不定期更新に甘えてなかなか書けていませんでした。最低一月に一話は出すつもりですのでよろしくお願いします。
会議室でお互いに顔を初めて合わせてから30分、リンドウとルリは早速旅に出るためワカバタウンから29番道路に出る町の出口に来ていた。
「それじゃあオーキド博士、行って来ます。」
「せっかくの旅なんじゃ。楽しんでくるんじゃぞ?」
「はい。せっかくのジョウト地方なので楽しんで来ます!」
「うむ。いい返事じゃな。ルリくんも仕事ではあるが楽しめる時には楽しむのじゃぞ。」
「は、はい。そうさせてもらいます…」
見送りのオーキド博士やモミジと話をしていると先ほどまでいたウツギ博士がいないことに気がついた。
「そういえばオーキド博士、ウツギ博士はどちらに行かれたんですか?」
「うむ、先ほどまでいたのじゃがな、何やらリンドウたちに渡したい物があると行って少し研究所に戻ったのじゃ。少し待ってくれんかの。」
ウツギ博士が渡したい物とは何か?旅をする上で必要なものは既に準備をしており、お金なども必要に応じて送ってもらえるようになっている。となると一体何なのか検討とつかなかった。
リンドウが考えているとウツギ博士が駆け足でこちらへと走って来た。その手には3つのモンスターボールを持っていた。
「いやぁ、待たせちゃってごめんね。これから新しく旅をする君達に僕からジョウト地方の初心者用ポケモンを1匹プレゼントするよ。どの子を選ぶかじっくり考えて決めてね。」
そう言うとウツギ博士は3つのモンスターボールについているスイッチを押す。するとそのボールの中から3匹のポケモンが現れた。
初心者用のポケモンとは冒険に初めて出る少年少女たちが最初にもらうポケモンのことだ。くさ、ほのお、みずタイプのポケモンで、性格も比較的温厚で扱いやすいポケモンが多くなっている。
リンドウのいたカントー地方ではくさタイプのフシギダネ、ほのおタイプのヒトカゲ、みずタイプのゼニガメが初心者用ポケモンとされている。
だが初心者用ポケモンは地方ごとに変わり、それを渡すのは各地方に住んでいる博士が担っている。
そんなウツギ博士が持ってきたモンスターボールから現れたポケモンは三匹。くさタイプのチコリータ、ほのおタイプのヒノアラシ、そしてみずタイプのワニノコだ。
「わぁ〜どの子もかわいいですね!」
ルリは三匹に近づいてじっくりと観察を始める。
リンドウもどれか一匹をもらうため、三匹の性格を見てみる。
くさタイプのポケモン、チコリータは近くでじっと見つめているルリのことを見つめ返していた。そしてじっと見つめているとあくびをしてその場に座って陽の光を浴び始めた。
その様子にルリは笑って見ていたが、チコリータは特に気にするような様子も見せていなかった。その様子からチコリータはマイペースなポケモンだとリンドウは思った。
続けて隣にいるヒノアラシに目を向けた。ヒノアラシは急にリンドウに見つめられたため、ビクッと身体をさせてチコリータの後ろにと隠れてしまった。そしてチコリータの影に隠れながら少しづつリンドウの方を見ていた。
その一方、最後の一匹である、ワニノコはリンドウを見つけると近くまで近づいて飛び跳ねていた。この様子を見ているとワニノコはヒノアラシと対照的に活発的で元気な子なのだと思った。
「全然どの子にしようか決めれないです…」
三匹全てを見ているとどうしてもこの子とルリは決めれないようだった。
その様子を見てオーキド博士やウツギ博士は笑っていた。
「気にすることはないよ。自分の旅立ちに関わることなんだから時間をかけてゆっくりと考えるといいよ。」
「そうじゃな。なにせ自分のパートナーになるポケモンなのじゃから。大いに悩むといいんじゃ。」
「でも私が悩んでいたらリンドウさんも選ぶというのに迷惑になってしまうんじゃ…」
「気にしないでいいよ。俺はもう自分のポケモンを持っている。それに対してルリちゃんは初めての旅立ちなんだ。俺はルリちゃんが選ばなかった子の中から選ぶさ。」
「そうなんですか…じゃあ…」
そういうとルリは再び考え始める。その顔はまさに真剣そのものだった。
再び考え始めてから5分後、ルリは決めましたと言った。
「決めたんだね。じゃあ、ルリちゃん。君はどの子を君の旅立ちのパートナーにするのかな?」
「私は…」
ルリがその答えを口にするのを、三匹のポケモンたちはまじまじと見つめていた。
「私は…ヒノアラシにします!」
ルリの言葉が周りに響いた。ルリが選んだポケモン、それはほのおタイプのヒノアラシだった。
選ばれなかったチコリータとワニノコは少ししょんびりとした表情を浮かべていた。
対して選ばれたヒノアラシというとまさか自分が選ばれるなんて思っていなかったのだろう、選ばれたことに驚いてポカンとしていた。
ルリは自分の決めたポケモンの元へと近づき、抱き抱えて言う。
「確かにチコリータもワニノコもかわいいです。一緒に旅をしてみたいです。でもヒノアラシは自分と同じ臆病者だと思うんです。」
ヒノアラシもこくっと首をうなづいていた。そして真剣な目でルリを見つめ返していた。
それをみてルリは続ける。
「私がこの旅に出るきっかけにしたのはこの憶病な自分を変えるためなんです。憶病な自分を変えないといけないって思ったんです。なので、自分と同じく憶病なヒノアラシを見たときに仲間のように思えたんです。ヒノアラシもこの旅で一緒に憶病な性格を変えれたら…そう思って選んだんです。」
ルリの言葉に納得したようにみんなは見つめていた。そして、選ばれたヒノアラシも嬉しそうにルリの手の中で笑顔を浮かべていた。
「ヒノアラシもルリちゃんのことを認めているようだね。これなら大丈夫そうだね。」
「うむ。これほどの意思を持った君なら大丈夫そうじゃ。そんな君にわしからもプレゼントだよ。受け取ってくれ。」
オーキド博士は自分のバッグに詰めていた赤色の器械を取り出した。見その見た目は手帳のような見た目をしているが確かに器械であった。
ルリも感謝の言葉を述べてから受け取り、その器械を触ってみる。すると器械は起動し、真っ白な画面が浮かんでいた。
「あの、これはどういう器械なのですか?」
その言葉を待っていましたと言わんばかりの顔をしてオーキド博士は喋り出す。
「これはじゃな、ポケモン図鑑というものじゃ。君がこれから先に出会うポケモンやゲットするポケモンの情報を自動で読み取り表示してくれる優れものじゃ。是非君に持って行って欲しいのじゃ。」
「そんな素晴らしい器械を私なんかがもらってもよろしいのですか?」
「なんの問題もないよ。君の固い意思は見せてもらった。君のような優しい心を持つトレーナーならポケモンたちも安心して君に従うだろうし、大丈夫だと思うのじゃ。これから旅立つ君への選別じゃ。大切にしてくれのお。」
その言葉を聞いてルリも嬉しそうな顔をしてオーキド博士に再び感謝の言葉を述べた。
そうしているとリンドウもどっちの子をもらうか決めたようだった。
「話もキリがいいようだから俺もウツギ博士からワニノコをもらうことにするよ。ワニノコの元気さが気に入ったよ。俺と一緒に旅についてきてくれるかい?」
リンドウはワニノコに手を伸ばし、ワニノコの返事を待つ。
するとワニノコはとても嬉しそうにジャンプをして手を伸ばしたリンドウに噛み付いた。
「いった!ちょっと離れるんだワニノコ!痛いんだ!」
リンドウが痛そうにしているのを見てワニノコも噛むをのをやめてリンドウの足元に戻る。
「その様子だとついてきてくれるようだな。これからよろしく、ワニノコ。」
リンドウはワニノコのモンスターボールをウツギ博士から受け取ってワニノコをモンスターボールの中に入れる。
「それじゃあ、そろそろ出発しますか。」
いつの間にか時間がかなり経ってしまっていたようで、日はすでに頂点を通り越してすこしづつ傾き始めていた。
「そうだね。そろそろ出発しておかないとヨシノタウンまでも結構かかるから気をつけないとね。あっでもちょっと待ってくれリンドウくん。ポケギアを君は持っているかい?持っていたら連絡先を交換しておこう。」
ウツギ博士は胸ポケットからポケギアを取り出して喋る。
ポケギアとは何か?ポケギアとは携帯電話のように人と喋ったりできる器械だ。ただ喋るだけでなく、タウンマップを見ることが出来たり、ラジオカードを持っていればラジオを聞くこともできる優れものだ。ポケギアは2年ほど前から売り出され始めたものだが、その人気はすごく、多くの人が持っている。
しかし、リンドウは持っていなかったが、リンドウもこの旅に備えてタマムシデパートでなんとかゲットしてきたばかりなので持っているアドレスも少ない。
現状リンドウが持っているのはオーキド博士、リーフの二人だけだ。
「一応持っていますよ。一昨日買ったばかりなので連絡先が少ないんです。」
「ポケギアは便利だから積極的に使うといいよ。はい、交換できたよ。何かあったら連絡するね。」
「はい、こちらからも何かあったら連絡させてもらいます。」
ウツギ博士と交換を終えるとモミジからも連絡先を交換してほしいと言われたため、リンドウは交換し、同じくルリとも交換した。
「それじゃあ重ねてになりますが娘をよろしくお願いします。」
「はい。護衛を頑張らせてもらいます。」
「お母さん、もう行くね。またヨシノタウンのロケでね。」
「ルリも気をつけるのよ。」
「うん!」
そう言うと二人の青年と少女は29番道路へと歩みを進めていった。