自分の好きなキャラで、聖杯したらどうなるんだろって妄想話です。
原作通りじゃないところとか、セリフが変とか、設定違うとか気をつけるようにはしますが、ずれてしまうかもしれません。
聖杯は、願う。
皆の願いを叶えたいと。
聖杯を、自分を恨んで、消えていく英雄、消えていくマスター達の願いを叶えたいと。
真っ黒の世界で、聖杯は一人で嘆く。
「聖杯戦争は解体されたはずだろ?」
声の主は、ロードエルメロイ二世。
スーツの上から、赤のコートを被せる、長髪の男。
「はい、確かに。ですが、世界中で噂になってます、聖杯戦争を始めると」
エルメロイの弟子の一人。
遠坂凛。黒髪ツインテールのスレンダーな女性。
「私の耳にも入ってきたが、鵜呑みにしていなっかた」
「それが……インターネットで、参加できるらしいんですが」
「そんな、馬鹿な……それは、まるでムーンセルの聖杯に近い」
呆れるように、信じられない心を隠しきれていない。
ムーンセルの聖杯戦争。西暦2032年に開催。霊子虚構世界、セラフと呼ばれる仮想現実世界を舞台に、聖杯ムーンセルオートマトンの所有権を巡って戦う。冬木の聖杯戦争をモデルにしているが、システムは根本から大きく異なる。
「二十四時丁度に、聖杯戦争って検索すると、とあるサイトが出てくるらしく、そのサイトに名前を打ち込むと登録完了ってな流れです」
「なんとも言えないが、試すだけ試してみるか」
少年は思う。
聖杯戦争に参加できると。
FATE作品をあらかた、プレイし、鑑賞もした。クソゲー呼ばわりのFGOも百万近く課金している。
「あんな、アホみたいな噂を信じるやつはいるのか」
パソコンの光だけが、部屋を照らす。少年はため息交じりに、二十四時になるのを待つ。
口では信じてないと言ってるが、少年の本心は、マスターになって聖杯戦争に参加し勝利してみたい、ただそれだけ。
「イリヤさん、エロ動画でも調べてるんですか?」
宙に浮かぶステッキが、パソコンの前で考え込んでる少女――イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
「違うよ!聖杯戦争の噂について調べてるの!」
耳まで、赤くなって、反論するイリヤ。
「それって、もしかして、今朝美優さんと話してた、噂のことですか?」
今朝、小学校に向かう道で、イリヤは美優から、噂を聞いた。二十四時丁度の聖杯戦争のサイトが存在すると。
「嘘、だと思うけどね。本当だとしても、聖杯戦争には、参加したくないけど……」
「なぁ、白。聖杯戦争参加してみたくないか?」
両手でゲーム機を器用に使いながら、隣で半分寝てる、白い髪のセーラー服の幼女、白に聞く。
「にぃ、外出れないから、負け決定」
「い、妹よ。俺達『』に敗北はないだろ、家をでないまま、聖杯を勝ち取ってやるよ」
your WINと画面に映し出されるが、嬉しさなどなく、当然のことのように、少年、『』の片方空は、妹白に言い放つ。
「聖杯戦争に参加とか、まず無理」
「はっはあ~ん。白知らないのか?二十四時丁度のサイトがあるって」
「そんなもの、都市伝説」
ネット上で、『』は都市伝説扱いされている。どんなゲームのどんなジャンルでも、ランキング一位を獲得する。名まえが入力されていないことから、『』の異名を持つ、無敗の天才ゲーマー。
「ものは、試しだろ。そろそろこの世界のゲームは飽きてきたしな」
このゲーマー兄妹は、思う、心底人生という、クソゲーを脱出したいと。
鎮守府で、一人の少女は悲しむ。友を、戦友を失ったこと。
恨んだ。自分の無力さを。世界の理不尽さを。あいつらを。
「……聖杯戦争」
少女の友、睦月が撃沈し勝利した戦いの成果で、至急された最新式のスマホの画面に目をやる。
「なんでも、願いを……」
涙を拭って、少女は二十四時丁度を確認し、自分の名前、夕立と打ち込む。
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