FINAL FANTASY Union   作:緑汁

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ゲームが忙しくて更新が空きました……


G.「バロン城下町攻防戦」

Main Character:クラウド=ストライフ

Scene:バロン城下町

 

 バロン城から出てきたクラウドは、城下町で竜騎士団とバロン兵が戦っている光景を目の当たりにする。

 

「やっぱり、騒ぎを聞きつけた巡回中の兵士が集まってきたみたいだな」

 

 クラウドの姿を確認したロックはすぐさま相棒の元に駆けより、今の状況を簡潔に説明する。

 

「城の方は?」

 

「さっきのやつらは足止めしたが、すぐに増援が来るだろう」

 

 多少バロン兵側の人数が多いが先程よりも人数差は少なく、何よりも竜騎士が本領を発揮できる屋外戦闘。現在は圧倒的に竜騎士団側が有利。だが、城からの増援となれば各軍団長の参戦もあり得る。

 遠征中のセシル=ハーヴィ、基本的に直接戦闘に参加しない両魔道士団、そして本件の依頼主且つクーデターの首謀者であるカイン=ハイウインドを除いても、四軍団――その内一軍団の長がこの戦闘に加わるだけでも形勢は変わり得る。

 

 竜騎士団の目的はバロン軍へ打撃を与え、クリスタル所有国への侵攻を遅らせること。それは、竜騎士団の離反によりある程度達成はされるのだが、現在のバロン王の考えが全く読めない以上、可能な限り被害を与えておきたいというのがカインの考えである。ミシディア侵攻の強引さを見る限りでは多少の被害ではクリスタルの奪取を強行する可能性を否定できないのだ。

 

「民家への被害は最小限に!撤退しながらバロン軍との交戦を続けてくれ!」

 

 竜騎士団副団長アーロン=ファフナーは部下の竜騎士たちに指示を出し、クラウド達の元にやってくる。

 

「ありがとうございます。お二人のお陰で、作戦は順調です」

 

「そいつはよかったよ。いや、俺は大したことしてないんどけどさ。それより、そろそろ本格的に退かなきゃマズイんじゃないか?あんまりチンタラしてると――」

 

「ええ、城内からの増援が来ます。それに、軍団長が来る可能性があると考えると――決して優勢とは言い切れないですね」

 

 ロックの懸念は、アーロンも同様だった。

 

「だったら、アンタは竜騎士達のところに戻ってくれ。俺は逃げるの得意だし、コイツもそう簡単に負ける奴じゃない」

 

「ソルジャー、でしたか――」

 

 アーロンはクラウドが戦った場面を直接見たわけではないが、竜騎士達でも膠着状態だったあの場をたった一人で切り抜けたという事実は間違いない。最上位のクラス1stともなればバロンの軍団長にも匹敵する戦闘能力だという話も嘘ではなさそうだと実感する。

 

「ああ、そうだ。だから、アンタらは気にせず撤退してくれ。俺たちもすぐに後を――」

 

 クラウドがアーロンへの提言を止める。異様な殺気。バロンの城門――いや、その上空。

 太陽を背に巨躯の影がこちらに飛来する。

 

 

 ガキィン!

 

 迫りくる影に向けて跳躍したアーロンの槍が剣とぶつかり合い激しい金属音を響かせる。

 

「グレアッ!」

 

「『団長』だ!アーロンッ!!」

 

 アーロンと打ち合った巨躯の男、バロン陸兵団長――グレア=ヴィーザルは勢いよく着地し、砂煙を巻き上げる。一方、未だ対空し続けているアーロンは槍をグレアに向けて落下。再び両者の武器が交差する。

 

「地に落ちたものだな!竜騎士も!」

 

「何も知らないで!」

 

 グレアが大剣――クラウドの程ではないが――を薙ぎ、アーロンごと弾き飛ばす。

 

「軍団長か!マズい、俺達も加勢を――」

 

 ブリザド

 

 アーロンの助太刀に入ろうとしたロック達の足を止めたのは、突如出現した氷塊。

 

「竜騎士ではないな。協力者か。バロンの人間ではないようだが――」

 

 土を蹴る音を鳴らしながら女の声が近づいてくる。

 

 

「女…?いや、アイツは――」

 

 氷魔法(ブリザド)を放った女戦士。緑のレオタードに純白のマント姿。直接の面識があるわけではないが、ロックの頭にはとある名前が浮かんでいた。

 

「ガストラ将軍――セリス=シェール」

 

「青いバンダナの男。それに、金髪の大剣使い――貴様ら、リターナか」

 

 同じくセリスにも、直接の面識がない二人の男に覚えがあった。部下の報告にあった、ナルシェの幻獣確保を妨害したリターナー構成員と思しき二人の男。

 

「へへっ、ガストラの将軍様に認知してもらえてるとは…モテ期かなこりゃ…!」

 

 必死に作り笑いをしながら軽口を叩くロック。そうでもしていなければ、この状況に耐えられない。

 

(いやはや、まさか本当にガストラの将軍がいるとはな……)

 

 ロックは引き下がりそうになる足に力を込めて逆に一歩前に踏み出す。

 

「俺が奴の隙を作る。なんでもいい、デカい一撃を叩き込んでくれ。そしたらすぐにアーロンに加勢。そして、一気に撤退だ」

 

「わかった。任せるぞ」

 

 ロックはクラウドに作戦を伝えると、すぐさまセリスに向かって駆け出す。一瞬の間をおいてクラウドがそれに続き、二人は左右に散開する。

 

(バンダナの男は揺動。本命はザックス。そうと分かれば――)

 

 セリスはロックとの間に氷の魔法(ブリザド)で壁を作り、間合いを開けて自身の左前に構えるクラウドへと迫る。

 

ミラージュダイブ

 

 氷の壁に阻まれるはずだったロックの体は、ゆらりと姿を滲ませて一瞬でセリスへ肉薄する。

 

「なにっ!」

 

「悪いなっ――えっ…?」

 

 セリスを間合いに捉えたロックは、短剣を突き出す腕を止めてしまう。力量差を考えると元より防がれる前提の一手。故にその一瞬は『常勝将軍』にとってはあまりにも大きすぎた。

 

「なめるな!」

 

 無慈悲にも振り下ろされる将軍の剣、一度止めた動きを無理矢理再開したロックに、もはやその刃を避ける身体の自由などあるはずもない。

 

「おおおおおおおおっ!」

 

 だが、ロックの一撃を信じて駆け出していたクラウド。更に地面を蹴って剣を突き出しながら超高速の突撃を繰り出す。

 

「ちぃっ!」

 

 ソルジャーの全力の突進はセリスの剣が振るわれるより早く間合いに彼女を捉える。かろうじてクラウドの大剣を受け止めるセリスだが、速度の乗った大質量のエネルギーを受け止めることはできず、剣をかち合わせたまま押し込まれる。

 

クライムハザード

 

 クラウドは地面を蹴り、突進の勢いを利用して鍔迫り合いを続けるセリスの体ごと大きく飛び上がりながら大剣を振り上げる。突進の勢いで体勢を崩されたセリスは大きく吹き飛び、数十メートル先の地面へと着地。

 

「わりぃ、助かった」

 

「礼ならあとだ。今のうちにアーロンの加勢に行ってくれ」

 

「まさか、お前」

 

「ああ、ガストラの将軍は俺が止める」

 

 半身で剣を前方に構え、敵を見据えるクラウド。今ならセリスが妨害に魔法を放ってきても防ぐことができる。

 

「じゃあ、こっからは別行動だ。こっちも隙を見て撤退するから、お前も無理をすんなよ。流石に軍団長クラスが二人も来たら――」

 

「それでもなんとかするさ」

 

 相方の頼もしすぎる発言に思わず苦笑いしながら、ロックは陸兵団長と交戦中のアーロンの元へ向かう。




セリスVSクラウドは前々からなんとなく戦わせたいカードでしたが、お話の都合でそこにロックを絡められてよかったです。寧ろそのせいでクラウドが邪魔なのでは、という問題も出てきてしまいましたが……

作中でも上位のフィジカルモンスターであるクラウドとグレアが平然と跳躍してしまってるせいでお株を奪われしまうアーロンさん……
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