「はぁ...」
「はぁ...」
俺とマナトのため息が重なる。理由は女子と男子の雰囲気が余りよろしくないからだ。まぁ、ユメは話してくれるがシホルは俺をみると逃げてしまう。ランタに至っては二人から徹底的に無視されていた。
仲間内での関係が少し悪くなったせいか、いいや必ずしもそうであるわけではないのだが、その日から天候が悪い、しかも一人でいるゴブリンが見つからず、収入がゼロに近かった。というかゼロだった。
明日こそは1カパーでも...いやそれ以上は稼いでやる!と意気込んで寝ようとすると誰かが起き上がる気配がした。
「....マナト?」
「うん」
「眠れない感じ?それかトイレとか?」
「いや、ちょっとでてくる。こんなことわざわざ言うのもあれなんだけど、ちゃんと戻ってくるから心配しないで」
「出てくるってこんな時間に?」
「夜はこれからだよ。ハルヒロは疲れてるでしょ?
行ってくるから先に寝てて」
「....わかった。」
着いていこうかな?と思ったんだけどいつの間にか寝てしまった。目が覚めるとマナトは帰ってきていた。
「おはようハルヒロ。今日は別の場所に行ってみたいんだ。どうかな?」
マナトは昨夜、花園通りのシェリーの酒場にいって、義勇兵から情報を仕入れていたらしい。その際に酒を奢ったり、無理やり飲まされたりしたらしいが詳しくは話さなかったが金がかかったのは確かだろう
「おはようマナト。俺は大丈夫だよ、ていうか連れていって貰えばよかったなシュリーの酒場?に」
と言ったら「ハルヒロはお酒を飲めるの?」と訊かれた。
「う~んどうだろ。飲んだ事ないから分からないな。マナトはお酒好きなの?」
「俺はね、どうも嫌いじゃないらしいんだ。だから情報収集っていっても少しは飲みたかったっていうのもあるのかもしれない」
森はもうたくさんだという雰囲気になっていたので、マナトの意見はすんなりと通った
オルタナの北西約四キロ。歩いて一時間少々のところに、次の狩り場となるその街はあった。
街といって辺りは瓦礫だらけであちらこちらに雑草は生い茂っている。少なくとも今は誰も、人っ子一人住んでいない。
昔、このダムローはアラバキア王国第二の都市だったらしい。オルタナなんかよりずっと巨大な街だった。でも、
そんなわけでダムローは今やゴブリンの根城だ。俺らが狩り場にしたのは旧市街と呼ばれるダムローの南東部だ。
「━━1匹、だけか?...だよな?」
盗賊という理由だからか、一人で偵察して敵を探していると床に腰を下ろして背を壁にもたれさせ、腕を組んでいる。うつむいて、目をつぶって寝ているようだ。
俺は急いで、物音を立てないように注意しながらみんなが待機している場所まで戻った。
「ゴブ一匹。寝てるよ」
「よし、やろう」
そう言うとみんなに的確に指示を出していく
「モグゾーは鎖帷子を着ているから、どうしても音が出ちゃうよね。だから、まずは俺とハルヒロ、ランタが近づく。モグゾーとユメ、シホルはその後ろから距離を詰めてきて。ゴブリンを起こさず接近できたら、俺たち三人で一気に息の根を止める。気づかれて起こしちゃったら、ユメは弓矢で、シホルは魔法で遠くから狙って。モグゾーは急いで前に。真っ向勝負になったら、前と同じフォーメーションで。逃がさないように、全員で囲もう」
みんなで直ちに準備すると、マナトを先頭に、俺、ハルヒロが出発する。
目的の家に入るとランタがゴブリンにロングソードを突き刺した。ゴブリンは「グッ」と呻いて目を開けるとランタの顔めがけて手を伸ばした。それに驚いたのか下がろうとしたが「だめだ!」と一喝してスタッフで殴り付けるとランタがロングソードを押し込んでねじった。
やがてゴブリンはぴくりとも動かなくなった
「やったか...爪か何か剥いどかねーと。
丁度全員が集まったのでゴブリン袋を開けると、そこには銀貨4枚、4シルバー。それと硝子のように透き通った石が一つにあとは何の生き物か分からないが指かどこかの細い骨。
「ま、マジかすげぇ」
「おぉぉぉ! すごいなあ。最高記録やんかあ。てゆっても、まだ二回目やけどなあ」
「....4シルバー」
「むおー....」
4人が驚きの声をあげる。上から俺、ユメ、シホル、モグゾーだ
「まだだ。これを継続しないと。今回はたまたま簡単だったけど、毎日こんな風にはいかない。気を抜かないで次の獲物を探そう」
「おまえなあ、硬いこと言うなって!せっかく大勝利したんだからよ。オレ様のお陰で!こういうときは歓喜したっていいだろ?」
それを聞くとマナトは一瞬眉をひそめたが、すぐに笑顔をつくった。
「そうだね。喜ぶのは構わないと思うよ。ランタはうまくやってくれたし」
するとランタは調子にのったようで「だろぉ? なあ? オレってすげーだろ? とくによ、ゴブに剣をぶっ刺したまま、非常に酷薄な笑みをたたえるオレなんて、そうとう暗黒騎士っぽかったよな?」と自慢し始めた
「いや、普通に必死だったろランタ」
「アホ! 余裕ぶちかましまくってたっつーの! どこに目ぇつけてんだよ、おまえ! あ、そこか! そこにあったか!やたらと眠そうな目だから気がつかなかったわ!」
「もういいよ、そのネタは。悪いがいちいち反応しないからな? 」
「反応しろよ! そこは反応しとけよ! なんか寂しいだろうがっ!」
久しぶりにみんなで笑ったと思う。しかしその後はマナトの言った通りに気を抜かずに進んで、一人頭一シルバー七十四カパーという過去最高に稼ぐことができた。
ダムロー二日目は運悪く2匹以下のゴブリンにはお目にかかれなかったが、帰りに運良く1匹のゴブリンと遭遇し、1シルバー稼げたのだが一日目があの稼ぎだったからか少ないように感じた。
三日目は、マナトの提案でゴブリンを探しながら簡単な地図を作ることにした。
順繰りに地図を作りながら旧市街を歩き回るのは結構楽しかった。初めてで、行ってないところに足を踏み入れるときには心臓が破裂するぐらい...言い過ぎかな?まぁ、それほど緊張したし疲れたがとてもよかった。
次の日もダムローに行くのかと思ったけどユメとシホルが買い物がしたいと言い出して、俺も市場をみて回り、下着や背負い袋を頑張って値切ったおかげで安く買うことができた。
義勇兵宿舎に戻ってから、自分の買ったものについてみんなで話した。かなり盛り上がって、なかなか寝付けなかった。さっきまでベラベラしゃべっていたランタが最初に寝て、次にモグゾーの寝息が聞こえてきた。
「マナト」
起きてるかは分からないけど声をかける。すると魔だ寝てないようで返事が帰ってきた。
「うん...?」
「えっと、ありがとうな色々と」
「どうしたんだよ突然。というか感謝してるのはこっちのほうだよ」
「感謝?マナトが....? なんで?」
「みんな、仲間でいてくれる。ありがたいよ。嘘っぽく聞こえるかもしれなけど、本当にそう思ってる」
「嘘だなんて思わないよ。ていうか俺らはマナトに世話になりっぱなしだからさ、マナトがいなかったら俺たちは今、生きていないかもだし」
「それはお互い様、ハルヒロたちがいなかったら、俺だって分からない。このグリムガルは一人じゃとても生きていけないだろ?」
「そうだけど....えっと変な意味で捉えないでほしいんだけど。マナトなら、仲間なんていくらでも見つけられたんじゃない?だれかに言えばパーティーに入れてもらったりとかさ。」
「義勇兵のパーティーに? そんなことあまり考えたことなかったな。 俺、多分好きじゃないんだよ、人に頭を下げたりとか上下関係が苦手なんだと思う、覚えてないから分からないけど」
「俺もそういうの苦手かもしれないな」
「俺は、みんなに仲間扱いしてもらえるような人間じゃないような気がするんだ。」
マナトは言おうか少し迷ったようだがそう言った
「前のマナトがどうだったかなんて関係ないって。誰も気にしないし、今のマナトは俺たちの仲間でリーダーだし。いてくれなきゃ困るよ」
「俺も、みんながいないとだめだ...おやすみハルヒロ」
「おやすみマナト」
もしかしたら次の回に直死の....ゲフンゲフン 魔眼を出すかもしれません