なろう小説で英雄譚   作:hotice

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2話

 時臣は力なく椅子に倒れこむ。近くにいた綺礼が何かを言う前に手を挙げて下がらせる。

 今の時臣はある事情で、連日魔力を全て消費しているために極度の疲労状態になっているのだ。もちろん次の日には魔力が最大まで回復するよう無理はしていないが、けれど毎日体力の限界まで走れば体にガタが来るのと同じようなものである。軟な鍛え方はしていないがどうしても気だるさが時臣の体を包み込む。

 

 しかしながら時臣はこれをやめるつもりなどない。必要に駆られてのことではあるが、半ば自ら志願したことであるからだ。

 

 まず事の起こりは一週間前。時臣は無事マサ・ツァグの召喚には成功した。アーチャーのクラスでの召喚になったものの、近接戦闘も十分にこなせるらしく問題はない。

 むしろアーチャーの枠を潰せたと考えれば最適解であるかもしれなかった。

 また召喚したマサ・ツァグともそれなりに友好な関係は築くことも出来た。初めは時臣が下手に出たのだが、マサ・ツァグはそれを気に入らずに対等な立場であることを望んだ。貴族であった時臣にとってそれはある種受け入れがたいことではあった。けれども、時臣は同時にマサ・ツァグの気さくさとそして会話からうかがい知れる戦士としての生き方を受け止めていた。

 

 「これから背中を預けて戦うことになるんだ。そこにどちらが偉いかなんて関係ないさ。

 いいか?危なくなったら助ける。生きるか死ぬかの戦場にはそれだけでいいし、それだけしかない。

 だから仲良くやろうぜ?」

 

 そう言って、マサ・ツァグは時臣の目を見つめた。それは問いかけの視線であり、見極めの視線であった。共に戦うに値するのか、背中を預けられる程信頼できるのかを。

 

 時臣はマサ・ツァグの目の奥にある鈍い鋼のような眩きに息をのんだ。目の前にいるマサ・ツァグは戦士であった。それを時臣は知ってはいたが、しかし魔術師であり貴族であるが故に理解していなかった。そして、これから行われる聖杯戦争についても同様に。

 

 時臣は大きく息を吸う。彼には貴族としての誇りがあった。魔術師は戦場になど出ないだろう。けれど貴族は違う。代々貴族は戦場にて最も勇敢に戦って来たのだ。もし例え戦場にて裸一つで放り出されようとも、決して逃げることなどしない。

 だから時臣はマサ・ツァグの目を見返す。目の奥にある輝きはまるで物理的な重圧を持つかのように感じられるが、時臣は目をそらさずに口を開く。

 

 「分かった。マサ・ツァグよ。此度の聖杯戦争の間、よろしく頼む。」

 

 時臣は右手を差し出す。それを見て、マサ・ツァグはにやりと笑って手を取った。

 

 「おう、外見とは裏腹に案外いい度胸してんじゃねえか。」

 

 こうしてマサ・ツァグは時臣のことをそれなりには認めるようになった。

 

 

 そうして始まったのは、当たり前のことだがこれからの戦略についてだった。

 まず肝心のマサ・ツァグのステータスは圧巻の一言であり、全てのステータスがAランク。アーチャーでありながら白兵戦でもトップクラスの実力を誇っている。

 

 スキルに関しても非常に強いものが揃っていた。

 

 魔術の加護B:ほとんど全ての魔術の行使を可能とするスキル。

 マサ・ツァグが神から受けた加護によるものであり、魔法よりツーランク下がった魔術全ての適性を得ている。キャスター以外で召喚されているために、スキルランクがひとつ下がっている。Aランクならば魔法のワンランク下まで行使可能。

  

 包囲殲滅陣A:不利な状況に陥ったとしても優位な状況に立てるスキル。三百人で五万もの魔物を包囲、殲滅したことによるスキル。

 何らかの不利な条件で補正を受けるスキルの最高位のものであり、不利になるほど優勢をとれる。また軍略スキルとしても機能し、後世のハンニバルも同様のスキルを持つ。

 

 他にも心眼(真)をBランク、対魔力をAランクで保有しており隙が無くどんな相手にでも善戦できるであろうと予想できた。

 

 

 そうして最後に話し始めたのは、英霊の真髄である宝具であった。英霊の逸話から生み出されるこれは、聖杯戦争において最も重要な要素と言っても過言ではないだろう。宝具が強ければジャイアントキリングだって簡単に起こすことができる。

 

 「まず俺の宝具は二つある。」

 

 マサ・ツァグは二本指を立てながら時臣に説明し始める。時臣も真剣な表情でそれに頷く。

 

 「一つ目は≪避雷針≫。簡単に言えば矢避けの加護みたいなもんだ。後こいつは対神性特防宝具でもあるから、神性持ちからの攻撃を全て無効化できる。」

 

 時臣は顎をさすりながら思案する。これは降ってきた雷を避雷針で避けた逸話のものであろう。神話において雷は主神級の神が司ることが多い。それを防いだが故に、対神性宝具となったのだろう。

 ただ、決して使えない宝具ではないのだが、少々使用できる場面が限定的であった。

 それに気づいたのか、マサ・ツァグはニヤリとして続きを話し始める。

 

 「ちょっと使いづらいと思っただろ?実はそっちはおまけみたいなもんだ。

 俺の本命はこっちだ。≪始まりの鋼≫、金属の生成と変形変質が出来る宝具だ。オリハルコンでもアダマンタイトでも何だって操作できるし、変質もある程度なら自由は利くから竜特攻だとか魔術無効だとかだって付けられる。

 

 

 まあ要するに、宝具作成宝具だ。」

 

 こうして時臣の宝具作成マラソンは始まったのだった。

 

 

 




なろう主人公みたいに自重してない性能にしてみたぞ。

後宝具とかスキルの名前、もっとかっこいいの思いついたら教えてください。
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