幼女戦記×編隊少女   作:アル・ソンフォ

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デグさんとペアいうべきセレブリャコーフ少尉登場です。
戦闘機と編隊するための新装備をもってきてもらいました。


第6話:新装備と共に

>>>西暦一九四二年六月二十日一四〇〇時 極東基地格納庫内<<<

 

「なんだこれは。」

どうしてこうなった。ターニャは、机の上におかれた装備の前に呆然とする。見た目は今までとほぼ変わらないが存在Xとあった後では嫌な予感しかしない。

「少佐殿。帝国技術廠より新たに配備されたエレニウム工廠の新式魔導具であります。エレニウム95式と併用した場合、出力は従来に比べ50%増加、また術式処理の効率化により魔力消費量は30%軽減、さらに常時酸素生成と耐冷術式を演算宝珠の補助なく発動可能。これにより少佐殿であれば高度18000、速度550でも戦闘行動が可能になるとのことであります。」

セレブリャコーフ少尉が説明する。

「少尉、理論と実際は異なるということを知っているのだろうな。エレニウム工廠には良い思い出がない。信頼できる装備なのだろうな。」

あのエレニウム工廠製?MADなシューゲル博士が作ったものなど信頼ができるかと、ターニャはセレブリャコーフ少尉をにらむ。

「ご、ご安心ください少佐。V-1偵察機飛行試験に耐えた選抜中隊の隊員により、エレニウム95式と併用を想定して97式を2個同時発動を行った実地試験を行っております。試験の詳細はこのレポートにまとめられております。ご確認ください。」

「少尉、これはもう1部あるかな。藤堂司令官殿にもお見せしろ。」

「藤堂司令官殿失礼しました。こちらをどうぞ」

 

あれは1時間ほど前、入室許可を求められて入ってきたのは、鳩森少尉ではなく、自分の副官のヴィクトリーヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ少尉、彼女がいつもの笑顔で立っていた。そして、彼女がこの装備をドイツ本国から彼女自身を引き続き私の副官とする辞令とともに持ち込んできたのだ。

 

「すごいなこれは、この装備があれば戦闘機との編隊も可能ということか。この戦闘機との模擬訓練の結果は火力こそ劣るが機動性で十分に戦闘能力を補えることを示している」

藤堂司令官が資料を見入っている。まずい、こんなものを持ち込まれたら再び最前線勤務。戦闘機とお空の散歩し、フーファイターと鬼ごっこ、冗談ではない。

 

「司令官殿、ここに示されているのはあくまでも模擬訓練の結果、実際のところエレニウム95式を発動しての運用は行っておりません。二核同調の97式での結果であり、実際運用するとなると相当期間の訓練が必要となるでしょう。現下、恒常的な敵襲がある以上、十分な訓練時間がとれるとも思いませんが。」

ターニャはどうにかして実戦回避を模索するが、セレブリャコーフ少尉の発言はそれが困難であるという。

 

「少佐殿、参謀本部からの命令には、積極的な運用と実戦データの収集が含まれています。現在の少佐のお立場を考えますと、消極的運用は良い結果をもたらさないかと・・・」

「立場、何のことだ少尉?」

なぜ、これを使わないと立場が悪くなる。このセレブリャコーフ少尉は私の知っているセレブリャコーフ少尉なのか?彼女の言うデグレチャフ少佐というのは本当に私のことなのか。これは絶対に存在Xの仕業に相違ないと思いつつ確認する。

 

「はい、何と言いますか、少佐殿は金髪碧眼でありますよね。昨年のフーファイターの欧州襲撃でニュルンベルクが爆撃され総統をはじめとするナチ党高官が死亡し、親衛隊が壊滅的被害を被ってナチ党政権が崩壊しましたよね。このことは国防軍の一員である私たちにとって清々したというのが正直なところですが、少佐の場合、2年前銀翼突激章を授与された際、アーリア人の優位性を示すとかなんとかプロパガンダに引っ張りまわされたでしょう。あれが今になって問題になってしまっているのです。」

「まさか、私がナチのシンパだとでも言われているか」

冗談ではない私は自由主義者で平和主義者だ。ファシストと思われるのは不愉快極まりない。

 

「当然、ベルリンの参謀本部におられるゼートゥーア少将やルーデルドルフ少将は少佐がそうでないことをご存知です。しかし、あまりお会いしたことのない軍高官の方は少佐の年齢もあり、今までの功績をプロパガンダのためのものだと思っていらっしゃる方が多いようでして、一旦は予備役編入の形で軍から追放するという話もあったとか」

それでは、不名誉除隊に近いではないか、せっかく積み上げてきたキャリアを無に帰されたら、孤児である自分は明日の生活もままならないだろう。ターニャは不快になる。

「幸いにも、少佐はFF適性試験で最も高いS級適正が確認されたことと、人事局のレルゲン大佐が少佐の予備役編入を強く反対されたことで、こうして極東基地に出向しフーファイター殲滅の任につくということで決着がついたときいております。ちなみに私の副官としての派遣は少佐殿への恩情だとか」

どうやら私もここにいるセレブリャコーフ少尉もドイツ軍人らしい。会話を聞く限りでは、こちらのドイツにも帝国でのお知り合いと同じような人物がいるようだ。きっと会えば、目の前のセレブリャコーフ少尉と同じくそっくりな人物が出てくるのだろう。

 

だが、状況は最悪だ。要は私はこの謎な装備を使用して、戦闘機と編隊して戦わなくてはならないらしい。そうでなければ、軍を追われ身寄りのない12歳の孤児になってしまうということか。選択肢はなきに等しい。さっき存在Xが言い捨てたくれてやる恩寵とはこれのことか、素晴らしい兵器をやるから戦争をもっと知れということか。くそったれの存在Xめ。今度会ったら、絶対にライフルで銃殺してやる。

 

 

 




時間がなくて装備の詳細は書けませんでした。その件は明日のお楽しみに。
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