キ「アスナ!スイッチいくぞ!」
キリトは《ルインコボルト・トルーパー》の攻撃を弾くと同時に叫んだ。たいしてアスナは返事の代わりとでもいうように鎧に覆われていない喉元に正確に《リニアー》を放った。続くかたちで明久が鎧に覆われていない腕を斬った。そこでHPバーは0になった。
キ「ナイス明久」
明「ありがとうキリト。大分タイミングがわ
たってきたよ」
ア「そうね。私もコツは掴んだわ」
僕達は人数が少ないからか、昨日の会議で取 り巻きの《ルインコボルト・センチネル》の相手と決まった。そこて、基本動作は同じとなるコボルトで練習にきたのだ。
キ「アイテムの補充もあるし次でラストにしよう。きっちり決めよう」
ア明「「りょうかい!!」」
そして三人は再び現れたコボルトへ向かっていった。
キリトが弾きアスナが突き明久が斬る。
明久が弾きアスナが突きキリトが斬る。その繰り返しだ。だが、流れるような動作で次々とHPを削っていきすぐにコボルトは倒れた。
その後僕達は町でアイテムを補充し、集合場所へ向かう途中で雄二たちと合流した。
雄「おう明久、調子はどうだ?」
明「バッチリさ!あっ二人ともこいつが『FA騎士団』団長の雄二て、こっちが秀吉、ムッツリーニ、翔子さん、愛子さん、優子さんだよ」
僕が紹介すると、二人とも何故か驚いていた。
キ「同じ人が…二人?」
優「いいえ、ただの双子よ。私が姉の優子。こっちが愚弟の秀吉よ」
秀「愚弟はひどいのじゃ…。わしは秀吉じゃ。言っておくがわしは男じゃからの」
キ「よろしく」(女だと思った…)
翔「……私が雄二の妻の翔子」
雄「ちょっと待てぇぇええ!嘘を言うな!二人とも、こいつの冗談だからな!?」
ア「そうなの?」
雄「当たり前だ!」
明「まぁ近いうちにそうなるんだから別にいいじゃんか。で、この二人がキリトとアスナさんだよ」
キ「よろしく」
ア「よろしくね。私の他にも女性がいて助かったわ」
雄「おい明久!なんかとんでもないこと言わなかったか!?」
翔「………ポッ」
優(私もいつかは吉井くんと……//ってなに考えてるのよ私はぁぁぁぁ!!!)
そんな感じでお互いの自己紹介が終わった。優子さんが途中で頭を抱えてたけど大丈夫かな?
そして僕達は集合場所へ向かった。
明「それにしても……ボスの名前、どこかで見た気がするんだよな~」
キ「アルゴの本じゃないのか?」(テスターでは無さそうだし)
明「それより前だった気がするんだけど、どこだっけなぁ…」
雄「この紙だろ?《フルヒトベアー》戦のあとにお前が俺に渡したんじゃねぇか。まぁ正直意味のない情報だけどな」
雄二は羊皮紙をオブジェクト化した。
キ「羊皮紙?どうしたんだそれ?」
明「雄二それだよ!これは会議で雄二が名前を出した《フルヒトベアー》ってモンスターを倒した時にドロップしたやつでさ、ボスの名前と同じモンスターの情報が書いてあったんだ」
雄「一つ違うとこがあったがアルゴの本とほぼ一致してたよ」
キ「違うとこ?」
雄「あぁ。ボスの二つ目の武器だが、その紙によると《曲刀》じゃなくて《刀》だそうだ」
キ「刀だと!!??」
キリトは半ば奪い取るような形で雄二の持つ紙を見た。
キ「どうしてこのことを言わなかったんだ?武器が違えば対処も違うだろう?」
キリトが雄二に尋ねた。僕も気になっていた。《フルヒトベアー》のことは話したのに羊皮紙、そしてチャクラムのことはまったく触れなかったのだ。
雄「例えあの場でこの情報を言っても場を悪くするだけだ。もし言えば『実はお前らはテスターで、βテストのときに何かしら本バージョンの情報を得たのではないか?』と疑われる。そうすればあのサボテンがまた怒鳴り始めるだろう。そこを越えても《刀》スキルを知ってるやつはテスター確定だ。一層にはいないからな。そうすれば同じことだ。あの場で名乗り出るテスターはいないはずだ」
雄二の言うことはもっともだ。もし僕がテスターなら絶対に黙っている。テスターを気嫌いする人の前で名乗り出るもんか。
雄「そうなればβテスト経験者のお前も困るだろ?キリト?」
キリトは驚いて雄二を見た。
キ「なんのことだ…?」(何故知っている?)
明「大丈夫だよキリト。僕達はテスターを怒ってないし感謝してるんだよ」
キ(感謝?何を言ってるんだ?)
雄「明久のいう通りだ。俺はお前に感謝してる。ありがとう、クラインに戦いかたを教えてくれて。おかげで今俺はここにいられる。本当にありがとう」
雄二は頭を下げた。
キ「俺のことはクラインから聞いたのか?」
雄「あぁ。クラインはこう言ってたぜ『俺はお前を一人にしない』ってな」
キ「そうか、クラインが…」(よかった。生きていてくれたのか…)
雄「ともかくだ、このバカを頼むぜキリト。クラインにあやかるわけじゃないが俺達もお前を一人にしない。遠慮なく頼ってくれ!」
キ「あぁ………わかった」
そうしているうちに集合場所に着いた。
どうやら僕達がラストだったらしく、僕達を見てディアベルが言った。
ディ「たった今、全パーティー四十四人が全員かけることなく集まった!一人もかけることなく来てくれて、オレすげー嬉しい!みんな、オレが言うことはもうあと一つだ。勝とうぜ!」
ディアベルの言葉で場の士気が上がった。そして少しの間フィールドを歩き、ボスの扉の前についた。
ディ「みんな、準備はいいな!いくぞ!!」
扉を開いて全員が一斉にボス部屋へなだれ込んだ。
僕達は《刀》のことで若干の不安はあったが、こうしてこのデスゲームが始まって最初のボス戦が始まった。
僕達三人は当初の予定通り壁の穴から出てきた《ルインコボルト・センチネル》に向かった。雄二たちも他のコボルトに向かっていった。
練習通りまずはキリトがタゲをとり、攻撃を弾いてアスナさんと明久が連続攻撃を決めた。やはりフィールドのモンスターとボスの取り巻きとでは、能力も変わるようで、一回の連携で削る量は小さかった。それでも、キリトと明久ご順に起点をつくり、アスナさんが攻める。それを繰り返して他の隊より早く削りきった。
キ「グッジョブ!」
明「二人もね!」
ア「えぇ!」
そして他の隊がコボルトを倒すのとほぼ同時にディアベルの声が響いた。
ディ「二本目!」
どうやらバーが二本目に入ったようでまた新たにコボルトが穴から出てきた。
ア「二人ともいくよ!」
この時キリトは普段なら絶対にしないが何故か心のどこかで祈っていた。
キ(このまま何もなくいかせてくれ)と。
そして今度も他の隊より早く削ると、背後から他の隊のリーダーのはずのキバオウが話しかけてきた。
キ「アテが外れたやろ?いい気味や。あんさんが昔ボスのLAを取り巻くっとったのは聞いとんのやで!」
キ「な…………」
確かにキリトはLAラストアタックボーナスを取り巻くっていた、βテストで。だが、その当時の俺のプレイを知っている。いや、この男は『聞いている』といった。
キリトはこのボス戦の前、情報屋《鼠のアルゴ》がキバオウから取引を預かっていた。大金で武器を買うというものだ。どうも不自然だった。だが、『聞いている』。この一言ですべてがわかった。このキバオウも代理人なのだ。誰か裏にいる。
キ「誰にその情報を聞いた?」
キバ「決まっとるやろ、大金出して《鼠》から買ったんや」
アルゴは例え自身のステータスは売っても絶対にテスターの情報は売らない。
キ(なら誰が?この場でβテストの情報を持っていて、かつ、LAを俺にとられたくない人物)
キリトの頭には一人しか思い浮かばなかった。
キ(騎士ディアベル…あんたが仕組んだのか…?)
そんなときボスのバーがラスト一本になり穴からコボルトが出てきた。
キバ「雑魚コボもう一体くれてやるわ。あんじょうLAとりや」
キバオウは自分の隊に戻った。
明「キリト、何を言われてたの?」
キ「いや、今はモンスターを倒そう」
そして僕達はあっという間にコボルトを倒した。すると、ボスは武器を持ち換え、無敵モーションを終えたところだった。
ここで僕達の抱えていた不安は悪い方に当たってしまった。
ボスの手に握られていたのは紛れもなく《刀》だった。
今日ないし明日中に続き上げます。
なのであとがきはそこでまとめて書きます。