灰と幻想のグリムガル~憑依した俺は魔眼持ち   作:盗賊8

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遅くなりましたがお待たせしました!

すいません魔眼を出すと言っていましたが出すタイミングが無かったので次の機会とさせていただきます

それでは....どうぞ!


マナト...

あれから俺たちの狩り場はダムローに固定された。最初は一匹だけを相手にしてきたのだが、慣れる事に二匹、三匹と数を増やした。少しお金に余裕ができてきたので全員がそれぞれ新しいスキルを覚えた。

 

「一匹そっちに行ったぞ、ランタ!」

「言われなくても分かってるつーの...!」

三匹のゴブリンの内、前衛であるマナトとモグゾーが二匹を引き付けている。後の一匹は後衛であるユメとシホルを狙って近づいてきた。が、それを俺とランタで対処する。

 

「うぉらぁーっ! 憤慨突(アンガー)....ッ!」

ランタは相手の間合い外から思いきり踏み込みこんで、ロングソードを突き出した。最近習得した新スキルを使ったらしいが見事にロングソードは空を切った

 

「━━なっ!? さてはおまえ、ただのゴブリンじゃねーな...!?」

「いや、どこからどうみてもただのゴブリンだろ」

ランタの言葉に呆れ、そう言うとマナトとモグゾーの方を見る。二人はしっかりとゴブリンを足止めしておいてくれてる。

 

「もお! 何をやっとうねん!」

おれがゴブリンの後ろに回り込むと、ユメが丁度良く剣鉈で斬りかかった

 

「斜め十字.....!」

ユメは覚えた新スキルを使った。その攻撃は肩から胸のあたりを浅く斬った

 

背面打突(バックスタブ)

ゴブリンは二人に警戒して後ろへの警戒がなくなり、無防備になった。そこへ俺の新スキル、背面打突(バックスタブ)で後ろからダガーを突き刺した

 

「...あれ?一撃...? あたりどころがよかった...いや、悪かったのか?」

ダガーとゴブリンを交互に見ながらそう呟く。まぁなんにしてもよかった

 

「とどめ刺さねぇと!」

そう言いランタはロングソードを振り下ろした。

 

「よっしゃー悪徳(ヴァイス)ゲットだぜー!」

 

「毎回思うねんけど、暗黒騎士は野蛮やなぁ」

ランタに眉をひそめたユメがそうつっこむと「野蛮じゃねえ! より高尚に、残虐といえ! オレたち暗黒騎士は暗黒神スカルヘル様に仕える、血も涙もない残虐非道、冷酷非情の騎士なのだ!」と大声でいった

 

「オーム・レル・エクト...ヴェル・ダーシュ!」

魔法使いはエレメンタルという魔法生物の力を行使する。

シホルが呼び出したのは影のエレメンタルで、見た目は黒い藻のかたまりみたいだ。それが特徴的な音をならして飛んでいく、影鳴り(シャドービート)の魔法。

 

シホルは炎熱魔法(アルヴマジック)氷結魔法(カノンマジック)電磁魔法(フアルツマジック)影魔法(ダーシュマジック)の4つ系統の中から影魔法(ダーシュマジック)を覚えることにしたらしい。

 

シホルの放った影のエレメンタルはマナトとやりあっていたゴブリンの後頭部に命中する。ゴブリンの頭だけではない、全身が細かく震えた。

影鳴り(シャドービート)の魔法は超振動によるダメージを与える魔法だ。すかさずマナトはショートスタッフで殴り付ける。その衝撃で転倒したゴブリンにランタが襲いかかる。

 

「どうらぁっ! 憎悪剣(ヘイトレッド)ォォ.....ッ!」

よし、このゴブリンは大丈夫だな。モグゾーのところに加勢しにいくか

 

「ギャギャア!」

と叫びながら錆びた剣で斬りかかってきたのをバスターソードで受け止める。鍔迫り合い(バインド)になる。こうなったらモグゾーは強い。

「ぬがっー.....!」

モグゾーはゴブリンの錆びた剣を巻きこむようにバスターソードを動かし、剣先でゴブリンの顔面を切りつけた。このスキルは巻撃(ウィンド)と呼ばれるものだ。モグゾーは身体が大きく、素早くないが器用なのだ。

ゴブリンは怯んで下がる。それを見逃さず、踏み込んで力いっぱい斜めに斬り下ろす。

「どうもー」

このスキルは憤怒の一撃(レイジブロー)という基本中の基本スキルなのだが、モグゾーが使うとなぜか「どうもー」と掛け声をかけることから俺たちはどうも斬り(、、、、、)と呼んでいる。

 

「ふおーっ」

とバスターソードを振りまわすと、ゴブリンがぶっ飛んだ。

 

「ヒャッホーッ!」

ランタは吹っ飛ばされたゴブリンに走りよると、ロングソードでめった打ちにしてとどめを刺してゴブリンの尖った耳をナイフで切り取る。

 

野蛮だ。やっていることが完全に蛮族だ。

 

「グアッハッハァーッ! 悪徳(ヴアイス)三連続ゲェーット!これで通算十一悪徳(ヴアイス)ッ! オレの悪霊(デイモン)パワーアップ! これで敵の耳許でなんか囁いて妨害してくれるようになるぜ!ま、気が向いたらだけどな! すっげぇ....!」

 

「気が向いたらって...暗黒騎士の悪霊(デイモン)って使えないんだな」

 

「おい! ハルヒロ! オレの前でゾディアックんをディスってんじゃねぇ 呪うぞこら」

ゾディアックんというのはランタが悪霊(デイモン)につけた愛称で、正式名称はゾディアックというらしい。どっちでもいいが、役に立たない

 

「だって、夜しか呼べないだろ?」

 

「バァーカ。悪徳(ヴアイス)が十一を越えたらランクアップして、夕暮れとか朝日が昇る前とかなら召喚できるようになるんだよ」

フハハハッ!と、自慢げに語っているのだが...

 

「日が暮れる前にはオルタナに戻るし、日の出まえなんて起きてないだろ? ランタは」

 

「....うるせぇーぞ ハルヒロ!」

しばらく間をあけるとランタは大声で叫んだ

 

「そやけどなぁ。飼い主のランタと違ってゾディアックんはちょぴっと可愛いからなぁ」

とユメが言った。

 

え? 可愛いのあれ? 疑問に思ってシホルに目を向けると微妙な顔をしていた。はぁ、よかった

 

「オレは飼い主じゃねぇぞ! 悪霊(デイモン)は飼ったりできるもんじゃねーんだよ。どっちかっつーとだな、ゾディアックんがオレに取り憑いてるわけ。悪霊(デイモン)だからな」

 

「どっちでもええやんな」

 

「本当だよ」

「お疲れみんな。みたところ怪我は...ないみたいだけどがあったら言ってね。治すから」

その後、ゴブリンの屍を簡単に片付けて少し離れた場所でお昼の時間となった

 

俺は自分の昼飯である、西町の手前にあるパン屋タッタンのパン(少し固いが味は普通にうまい)を広げるて食べようとするとユメが「あ、お祈りしないとなあ」と手を合わせて目をつぶった

 

「白神のエルリヒちゃん、いつもありがとお。食べ物ちょっとわけたげるから、これからもよろしくなあ」

 

「それってさ、狩人ギルドの掟で決まってる儀式なんだっけ。ご飯食べるたびに、少し神様に捧げなきゃだめなんだっけ?」

そう聞くと、「そやなあ」と、こっちに顔を向けた

 

「白神のエルリヒちゃんはすっごいおっきい狼やねんかあ。そいでな、やっぱりすっごいおっきい黒神のライギルっていう狼がいてなあ、エルリヒちゃんとライギルはものっそう仲が悪いねん。狩人はな、エルリヒちゃんが守ってくれるから、狩りとか毎日つつがなくできてるんやって」

 

「それなのにちゃん付けなの?」

あのランタでさえ、あのランタでさえ!(大事なことなので二回いった)スカルヘル様と様付けなのに大丈夫なのだろうか

 

「いいねんて、エルリヒちゃんは懐が広いかんな、こんくらいで怒ったりしいひんってユメは思うやんかあ。実際怒られたことないしなあ」

ユメは笑いながらそういった

 

「.....気持ち、は」

シホルは自分のお昼であろうドーナツを持ってる。

 

「ユメの気持ちは、神さまにちゃんと、伝わってると思う。あたしがそう思うだけ、だけど.....」

 

「気持ちはなあ、いっぱい、いーぱい、あるよ」

 

「ユメ、夜になったら寝るやんかあ。そしたらな、けっこうエルリヒちゃんがユメに出てくるねん。ユメな、エルリヒちゃんにのっていいかいって訊いてな、そしたらエルリヒちゃん、いいよってゆうてなあ。ユメ、エルリヒちゃんにのせてもって、エルリヒちゃん、ぱーって走ってな、めっちゃ速かってなあ。すっごいなあ、ゆうてなあ」

 

「その話、しかっりオチがあんだろうな。ここまで我慢して聞いてやったのに、もし切れ味の鋭いオチが用意されてなかったら本気でブチキレるぞ、マジで」

 

「オチ?ないよそんなの」

 

「アホかっ...! オチのない長話はするんじゃねぇ!」

 

「いいパーティになってきたな」

とマナトは呟いた

 

「ゴブリンは三匹まで普通にいけるようになった。誰も怪我しなかったくらいだから、余裕があったって考えても間違いじゃないと思う。ユメは弓矢より剣鉈の方がずっと得意だね。けっこう力がある。やり方を考えれば、四匹いけるかもな」

確かに、モグゾーとマナトが一匹ずつ、俺とランタとユメで二匹を受け持つ。シホルは後方で援護して一匹を早々に倒してしまえばなんとかなる気がする。

 

「たしかに四匹はいけるね」

俺がそう答えると「だろ?」と返してくれて続けた

「モグゾーは頼りになるよ、やっぱり。何せ、身体が大きいから。いるだけで相手を威圧できる。剣の扱いが正確だから、決めるところは決めるし」

 

「あ、それは俺も思ってたな。モグゾーって器用だよな」

「.....そ、そう? かな。わかんないけど。で、でも、細かい作業とかは、けっこう好きかな」

モグゾーがそう答えるとランタが「似合わねぇんだよ」と、頭を軽めにはたく

 

「ランタだってすごい、常に攻めていく姿勢が特にね。俺たちはみんな慎重な方だろ? ランタがいなかったら前に踏み出せないときがあるかもしれない」

「あ、お、おう。まあな」

ランタが珍しく面を食らったようになる

 

「ランタの方が似合わない」

と、からかうようにユメがつっこんだ。

 

「ユメは物怖じしないよね。ひょっとしたら、俺たちの中で一番勇気があるんじゃないかな。治療者(ヒーラー)としては気をつけてほしいけど、何かあったとき、ユメが助けてくれるかもなって思ってる」

 

「ユメがあ? そうあなあ。でも、怖いとかは、あんまり思わんかも。狩人なのに弓矢がへたくそなのは、かんべんしてなあ」

 

「苦手なことやできないことなんかは誰にでもあることだよ。補い合えば良いと思うよ、パーティなんだからさ」

 

「シホルは」

そこまで言うと少し息継ぎをした。シホルがマナトに対して抱いているであろう好意に気がつきつつもそれを察してのことだろうと思った。

 

「━━シホルは、周りがよく見えてる。影魔法(ダーシュマジック)はたしか、標的を惑わせたり、足止めしたりする魔法が多いんだ。いざってときに仲間を助けられそうだし、助けたいから、シホルは影魔法(ダーシュマジック)を覚えたいと思ったんじゃない?」

少しの間ぽかんとしていたシホルは、無言でこくっと頷いた

 

━━マナトは...ちゃんとリーダーとして俺たちをまとめてくれる。一人一人のことをよく観察して、皆に的確に指示を出してくれるし、戦闘面でも攻撃職ではないのにモグゾーと同じくらいの働きをしている。それにほんの少しの傷でもすぐに魔法で治してくれる。

声には出さないけどマナトのように自分なりに良いところを考えてみた。こう考えるとマナトって本当にすごいな

 

その後はみんなで雑談しながらお昼を過ごした。

マナトは俺について何も言わなかった。たまたま忘れたのかな? 納得できなくて少しもやもやしたが今さら「マナト、俺は?」

なんて訊けない。いくらなんでも恥ずかしすぎる

まぁいいか、今は集中だ。集中しないと。

「.....いる」

俺は後ろを歩いていた仲間たちに止まるように合図をした。全員をいったん物陰に隠れるようにいい、俺が偵察にいく。これからも俺が偵察にいく事が増えるだろうから金を貯めて、せめて盗賊作法の忍び歩き(スニーキング)を覚えたい。今も音を立てないように気をつけて歩いてるだけだし。

 

ゴブリンは壊れかけの石造二階建てにいた。数は二匹で、一匹は金属製らしい鎧を身につけて剣を背に負っているゴブリン。もう一匹は床に座っているゴブリンだが、このゴブリンは普通よりもすごく大きかった。武器は分からないが鎖帷子を着ていて、兜まで被っている。

 

あたりを見回したが、他にゴブリンはいない。俺はみんなのもとに戻った

 

「二匹だ。そのうち一匹は今まで会ったゴブリンの中で一番でかい、モグゾーよりも大きいかもしれない。もう一匹は金属製の鎧を着てる」

 

「ホブゴブリンだ。ゴブリンの亜種で、普通のゴブリンよりも体格がいい。凶暴だけど頭はよくなくて、ゴブリンの奴隷みたいになってることもあるらしいから、それじゃないかな」

マナトは少し考えるような素振りをしながら説明してくれた

 

「ふーん、奴隷をつれてるってことは、そのゴブ野郎、身分が高かったりするんじゃね? だとしたら、いいモン持ってるよな、きっと」

ランタはやる気のようで、戦う準備をしている

 

「二匹か」

マナトは悩んでいるようで、目を伏せている

 

「んー、二匹なら行けると思うけどなあ」

 

「あたしが、最初に一匹狙って、魔法を当てられれば、そのあとたぶん、楽になる.....んじゃない、かと」

 

「ユメもな、弓矢でぴゅーって撃ってみるよ。外れてもなあ、ゴブちんびくっとなってな、がーっといけるとおもうやんかあ」

ユメもシホルも、みんなやる気になっている。さっきマナトに褒められて、士気が上がっているのかもしれない。いつもよりテンションが高い

 

「やるか」

俺はみんなよりもテンションが以上に高い訳ではないが、やる気を削ぐのもあれなので一言だけ言う

 

「よし、やろう」

 

作戦は俺とユメ、シホルが先行して、まず遠距離から攻撃。このとき俺は二人のガードをする。相手がこっちに気づいた段階で、モグゾーとマナトが前に出る。モグゾーはホブゴブ、マナトが鎧ゴブを受け持ち、俺とユメ、ランタが側面から攻めて、シホルは遠くから魔法で援護。

 

作戦が決まると全員で円陣を組むと、手を重ねて「ファイトっ」という小さな掛け声のあとで「━━いっぱーつ!」と一斉に控えめな声で言った。

気合いを入れた後になんだが、みんな「ファイト一発ってなんだ?」と疑問を口にしていた

 

俺はユメとシホルを連れて、二匹のゴブリンがいる二階建てに近づいていく。ここで少し問題が発生。シホルが言うには魔法の射程は10メートルくらいらしい。最大で近づけるこの距離は15はある。

 

「.....シホル、何かつけt」

シホルの耳もとで囁こうとしたが、かすかに甘いような特徴のある香りがした

 

「....え? 何かって?」

 

「ごめん何でもない。 ここから狙えない? これ以上近づいたらバレちゃうからさ、少し遠いけど」

 

「やってみるね..!」

シホルは静かに深呼吸すると、ユメもいつでも射てるように弓を構えて矢をつがえた。

 

「オーム・レル・エクト・ヴェル・ダーシュ....!」

シホルとユメは立ち上がり、シホルは呪文を唱え、同時にユメは矢を射った

 

矢は鎧ゴブの頭上を通りすぎ、シホルの魔法である影鳴り(シャドービート)はホブゴブに当たった。鎧ゴブは此方を見た、気づいたらしい

 

「見つかった!」

俺が叫ぶと「出るぞ!」とマナトたちが立ち上がった。

ホブゴブは棍棒を持ち上げて立ち上がった。鎧ゴブも何かをもった。どうやら武器らしい。ガッチリした柄のさきに小さな弓のようなものが備え付けられている。その先端をこっちに向けた。その瞬間、反射的にユメとシホルの肩に手をかけて後方に下がらせた。

 

「はっ....ガッッ!」

少し強い衝撃がきてあとずさる。それからとてつもない痛みがきた。痛みの源であろう右胸に手を当てると矢が刺さっていた。

痛い痛い痛い痛い! 痛みで息を吸うのを忘れてしまったらしく、呼吸が乱れた。

 

「は、ハルヒロ....くん!?」

 

「ハルくん.....!?」

二人が心配してくれたようだが、それどころではない。ユメは背中に手を触れた。

 

「っ....っ....いたっ...い..!」

痛い痛いっ!さわらないでくれ、さわるな、マジでヤバイこれ痛すぎる、俺ってもしかして死ぬ? 死にたくない、誰か助けてくれ

 

「ハルヒロ!」

マナトが来てくれたようだ。マナトは行きなり矢を抜く、血がどばっと出た。何すんだよ痛いだろ

 

「光よ、ルミアリスの加護のもとに.....癒し手(キュア)

マナトの掌から放たれる光が傷をふさいでいった。右胸を触るとふさがっていた。痛みも引いた

 

「マ、マナト! 速くしろ.,.持たねぇ」

ランタがそう叫ぶ

 

「大丈夫だな!?」

と叫ぶと俺が答えるよりも速く駆けていった。

建物の方をみるとユメとランタが鎧ゴブを相手にしていて、モグゾーがホブゴブを相手にしていた。マナトはユメとランタのところに加勢するらしいので、俺はモグゾーの加勢をすることにする。シホルはホブゴブに魔法の光弾(マジックミサイル)を放ったが全く効いてる様子がない。

 

「シホル! 影鳴り(シャドービート)だ!最初の奇襲でコイツに効いてた!」

「━━は、はい...! オーム・レル・エクト・ヴェル・ダーシュ!」

シホルが呪文を唱えると影のエレメンタルがホブゴブの横っ腹に当たり、超振動させる。

 

「ふがーっ......!」

その隙を見逃すはずもなく、モグゾーはバスターソードを頭に叩きつけた。

 

「今だ!...はぁっ....!」

間髪入れずにホブゴブに飛び膝蹴りを食らわせる。よろめいて体制を少し崩した。

 

「よし、モグゾー、シホル、ナイスだ!。」

 

「ハルヒロ、こっちを手伝ってくれ! ランタが...!」

追撃を仕掛けようとしたが、俺はランタの加勢しに、モグゾーはホブゴブにやられた傷が痛むらしく立ち止まってしまい、ホブゴブは立ち上がってしまった。

 

「なっ!?」

ランタは首から血を流して倒れていて、ユメは一人で鎧ゴブを相手にしている

 

「ユメっ!下がれ」

俺の言うとおり後ろに下がると鎧ゴブはユメを追いかけ...ずに、急に後ろを振り返って剣を叩きつけてきた。

 

「ぐっ...! くそっ!」

とっさにダガーで受け流すが、少し失敗して 腕から血が流れる。痛いがそんなのを気にしている余裕などないし、ダガーで受けることもできないので必死に避けて、かわして、逃げる。

 

「刈り払い....っ!」

ユメが鎧ゴブの後ろから斬りかかるが、いきなり俺に背を向けると、ユメの剣鉈を打ち返した。ユメの手から剣鉈が離れ、鎧ゴブが追撃をする

 

「やらせるかっ...!」

鎧ゴブとユメの間に割り込むとダガーで受け止め...られずに俺の右腕に食いこんだ。

 

「━━いつっ...」

必死に後ろにとんで逃げようとするが、逃げられない

 

憤激突(アンガー)ァァ.......ッ!」

ランタが横から跳んできて突きを放ったが避けられてしまう。しかし

 

「助かったランタ」

「速く治療してもらえ! ━━クッソ! ふざけやがって、ゴブ野郎の分際で」

さっきまでドバドバと流れ出ていた血は止まり、傷は塞がっているようだが血を失いすぎたのか顔色が悪い。

 

「ハルヒロ! 今治すから」

 

「光よ、ルミアリスの加護のもとに....癒し手(キュア)

俺は治療されながら周囲の状況を見る。モグゾーはぎりぎりホブゴブの猛攻をしのいでいる。シホルはしゃがみこんでいる。どうやら魔法の使いすぎらしい。ランタとユメは鎧ゴブの攻撃をなんとか避けている

 

「ユメ、こっちにきて! 治療するから」

「これくらい平気、まだやれる!」

 

「いいから、こい! ハルヒロ、ユメと交替だ、行って!」

 

「わかった」

ユメと交替しながらマナトの様子について考えた。顔色が悪かったが、大丈夫なのか?

 

「おわっ...!?」

とりあえず今は鎧ゴブに集中しなきゃ、別のこと考えてたら死ぬ

 

「らあっ...!」

 

「だりゃあっ...!」

二人で攻撃するが俺もランタも、あの鎧ゴブにどちらも痛手を受けたせいか反撃が怖くて手が出せないでいる。

 

「いつの間に兜なんて被ったんだよ」

誰に言うでもなく悪態をつく

 

「ハルヒロ、モグゾーを!」

ランタと二人で鎧ゴブと相対していると、ユメが加勢にきて、次に聞こえてきたその声に反射的にうなずいた。

 

「ごめんランタ、ユメ、ここは任せた」

 

「けっ...はやく行け!」

 

「任せてな!」

 

 

 

「ヌガアアァァァァッ!」

ホブゴブは雄叫びをあげるとモグゾーに棍棒を叩きつけた。モグゾーはそれをバスターソードでなんとか防いでいるがホブゴブの猛攻は止まらない。モグゾーはとうとう片膝をついてしまった。

 

「うおっ! らあっ! うおおおぉぉぉあああぁぁぁ...!」

無我夢中でホブゴブに飛び付くと、顔あたりにダガーの持ち手を叩きつける。

 

「いいぞハルヒロ! もう少しそのままで耐えてくれ」

マナトはモグゾーに近づき、そう声をあげる。どうやら治療をするらしい

このまま堪えろって鬼かよ!無理だろ絶対ッ....!

首あたりに必死に捕まり、注意を自分に向けさせる。

俺の思惑通り、こちらにホブゴブの意識を向けることができた。捕まえようと手を伸ばしてくるが、それを移動して避ける。しかしいつまでも避けられるわけもなく、ホブゴブの肘鉄を腹に食らってしまった。

 

「がはっ....!? うあ.....ま..ず..いっ!」

ホブゴブは地面に転がった俺に向かって棍棒を振り下ろそうとしている。

身体を動かしたくても動けない。

あ、これ俺....死ぬ

 

「はぁっ! 強打(スマッシュ)

マナトが横からゴブリンの頭めがけてショートスタッフで殴り付け、叫んだ。

 

「ハルヒロ、立て! 逃げろ! みんな、逃げるんだ....!」

なんとか立ち上がると、みんなが逃げている方向へと向かう。

 

「マナトはどうするんだ...!?」

 

「俺もいく! 当たり前だろ、はやくいけ」

ゴブリンたちから距離を取りながら攻撃を加えている

 

「どうもーっ!」

頭をマナトに治療してもらったモグゾーは、憤怒の一撃(レイジブロー)を放つ。当たりはしなかったが、怯ませんことができた。

 

「マナト、もういい。みんな逃げてる!」

ある程度はなれたところでマナトを呼ぶと、ホブゴブの胸に二連続の突きを放ち、足を止めさせると、鎧ゴブの攻撃も避け、あっという間に俺に追い付きそうだ。

 

「っ!」

後ろを少し振り向くと、鎧ゴブが何かを投げつけ、マナトに命中したのがわかった。

 

「マナトっ.....!?」

 

「平気! それよりはやく逃げるぞ」

心配になったが足どりはしっかりしているし、なにより追い討ちとばかりに鎧ゴブが矢を飛ばしてきたのだ。確認する間もなく、先に逃げている4人を追いかけた。

 

後ろを振り替えるともう追ってきていないようで2体のゴブリンの姿はもう無い。

 

今回はかなり危なかったが、なんとか今回も全員で生き残った!

「そういえばマナト、ゴブリンに何か...」

おれがそこまで言いかけて...マナトが倒れた

 

「マナト?......」

 

 

 

 

 

 

 




今日はここまでです

次話もおたのしみに!

あと感想(アドバイス)を頂けると作者のやる気が上がりますので気が向いたらお願いします!

では!
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