FINAL FANTASY Union   作:緑汁

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この後の展開はいろいろと考えていたのですが、肝心のこの話をどうするか全く考えてなくて困ってしまいました…


B.「魔法の国 2」

Main Character:バッツ=クラウザー

Scene:ミシディア

 

 ミシディア島に上陸し、魔物との小競り合いを経ながら約30分ほど歩いたバッツ達の視界に漸く村が見えた。

 島、国、村全てが"ミシディア"という同一の名前を関する通り、この島にはミシディア以外の国、地域は存在しない――厳密に言えば、ミシディア島全土がミシディア国の領土であり、その中で人の暮らしている領域がミシディアと呼ばれる村である。

 だが、そんな地理学的な知見ではなく、その村から感じられる魔力がバッツ達にアレがミシディアだと直感させた。

 

「これが魔道士の国か――なんだかゾッとするな」

 

 全員が全員ではないが、バロン王国軍黒魔道士団長ノーティス=スルトル、白魔道士団長ローグ=バルドルに比肩する魔力の持ち主が両の手では数え切れないほどいるのがわかる。

 

「だから言っただろ?」

 

 自分の判断は正しかったとばかりに得意げな表情を見せるファリスだが、僅かに緊張の色が滲んでいる。

 

「そうね。でも、私達は何もミシディアを襲おうというわけでもないですし、変に身構えずに村に行きましょう」

 

 王族として幾度も重圧ののしかかる場を経験したであろうレナが、皆に先んじて前に出る。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「お待ちしておりました」

 

 バッツ達がミシディアの入口までやってくると、門の前には壮年の男性が立っていた。推定年齢60前後のガラフよりも更に一回り程歳を重ねているように見える。

 

「突然の来訪、失礼致します。私はタイクーン王国第2王女、レナ=シャルロット=タイクーンです。そして、こちらの者たちは――」

 

「クリスタルの4戦士、ですね」

 

 レナが仲間の紹介を終える前に、ミシディアの老人に先を越される。

 

「申し遅れました。私は、ミンウ――このミシディアの長を務めるものです。タイクーンからこのような辺境の村へと遠路遥々お疲れでしょう。そう栄えた村ではございませんが、どうぞごゆっくりお寛ぎくださいませ」

 

「お心遣い感謝致します。ですが、我々としては一刻も惜しい状況です。失礼を承知で申し上げますが、すぐにでも会合の場を設けてはいただけませんか?」

 

 レナにとっては心苦しいほどの無礼に、深々と頭を下げてミンウに願い出る。予断を許さぬ状況であるのは確かなのだ。

 

「頭を上げてくだされ。ええ、わかりました。であればすぐにでも席を準備しましょう。宿を手配いたしますので、それまでは部屋でお待ちくだされ」

 

「では、そうさせていただきます」

 

 ミンウは近場にいた女性を呼び止め、レナ達を宿へと案内させる。宿につくなり、ミシディアの女性が宿屋の主人に事情を説明すると、あっさりとレナ達に2つの部屋があてがわれる。

 

 早速片方の部屋――男性陣3人用の広い方の部屋に4人は集まっている。

 

「歓迎されてる――でいいんだよな?」

 

 まるで自分たちが来ることがわかっていたかのような手際の良さに、困惑を隠せないバッツ。

 

「そうですね――風のクリスタルが失われたこと、そして私達がクリスタルの戦士に選ばれたことは既にご存知のようでしたね。ミシディアのクリスタルを通じて、でしょうか?」

 

 フィガロ王国経由で風のクリスタルについての事情を伝えられている国がいくつがあるであろうということは想像できるが、フィガロとミシディア間に直接の通信手段はないはずだ。というより、ミシディアと遠隔での連絡手段を持っているのはトロイア国くらいのものである。

 

 そもそも、クリスタルから力を与えられた戦士の存在などという眉唾物の話が国家間で伝わっているとも考え辛い。

 

「まあ、何でもいいだろ。どーせクリスタルの話を聞くためにここに来たんだろ?気になるんなら、それも含めて聞いちまえばいいさ」

 

 余計なことは考えないファリスらしい意見に、他の三人も頷く。

 

「そうじゃそうじゃ。ついでに、強い魔法の一つや二つ教えてもらえれば、今後の戦いもグーッと楽になるじゃろう!」

 

 記憶喪失だということを忘れそうになるほど前向きなガラフに、バッツとレナの緊張も解れ思わず笑いが溢れる。

 

「ところでよ――」

 

 話の流れが切れたところで、ファリスが話を切り出す。バッツ達の視線がファリスに集まる。

 

「いや、別にそんな大した話じゃねぇけどさ――お前らいつの間に呼び捨てで呼び合うようになったんだ?」

 

 注目されて驚いた顔を見せたのもつかの間、直ぐに目を細めて口元を歪めながら楽しそうな表情を「お前ら」――バッツとレナの方に向ける。

 そして、その「お前ら」は全く同じタイミングで頬を染める。

 

「い、いやっ……これはっ……あれが、それで……別に、ファリスには関係ないだろ!」

 

「別に関係ないことはないだろ。オレたち仲間なんだからさ。な、レナもそう思うよな?」

 

 期待通りの反応がバッツから得られたファリスは満足そうにしながら、次はレナに仕掛ける。

 

「う、うん――そうよ。私達、仲間なんだから…別にこれくらいで照れることなんかないのに、バッツ…」

 

 わざとらしくバッツを呼び捨てにし、更に顔を赤くするレナ。予想外――だが期待以上の反応を見せてくれたレナに、ニヤニヤが止まらないファリス。

 

「え、ワシは…………?」

 

 ファリス以外の二人からさん付けで呼ばれているガラフ。老人の哀愁が、宿屋の一室に木霊する。

 




というわけで、ほとんど何も進まずに日常回(?)になってしまいました…

部屋割りについて書いていたところで気づいてしまいましたが、ファリスのアレがバレるイベントを全部すっ飛ばしてここまで来てしまいました。どうするつもりなんでしょうね、私
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