FINAL FANTASY Union   作:緑汁

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またも細々した話が続きます。申し訳ないですね……


H.「次に向かうべきは」

Main Character:バッツ=クラウザー

Scene:リターナーのアジト

 

「はぁ……なんか、緊張するな。ああいう場は」

 

 頭を掻きながら眉を顰めてバッツが呟く。それを見たレナは柔らかく笑みを浮かべて――

 

「あら、そうですか?私だって、一国の王女でバッツさんとはまだ知り合って数日の仲ですけど?」

 

 バッツの疑問を推測しながら、あの場にいた面々と同じ条件を持つ自分はどうだ?と彼に問を投げる。

 

「それもそうだな。いや、でも何だろう、レナ様は――」

 

 確かに、レナ相手にそのような緊張は抱いていない。その理由を何となく考えながら口にしようとして、その軽率な行為に気づき言葉を止める。

 

「私は――何でしょうか?」

 

 笑みの形は変えぬまま、少しだけ艶を伴ったレナの表情がバッツに向けられる。

 

「というか――その…レナ『様』って言うの、やめてほしいです。だって私達――王族だとかそんなの関係無しに、もう仲間じゃないですか…?」

 

「え、あっ……そう、だな……。じゃあ、バッツ『さん』ってのも……無しで……」

 

 戸惑いながらもバッツが出してくれた承諾と提案に満足げな笑みを浮かべるレナ。

 

「はいっ、バッツ♪」

 

「えっと、レ―」

 

「おーい、そんなとこで何してんだ?」

 

 そこで、突然ファリスがバッツたちの元へやってくる。

 

「あ、いやっ……何してんだ、ってエドガーさんの用が終わったからファリス達のところに戻ろうと……」

 

「ん、そっか。いや、何かやけに楽しそうに話してたもんだからよ……もしかして邪魔だったか?」

 

「そんなことないですよ。ありがとうファリス。心配して来てくれたんですね」

 

 いつぞやと同じニヤケ顔を見せるファリスに対して、バッツよりも先にレナが答える。

 

「まあ、そんなとこだ。ガラフのじーさんも待ってる。さっさと次の作戦会議でもやろうぜ」

 

 あっさりと切り返されてケタケタ笑いながら客室に戻るにファリス、レナもそそくさとついていく。そして、一瞬立ち止まり先程バッツに向けたものと同じ笑みを見せる。

 

 その笑みの意味がわかぬほどバッツ=クラウザーという男は鈍感ではないが、そんな笑顔を向けてきた女の子の後をすぐに追うことができるほど肝の据わった男でもなかった。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「それで、ですが――私達クリスタルの戦士組はクリスタルの守護を主目的としましょう。ガストラ帝国の対処については、あくまでも有事の際の戦力ということで――一応、エドガー様とも話はついてます」

 

「それについては俺も賛成かな。ガストラもクリスタルも、わかんないことだらけではあるけど、クリスタルの声を聞いてこんな力ももらっちゃったし、やっぱり無視はできない」

 

「オレもそうだな。お――王様だってまだ行方不明なんだろう?タイクーンが落ち着かない状況だと俺の海賊団も色々とやりづらいんだ」

 

「うむ……ワシも、がすとら?については特にピンと来るものもないしのぉ……」

 

 それぞれ多少の思惑の差はあれど、クリスタルの4戦士全員がクリスタルの驚異への対処を優先したいという思いは一致するものだった。

 

「となれば、ひとまず他のクリスタルの元へ赴くべきかと思いますが――」

 

「セフィロスが次にどこを狙うかはわかんねぇよな……」

 

 セフィロスが本当にクリスタルを砕いて回っているのか、そもそもクリスタルの驚異はセフィロスだけなのかはわからないままだったが、考えて答えが出るものではないので皆敢えてそこには目を瞑っている。

 

「だったら、ミシディア――水のクリスタルはどうだろう。いや、元々水のクリスタルがミシディアにあるって知ってたわけじゃないけどさ……ほら、ミシディアって魔道士の国だろ?俺達、クリスタルの力を貰って、魔道士みたいになった――というか、魔法使えるようになっただろ?だから、ミシディアならこの力のこと何かわかるかも知れないな、ってさ」

 

 バッツの提案に一瞬目を丸くするレナだったが、すぐに真面目な表情に戻る。

 

「そうですね。ここからであれば、カルナック、ファブール、ミシディア何れもそう距離に違いはありませんし、今は少しでも情報が欲しいです。そう考えればミシディアを訪れるのが良いかもしれませんね。ありがとう、バッツ」

 

 そして、レナが優しく微笑む。

 

「よーし、そうと決まれば早速出発しようぜ!何、シルドラと俺の船ならミシディアなんて――そうだな、3日くらいか?」

 

「なんじゃ、お主にしては思い切りがないのぉ…」

 

「うるせぇ!海を舐めてっとどうなるかわかったもんじゃねぇぞ!」

 

「はいはい、ケンカはそこまでにして――行き先も決まったことですし、出発の準備をしましょう。私がエドガー様にしておきますので、支度は皆さんにお任せしますね」

 

 ガラフの小言に大して語気を荒げて言い返すファリス。その二人を苦笑を浮かべながら制するレナ。

 

「おう、こんなカビ臭い所なんてさっさとおさらばだ!」

 

「いや、お前んトコロのアジトも大して変わんないと思うぞ…?」

 

「バッツ、てめぇ――」

 

「もうっ!!」

 

「ハッハッハ、若いもんは元気で良いのぉ」

 

 せっかくレナが上手く場を収めかけたのだが、またもファリスに火がつく。そして、その後も纏まりのない会話を暫く続けるクリスタルの4戦士であった。




というわけで、さらっとクリスタルの所在地が出てきました。今後は各原作の何れとも微妙に違った話の流れにしたいなという意図でこの様にしたのですが、現時点で明確に決めているわけでもないのでいつの間にかしれーっと変わっている可能性もあるかもです………

風のクリスタル被りしているファブールを敢えてクリスタルの所在地に選択したのは、ファブール側に理由があるというよりは、逆に名前が挙がっていないあのクリスタルの所在地をストーリーに組み込むつもりが(今のところ)ないからですね。なのでもしそこをストーリーに組み込む良い案が思い付けば無理やりクリスタルを変えるのも変な話なので、クリスタル所在地がしれっと変わっちゃうかもしれないです(笑)
まあ、そうしたらそうしたでヤンはどうするんだ?って話になりますけど……
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