今回はルリちゃんとヒノアラシの初めてのポケモンバトルです。
ワカバタウンを出発して2時間、すでに日は傾き始め、道路を歩くリンドウとルリの影も長さを増していっていた。
ワカバタウンを出てからというもの、お互いにどう話しかけたらいいのか分からず黙り込んでしまったままひたすら歩き続けていたため、男女二人が一緒に歩いているというにも関わらず、そこには浮ついた雰囲気など全くの皆無で寧ろ重たい雰囲気が漂っていた。
リンドウは少しづつ日が傾いてくることを考えてそろそろ寝たり食事をするための準備をしないといけないなと考えながら歩いていた。
このままのペースだとワカバタウンの隣町であるヨシノシティにたどり着くまでまだまだかかりそうな様子であった。
初日から無理をしていくよりは、ここでテントを張った方がよいとは思っていた。
だがしかし、リンドにはそれを実行することができない理由があった。
それはルリが女の子であるという点だ。しかも今まで普通に生きていたのではなく、アイドルとして生活していたような子だ。初日からテントでの野宿なんて大丈夫なのだろうか、そう考えていた。
しかし、ポケギアを出して今リンドウたちがいる場所を確認してみると、まだまだヨシノシティまでは道のりがあるようで、ここまでで2時間ほどかかったのだから、あと4時間ほどは歩かなければならないだろうと考える。そうするとやはりここら辺で木の実などを集めて準備を始めるとちょうどよいだろうと思った。
そのためルリに意を決して話しかけてみる。
「ルリちゃん、ちょっといいかな?」
突然話しかけたため、ルリは体をビクッとさせてから返事をしてくる。
「は、はい…何ですか…?」
「えっとね…このままだとヨシノシティにたどり着くころには9時を回ってしまいそうなんだ。だからここらへんで今日はテントを張って野宿をしたいんだけども、ダメかな?」
リンドウから伝えられてルリは申し訳なさそうに謝ってくる。
「私が歩くのが遅いからですよね…ごめんなさい…」
ルリが謝ってくるなんて考えてもなかったリンドウは突然のことに驚きながら、釣られて謝ってしまう。
「いやいや、多分俺一人で歩いても間に合わない距離だから仕方ないことだよ。それよりもこっちもちゃんと時間配分を考えてなかったから、こうなってしまったんだ。ごめんなさい。」
お互いに謝りあっている様子ははたから見れば不思議な光景で二人の近くにいたオタチ達も不思議な光景を見たと言わんばかりに首を傾げていた。
「それでやっぱり野宿なんてダメかな?」
話がずれてしまったため、もう一度リンドウはルリに聞いてみる。
するとルリは意外にも大丈夫だと返答してきた。曰く、野宿をするのも旅の楽しみで、基本は野宿になるからちゃんと覚えておきなさいと言われていたらしい。
そのことに安心して、リンドウは胸をなでおろした。
そしてここらへんでどこかテントを張るに適した場所はないかと探していると近くに洞窟があったため、その中に移動をしていく。
「うん、中も広いし、水が湧いてる。水も綺麗な水だから問題ないだろう。ここにしよう。」
「分かりました。ここから私は何かした方がいいですか?」
ルリに何かをさせるのはどうかと考えるが、これから旅をする上でしていかなければならないこともあるため、野宿をする上で必要なことを教えていく。
今回は必要なかったが、テントを張ること、明かりを確保すること、食料を手に入れること、水を手に入れることが主に必要となってくることを説明した。
ルリは物覚えがよく、すぐに把握してくれたため、リンドウも助かった。
そしてすぐにリンドウは明かりを確保するため、木を集めに、ルリは木の実を確保しにいくことになった。
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ルリはリンドウから渡された紙を持ちながら木が生い茂る森の中を探していた。その隣には二匹のポケモンがいた。一匹はルリのポケモンヒノアラシ。臆病な性格のため、すこしルリの後ろ側を歩いているが、木の実を探して木の上を必死に探していた。
そしてもう一匹はルリのポケモンではなかった。緑と白の体の色をして人のように二足歩行をしているポケモンであった。
「サーナイトもよろしくね。」
サーナイトと言われたポケモンはルリに笑顔で返して自分も木の実を探す。
この二匹とともにルリは木の実を探していた。
ルリがリンドウから貰ったメモ用紙には主な木の実の味などが書かれていた。
それに従い、今のところモモンのみやナナシのみ、オレンのみなどを集めていた。サーナイトはリンドウの手持ちポケモンの好みを知っているため、そのポケモンたちの好みの木の実を集めていた。
ルリたちが入った森は木の実が豊かで、様々な木の実があったため、楽に集めることができていた。
「さてと、明日の朝の分も確保できたからそろそろ戻ろうかな。」
リンドウから貸して貰った木の実袋にいっぱい手に入れたため、そろそろ戻ろうとヒノアラシとサーナイトに言い、戻ろうとすると、ヒノアラシが何やら大きくて赤い木の実を手に持っていた。
ヒノアラシが何を持っているのだろうと思って紙に目を通して探してみると、どうやらマトマのみらしいことが分かった。その味に目を通してみるととても辛くて体がポカポカする木の実だということが分かった。
とても辛いけど大丈夫なのかな?と思いながらヒノアラシを見ているとマトマのみに一気にかぶりついて食べていた。
しばらくするとヒノアラシはその辛さに耐えきれなくなってちょっと鳴きながら走り出してしまった。
どうやらヒノアラシは辛いものが苦手だったらしく、すごく辛そうな顔をしていた。
ヒノアラシに水を与えようとルリが走り出した瞬間、ルリは何かを踏んでしまった。
何を踏んでしまったのだろかと恐る恐る足元を見てみると、ポッポの尻尾を踏んでしまったらしい。
そのポッポは踏まれた怒りでこちらを睨みつけていた。
そして次の瞬間ポッポはルリに襲いかかってきてしまった。
「わわっ…ご、ごめんなさい…わざとじゃなかったんです!」
わざとじゃないと言われてもポッポはすでに怒り心頭でなきごえを繰り出してルリに攻撃をしてくる。
それをみてサーナイトはルリを守るためにサイコキネシスを繰り出してポッポを撃退する。
サーナイトのサイコキネシスをモロに食らったポッポは一瞬で体力がなくなり体を小さくして逃げて行ってしまった。
「ありがとうございます、サーナイト。助かりました。それにしてもヒノアラシはどこにいっちゃったんだろう?」
ルリが助けて貰ったサーナイトに感謝してヒノアラシを探しているとヒノアラシが草むらの中から飛び出してくる。
「もう、ダメでしょ。勝手に離れちゃいけないんだからね。」
そういってヒノアラシを腕に抱き抱えようとするとヒノアラシが飛び出してきた草むらがガサゴソと音を立てて揺れ始めていた。
ルリが何かと思っているとサーナイトがルリの前に立って牽制を仕掛ける。すると草むらの中から五匹のポッポ達がヒノアラシに向かって攻撃を仕掛けた始めた。
ヒノアラシは五匹のポッポのたいあたりを回避しようとしたが、一匹のポッポのたいあたりがヒノアラシに直撃し、大きく後ろにヒノアラシは吹き飛ばされてしまった。
「ヒノアラシ!大丈夫…?」
とっさのことでまだ驚きが隠せないルリはどうすればいいのか困ってしまい何もすることができないでいた。その間にもポッポたちはヒノアラシに猛攻を仕掛けていて、避けきれない攻撃をヒノアラシはくらってしまいダメージを重ねていっていた。
このままではヒノアラシがやられちゃうと思ってなんとかしようと思っていると頭の中にリンドウの声が響いてきた。
「ルリちゃん!大丈夫!?」
周りにリンドウの声が聞こえてくることに驚きがあったがそんなことよりもどうしたらヒノアラシが助かるのかリンドウに聞く
「ヒノアラシに攻撃の指示を出すんだ!たいあたりがヒノアラシは使えるはずだ!」
「うん分かったよ!頑張ってもう少し耐えてね、たいあたりをヒノアラシして!」
ルリはリンドウに言われるや否やすぐにたいあたりを指示する。
それを聞いてすぐにたいあたりを繰り出す。これまで一方的に攻撃していたポッポたちは急に反撃してきたヒノアラシにびっくりして攻撃の手を緩める。
その隙を縫ってすぐにヒノアラシはポッポたちから距離をとって反撃の体勢を整える。
「ヒノアラシ!ひのこだよ!」
ヒノアラシは空気を大きく吸い込んでその口から火の粉を撒き散らす。それはポッポたちに直撃し、ポッポたちは火傷をしたようだった。
火傷したこともあり、ポッポたちは逃げて行ってしまった、ルリは一安心して地面にぺたりと座り込んでしまった。
しばらくして薪拾いを中断したリンドウが合流してなんとかルリは安心したのかぐっすりと眠ってしまい、同じようにヒノアラシも眠ってしまった。
突然の襲撃だったとはいえ、5匹相手に引けを取らず戦えたルリやヒノアラシを見やってリンドウは頑張ったのだなと思ったのだった。
突然ですけど理系が小説を読むのも書くのも好きなのってみなさんはどう思いますか?よく作者は理系なのに小説が好きで読んだり書いたりするのは変わってると言われるのですが、自分は全然いいと思ってます。