私と姉は仲が悪い。
アウトドア派の姉と、どちらかと言えばインドア派(民族基準)の私、
ビッチ姉と清楚系(民族基準)の私、
痴女型こってりの姉と、知女型あっさりの私。
もはや相性がいい筈も無い。精々顔の造詣が近いと言うだけで、性格は全く対極だと思っている。
ファッションセンスが致命的な姉は、雄の肉体的な本能に訴える短絡的な衣装に走りがちだが、
ファッションセンスが理想的な私は、男の精神的な本能を擽る様な衣装を追及している。
同じくファッションリーダーのライバルを張る、脳みそまでピンク色のビッチも悪くないセンスをしているが、私には及ばないだろう。
そうだろう? マスター。
「……コメントは控えさせていただきます」
それは姉に対する配慮か。私のセンスと比べると姉のセンスが可哀想になるからな。
マスターはあの時代の男達とは違って配慮が出来るのだな、それはとても良い事だ。
息子の父親にも見習わせたいことだったが、アイツは…、まあいい。
現在私はカルデアという所で、世界を救う大事業に参加している。
そこには先んじて姉と、息子の父親がいた。
姉は遂に私に殺される事無く世界に結果として殺された形になった事が心残りだった。
夫とは…全く話していない。正直、息子が納得した結末とはいえ、互いに全てを割り切れた訳では無い。
というか、英霊としての素質は息子だってある筈なのだが、
死に満足したからなのか今の所、幾らマスターに脅は……もとい、お願いをして召喚を繰り返させても息子が来る事は無く、
有象無象ばかりがやってくることは少々不満がたまる。
特に英雄で無く、精々偉人でしかない人間がサーヴァントの器で過大評価の戦闘力を持ち得る事には納得がいくとは言わない。
まあ、その不満も息子が来れば吹き飛ぶのだろう。
息子が来たら、色々したい事はある。また膝の上に乗せて本を読んでやりたいし、
服をコーディネートしてやりたい。恐れ多いのか周囲のものは私のコーディネートを受けようとしないが、
息子ならそれも無い筈だろう。
外に出る時には、私の用意した服を嫌がる時はあったが、動きにくい服ではあったと思うから其れは仕方なかった。
身体を動かすのも好きな子供だったからな。
身体を動かすというならば、此処で知ったサッカーを教えてやりたい。
生前の環境的に足技には絶対の自信がある。
私の住んでいた地域の外の英霊たちと、私の関係者でサッカーをしたら負ける事が想像できない。
取り敢えず必中のシュートや、ボールを分裂させるのは基本だ。
地面や相手を貫通させたり、フェイントとして帰ってくるシュートもうてる。
槍の名前扱いされる事もあるアレはそもそも蹴り技だからな。
それに加えて、私の魔術があれば、
ドクターの読んでいたサッカーの漫画の技は大体実行できる。
キャプテンな方も超次元な方もくまなくだ。
そういえば、アルトリアという女がサッカーが好きだと言っていたな。
彼女に相手チームのメンバーを集めて貰おう。
FFI最高のキック力を見せて貰っても良い。それでも勝つのは私達だ。
相手チームはイギリス本島縛りと言うのも面白いかもしれない。
いや、私としては近代における民族問題に特に思う所は全く無いのだ。あくまで縛りルールというのが面白そうという事だけだ。
私たちは縛りルール愛好家なのだ。民族的な理由で。
それと、イリヤとかいう少女は可愛かったな。
魔法少女の先駆けとして私もいろいろ教えてやらねばならんかもしれん。
姉には年を考えろと、自分の年齢を忘れてブーメランを投げる様な事を言われるが、
誰に何と言われようと魔法少女の先駆けは私だ。
それが私だ。
保護者の様なアサシンとホムンクルスは特に問題は無いが、
姉の様に私のファッションセンスに皮肉るアーチャーは鬱陶しい。
私のファッションセンスを笑う程あの男の衣服は冴えてはいないにも拘らずだ。
姉と違って繊細でか弱い私に対する配慮が足りないのは、姉が私たちの民族の女性のイメージを悪く固定してしまったからに違いない。
そう思うと腹が立ってきたな。よし、面倒だが殺しに行こうか。
姉を殺し損ねた私の戒めの一つとしても必要だからな。
「…ランサー、何とかしてくれない?」
「……勘弁してくれ。他の相手なら仲裁もしないではないんだが…な。」
マスターがヘタレた夫に何やら言っているが、どうせ…何時ものように何もしてこないのだろう。
…全く、腑抜けた姿勢は息子が来るまでには直しておいてほしいものだ。
そうでなければ息子が恥ずかしい思いをするだろう。誇りを持って戦ったうえで息子が敗れた相手が敗者に気まずく思う様ではな。
それに、…まあなんだ、私もそろそろ話すきっかけがあっても良いとは思っているんだ。
そのきっかけを作るのは男の側からであっても良いと思うのは情けない事では無いと思うのだが、な。
妹さんのファッションセンスはお察しください。