「いやあああああああ!!!!わ、私の左腕が……サイコガンにいいいいいいいいいいいっ!!!!」
誕生日の朝を心地良い木漏れ日と共に迎えた花陽。だが、違和感のある左腕を凝視した途端、ベッドの上からひっくり返りそうになってしまった。なんせ左腕がサイコガンに改造されていたのだから。
「ふふ……どうやらドッキリ作戦大成功みたいやな」
「前々から準備していた甲斐があったというものね」
「希ちゃん!?それに真姫ちゃん!?」
いつの間にか花陽の部屋に入り込んでご満悦の希と真姫。普通に不法侵入である。
「花陽ちゃん、誕生日おめでとう!」
「それは私達からのささやかな誕生日プレゼントよ」
「はあ〜?」
普段は大人しい花陽も意味不明な事を言われて、一瞬で沸点を越えそうになっている。
「実は西木野総合病院でサイボーグ化の手術が試験的に始まってるのだけど、とりあえず花陽に実験体になってもらうことにしたの。寝てる間にささっと左腕をサイコガンに改造しておいたわ。ちなみに元には戻せないからよろしく」
さらりと外道ぶりを発揮している真姫。あまりにも理不尽すぎるバースデープレゼントに、花陽は泣き崩れてしまった。
「なんで私がとりあえずで改造されなきゃならないの!?そもそも事前に了解くらいとってよ〜!」
抗議を受けた真姫は口をすぼませながら眼をそらす。
「だって……頼んだら100%断られると思ったんだもの」
「当たり前だよ!ていうかようするに真姫ちゃん断られるのわかってたわけだよね!?」
「まあ、ええやん?これで毎日スペースコブラごっこできるんやし」
「全然良くないよー!ていうかそれ全然メリットじゃないよね!?」
「あ、お礼は焼肉でかまへんよ」
「わ、私は別に!感謝してもらいたくてプレゼントしたわけじゃないんだからね!花陽が喜んでる顔を見れれば、それだけで満足なんだから!」
「二人とも、ありがた迷惑って言葉知ってる?今の私、喜んでるように見えるかな?」
花陽はわなわなと拳を震わせながら床に座り込んだ。
「うう……どうしよう……こんなんじゃ外を出歩けないし、凛ちゃんにも顔向けできないよ……」
「大丈夫!花陽を一人ぼっちになんてさせないわ!こっちに来なさい凛!」
「へ?」
花陽は涙を拭いて顔を上げた。扉の前には幼馴染凛がそこにいた。しかも、左腕を花陽と同じくサイコガンにされた状態で。
「かーよちん!見て見てー!真姫ちゃんに凛の左腕をサイコガンに改造してもらったにゃー!」
「り、凛ちゃんも?」
「これでお揃いだね!」
「うん!これから毎日スペースコブラごっこしようね!」
満面の笑みを浮かべながら抱き合う花陽と凛。
「美しい友情やね……」
「ええ……これで私も二人にサイコガン手術を施した甲斐があったというものだわ」
その光景に真姫と希も涙せざるをえなかった。
「さて、それじゃあ次は穂乃果か海未を改造しようかしらね。ライダーマンとポルナレフのどっちにしようかしら?」
「それよりロケットパンチの方が面白そうやない?」
こうして新たなる犠牲者達が誕生していく。もはや誕生日関係なくね?なんてツッコミは無しだ!