにしたこと忘れてないモフ!!」

 

 

ソーラ「はぁ!?」

 

その言葉にソーラは素っ頓狂な声をあげ、豪とランも顔をしかめた。

 

 

豪「何言ってんだこいつ?」

 

ラン「何度か置き忘れられて、お持ち帰りされかけたんじゃない? 随分そそっかしい持ち主みたいね」

 

 

 

ソーラ「まったく、ちょっとじっとしててね。すーぐ持ち主が来るから…」

 

「モフゥ? (なんか感じが違うモフ。どうなってるモフ?)」

 

 

鼻をつつきながらニッコリとした笑顔を向けて来たソーラを見て、そのクマのぬいぐるみは多少戸惑ったようにおとなしくなった。

 

 

 

 

 

 

ことは「見つけた!! モフルン!!」

 

 

その声に振り返ると、息急き切っているピンクのロングヘアの少女がいた。

 

「はーちゃん!!」

 

 

ソーラ「あら、これあなたの?」

 

嬉しそうな声を出したぬいぐるみを掴み上げ、ソーラはその少女になんとなく尋ねたのだが、途端にその少女の目が険しくなった。

 

 

ことは「あ、あなたは!? なんでこんなところに!?」

 

 

 

豪「? ソーラ姉ちゃん知り合い?」

 

キョトンとしつつ尋ねた豪だったが、ソーラも首を横に振った。

 

ソーラ「全然。あなた誰?」

 

 

ことは「えっ、ああそっか。でも私は知ってる、あなたのこと!!」

 

ソーラ「はぁ…」

 

 

一人で盛り上がり始めた少女を冷めた目で見ていたソーラだったが、彼女がスマホを取り出して宝石のようなものをセットしたところで顔色が変わった。

 

ことは「キュアップ・ラパパ!! エメラルド!!」

 

ソーラ「!! 何!? このプラスエネルギーは!?」

 

 

緑色の光とともに発せられた強力なプラスエネルギーに戸惑ったソーラをよそに、タッチペンを取り出してスマホに何やら書き始めた。

 

ことは「フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!!」

 

それと同時に呪文を唱えると、まばゆい光とともに現れた緑色の魔法陣とともに光の蔓が彼女を包み込んでいった。

 

 

 

 

 

「あまねく生命(いのち)に祝福を!! キュア・フェリーチェ!!」

 

 

 

 

 

 

 

豪「なっ、変身した!?」

 

ラン「なんなの!? あの人もプリキュア…」

 

 

ソーラ「でもあんな人見たこと… ねぇあなたどこの班に配属されてる…」

 

突然のことに素性を訪ねようとしたソーラだが、フェリーチェはそれを無視して言い放った。

 

フェリーチェ「あなたが何者かは知りません。ですが、私の大切な人をみらいやリコをまた傷つけようというのならば、容赦はいたしません!!」

 

 

 

ソーラ「…いきなり出てきて何言ってんのあんた?」

 

わけがわからないと言ったような顔をしたソーラに対して、フェリーチェは続けた。

 

フェリーチェ「あの時、問答無用で仕掛けて来ておいて、まだ惚けようというのですか!! ならばこちらも行きますよ!!」

 

 

その言葉とともに、フェリーチェは大ジャンプしてソーラに飛び蹴りを放って来た。

 

 

ソーラ「えっ!? 本気!?」

 

 

事情が飲み込めなかったソーラだが、フェリーチェがどういう意図でいるかを理解した瞬間、手にしていたぬいぐるみを放り投げ自分も飛び上がった。

 

 

ソーラ「どういうつもりよ一体!!」

 

 

そうしてフェリーチェの蹴りを捌きつつ、反対に空中で回し蹴りを食らわせて地面に叩き落とした。

 

 

フェリーチェ「ぐっ!!」

 

地面に叩きつけられたフェリーチェだったが、放り投げられて同じように地面の上を転がっていったぬいぐるみを見て、着地したソーラを睨みつけた。

 

フェリーチェ「やはり本性を現しましたね。モフルンをよくもこのような目に…」

 

 

しかし、ソーラは当然のようにそれに反論した。

 

ソーラ「何よそれ!! あんたがいきなり攻撃して来たからじゃない!!」

 

 

フェリーチェ「あなたは私の大切なものを目の前で傷つけました。これ以上の狼藉、このキュア・フェリーチェが許しません!!」

 

ソーラ「よくもまぁ、そんなわけのわからない言いがかりをつけてくるわね… まぁいいわ、いくらプラスエネルギーを持ってても、そっちがその気ならこっちだってねぇ!!」

 

妙な因縁をつけられいきなり喧嘩を売られた格好になったため、さすがのソーラも頭に来始めていた。

 

 

ソーラ「くらえ!! クロムスティック・ブーメラン!!」

 

 

腰の左右のクロムスティックを取り外し、そのまま二本のスティックを柄の部分でくっつけて一本の棒のようにすると回転させながら投げつけた。

 

 

フェリーチェ「なんの!!」

 

 

高速で飛んできたスティックを回避したフェリーチェは、丸腰になったソーラを見て隙ありとばかりに飛びかかったが、戻ってきたスティックが後頭部に炸裂した。

 

 

フェリーチェ「がっ!!」

 

体勢を崩したところに、フェリーチェの頭に当たって跳ね上がったスティックをキャッチしたソーラがそのままスティックを二本に分割し、電撃のスイッチを入れて殴りかかった。

 

 

ソーラ「とりゃあああ!!」

 

フェリーチェ「ぐううっ!!」

 

 

電撃に耐えつつ振り下ろされたスティックをなんとか受け止めたフェリーチェはこのままではまずいと、ソーラを蹴り飛ばした。

 

ソーラ「くっ!!」

 

 

しかし、蹴りが当たる直前後ろに飛んだためか、思ったよりもダメージは浅かったらしくソーラはどうだと言わんばかりに胸を張った。

 

 

ソーラ「どんなもんよ!! いい加減答えなさい!! あんた一体なんなの!!」

 

フェリーチェ「お黙りなさい!! それはこちらのセリフです!!」

 

 

 

モフルン「フェリーチェ!! ちょっと待つモフ、何か変モフ!!」

 

 

どうも今フェリーチェと戦っている少女が、前に襲いかかってきた少女と違うようだと感じたモフルンはそう叫んだが、それにもかかわらずフェリーチェは再びソーラに飛びかかった。

 

 

今目の前に自分の母親ともいうべき大切な人たちを傷つけた存在がいる。

 

フェリーチェの頭の中はその想いから戦うことでいっぱいであり、モフルンの言葉など全く聞こえていなかったのだ。

 

 

 

 

ソーラ「ふっ、甘い!!」

 

ここ数週間、志夜刑事から柔道を習っていたソーラにとって、見境なしに突っ込んできたフェリーチェは格好の餌食だった。

 

わずかに身をかわすと、フェリーチェの胸ぐらを掴み取り気合いとともに大きく投げ飛ばした。

 

 

 

 

豪「おーっ、すげえ。特訓の成果ってやつかな…」

 

ラン「感心してないで!! あの人一体なんなのよ、なんとか話を聞かないと… そうだ、確かおじいちゃんが…」

 

目の前の戦いに素直に感心していた豪をたしなめると、ランは持っていたバッグの中をゴソゴソと漁り始めた。

 

 

 

 

みらい「はぁはぁ… フェリーチェ!?」

 

リコ「!! あの子は!! 今度はフェリーチェに襲いかかってるの!?」

 

 

 

そこに箒に乗って飛んできた二人の少女を見て、豪とランは目をゴシゴシと擦った。

 

豪「…今、あの二人箒に乗ってこなかったか?」

 

ラン「あんたもそう見えた? あんな箒誰が作ったのかしら?」

 

 

 

モフルン「みらい〜、リコ〜!!」

 

二人の姿を見るや否や慌てて駆け寄ったモフルンを抱き上げると、みらいは真剣な顔つきになった。

 

 

みらい「モフルン!! リコ行くよ!!」

 

リコ「ええ、フェリーチェを助けないと!!」

 

モフルン「ちょっ、ちょっと待つモフ!! 何かが変…」

 

 

完全にやる気になっている二人を見てモフルンは慌てたが、再びフェリーチェが投げ飛ばされ、マウントを取られている光景を見てやむを得ないと判断した。

 

 

みらい・リコ「「キュアップ・ラパパ!! ダイヤ!!」」

 

その呪文とともに二人がモフルンの首のリボンに宝石をはめ込み、三人?で手を繋いだ。

 

みらい・リコ「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!!」」

 

すると虹色の光に包まれながら私服だった二人はそれぞれピンクと紫を基調にした派手な衣装に姿を変えていた。

 

 

 

「ふたりの奇跡!! キュア・ミラクル!!」

 

「ふたりの魔法!! キュア・マジカル!!」

 

 

「「魔法つかいプリキュア!!」」

 

 

 

続く

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