①
「そ〜な〜た〜! あ〜そび〜ましょ〜! なのじゃ!」
今日は珍しく休みで、1日のんびり過ごそうかな、なんて思っていたら第六天魔王さんに突然の襲撃を掛けられた。
「そんな夏休みの小学生じゃないんだから……」
「夏イベ中は実質夏休みみたいなものだからセーフ!そんなことより早く部屋に入れてくれんか?わしらの部屋と違ってそなたの部屋はしっかり冷房効いてて涼しいし」
「そういえばボイラー室の隣だったね……」
英霊も暑さは苦手なんだ、と苦笑しつつ部屋に招き入れると、早速彼女は持ち込んだゲーム機をテレビに繋ぎ始めた。
「ゲームの相手なら沖田とかの方が適任じゃない?」
「奴は弱くて相手にならんのじゃ!……これでよし、と。 ほれ、コントローラー」
設定し終わった信長がコントローラーの片方を渡してくる。
「でも俺も沖田と大差ないと思うよ?」
「その時はその時じゃ。わしの類いまれなるゲームセンスを見せつけてやるまでよ」
「お手柔らかにお願いします……」
かくして、信長とのゲーム大会が始まったんだけど。
「…………」
「いやぁ、はは……」
「……おかしくない?!ワシのゲームセンスを見せつけるはずが見せつけられてるんじゃが!ワシぼっこぼこなんじゃが???!!!」
「まぁほら、是非もなし、みたいな?」
「ぐぬぅぅぅ!!!もう一回!もう一回じゃ!」
うっかり信長に圧勝してしまい、信長が勝つまでやることになったとかなんとか。
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②
アイスというのは、暑い日であればあるほど美味しく食べられるものだ。なので、今日みたいな熱帯地方へのレイシフトをした帰りなんかは絶好のアイス日和。アイスを楽しみにしながらマイルームへと急ぐ。
どんな種類のアイスがあったっけ、たしか最後の1個が残ってたな、なんて考えながらマイルームの扉を開くと、
「おぉ、邪魔しとるぞ〜」
まるで自分の部屋のように居座りアイスを食べながらテレビを眺める第六天魔王がそこに居た。
「……当然のように俺の部屋に入ってることについてはもう今更だからいいんだけどさ」
「ならなんじゃ?」
「そのアイス最後の1個だったよね?」
「そうじゃが?」
しれっと言われ、思わずへたり込む。
「なんてことだ……」
「おぉう、すごい落ち込みようじゃの……」
「……だって最後の1個だったんだよ……?これを楽しみにレイシフトから帰ってきたのに……」
「そ、そうじゃったのか……」
「そうだよ……」
すると、申し訳無さそうに信長が食べかけのアイスをこちらに向けた。
「すまんかったの。 じゃからほれ、残りはそなたにくれてやろう」
「あ、ありがとう……って元は俺のだったのになんで俺がお礼言ってるんだろう……」
「なら食べぬかの?」
「食べます!」
信長に向けられたアイスを頬張る。ひと口で食べれるくらいしか残っていなかった。
……そういえばこれって手ずから食べさせてもらった様にも見えるのかな。まぁでも信長に限ってはそんなこと考えないだろう。
「ひと口で食べれちゃったじゃん……。あれ、信長どうかした?棒を見つめたまま固まって……」
「え?!いや、なんでもないのじゃ、ホントに!まさか『あ〜んしたみたい』とか思ってないし!照れるわけないんじゃから!」