明久一行のSAO   作:コクトー

13 / 32
《刀》と決着と

巨大なボス、《ルインコボルト・センチネル》のHPが最後の一本になりそれまでの武器を捨て、新たな武器に持ち変えた。

 

その武器は、アルゴの攻略本に載っていた《曲刀》ではなく、βテストのとき、第十層まで登ってそこで戦ったものだけが知っている武器。僕の持っている羊皮紙に書いてある通り《刀》だった。

 

キ「やっぱり刀か!だ…だめだ、下がれ。全力で後ろへ飛べー!!!」

 

 しかし、キリトの声はコボルトロードが発動した刀専用ソードスキル、360度の重範囲攻撃。《旋車》のサウンドエフェクトによってさえぎられた。

 

 その一撃で前衛を務めていた隊全員のHPゲージが黄色になった。中には危険を示す赤色になっているものまでいた。

 

 《刀》専用ソードスキル、三百六十度に及ぶ重範囲攻撃、《旋車》。

 

 それをくらった前衛メンバー全員がスタンしていた。しかし、くらっていないはずのこの部屋にいた全員が固まっていて動けなかった。

 

 コボルト王は、長めの硬直時間が終わり、獰猛な笑みを浮かべると、すぐさま目の前にいた二人のプレイヤー、ディアベルと隣にいたリュウというシミター使いに向けて次の攻撃を放とうとした。エギルなど、スイッチで一度下がっていて攻撃を喰らわずに済んだ前衛メンバーの一部がその二人のプレイヤーを援護しようと動いたが、彼らは間に合わなかった。

 

 《刀》専用ソードスキル《浮舟》。地面すれすれから切り上げることで相手を浮かせる技だ。だが、この技の恐ろしいところはそこではない。このスキルの硬直時間の短さである。そのため、スキルコンボの起点となる。上下の連撃のあと、ためを置いてからの突きの三連撃技、《緋扇》。

 

 その上下の連撃を受けたリュウは、耐えきれずHPバーがなくなった。この戦いで初めての死者が出た。が、まだ攻撃は続いていた。この技は三連撃技なのだ。まだための後の突きが残っている。なんとか二連撃を耐えたディアベルも、すでにバーは赤色で次は耐えられそうになかった。しかし、コボルト王はディアベルにターゲットを絞り、とどめの突きを放った。

 

 

 

 

ガキィィィィイイイイイン!!

 

コボルト王の一撃はディアベルには届かなかった。見るとそこには空中でその突きを片手剣で必死に受け止めている明久がいた。

 

キ雄「「明久!?」」

 

明「くっ!!!!」

 

僕は、攻撃を弾くことには成功したが、ディアベルを巻き込みながらキリトたちの近くまで飛ばされた。

 

キ「明久!大丈夫か?」

 

明「痛たたた。なんとか防げたかな?」

 

雄「明久!お前無茶しやがって!」

 

キ「まったくだ。少しでもずれてたらお前がやられてたんだぞ!」

 

明「ごめんね。でも、リュウって人を守れなかった…」

 

キ「明久……」

 

ディ「明久…くん…と、言ったかな?」

 

明「!!ディアベルさん!よかった、まだHPは残ってる。ほら、すぐに回復して!」

 

 そう言うと僕はディアベルにポーションを飲ませた。すると、ゆっくりだがバーが戻り始めた。

 

ディ「なぜ…オレを助けたんだ?オレはリュウを死なせてしまった責任をとって、あそこで死ぬべきだったのに」

 

 その一言に明久は怒りの表情を浮かべて言った。

 

明「死ぬべきだった?何を言ってるんだ!死ぬべき人なんていないんだ!責任をとる?ふざけるなよ!あなたが死んだら残った四十二人はどうなる!あなたがみんなを引っ張らなきゃダメだよ!あなたが今しないといけないことは生きてこの先も生きつづけて、みんなを引っ張ってくことだよ!」

 

ディ「すまない……キリトさん、君ならボスの動きがわかるか?」

 

キ「《刀》のスキルはある程度わかる」

 

ディ「なら…………ボスを………倒してくれ」

 

ディアベルは言いきると気絶しまった。

 

キ「……」

 

キバ「ディアベルはん!」

 

遅れてキバオウがやって来た。

 

キバ「なんであんたが…すぐに…」

 

キ「へたってる場合か!隊のリーダーごそれだと仲間が死ぬぞ!取り巻きのコボルトはまだわく可能性がある、いや、絶妙にわく。その対処はあんたがするんだ」

 

キバ「あんさんはどうするんや!」

 

キ「俺か?決まってるだろ?………LAを取りに行くんだよ」

 

そう言うとキリトは一人《イルファング・ザ・コボルトロード》に向かって歩き始めた。

 

ア「私も行く。仲間だもの」

 

明「僕もね」

 

キ「わかった、頼む。俺が防ぐから二人は後ろにまわらないように攻撃してくれ」

 

ア明「「りょうかい!!」」

 

キ「全員、出口方向に十歩下がれ!ボスを囲まなければ範囲攻撃はない!」

 

 キリトの声と同時にコボルト王を囲んでいた人たちが一斉に下がった。

 

コボルト王が先頭のキリトに狙いをつけ、《刀》専用ソードスキル、直線遠距離技、《辻風》。それをキリトは《レイジスパイク》で迎え撃った。そのすきに明久とアスナは《リーパー》と《スラント》で攻撃した。これまで、取り巻きのコボルトをものの数撃で葬ってきた二人の攻撃も、ボスのコボルト王には大きなダメージとはならなかった。

 

明(やっぱり固いなぁ。今ので数ドットしか削れてないや。でも…これで《自動幻影》の条件はそろった)

 

 《自動幻影》それは、明久の持つスキル《ダブル》の中のスキルで、明久がソードスキルを放つのと同時に幻影が現れ、同じスキルを明久が攻撃を当てたものにあてる。ただし、それまでに一度でも攻撃を当てる必要がある。というものだ。

 

明(これで少しは早く倒せるかな?)

 

 その後、一回一回に削る量は少しは増えたものの、やはり大きなダメージはなかった。キリトもコボルト王の動作から技を先読みしてなんとか防いでいた。《曲刀》よりも比較的軽い《刀》を使っているためスピードは早かったがその分威力は下がっていた。といっても、スキル発動時に意図的に体を動かして威力をブーストしなければ受けられるものではなかった。キリトは、最大限の集中力をもってあたっていた。

 

が、それも十六回目に崩れ去った。

 

キリトが上段と読んで迎撃しようとしたとたん、コボルト王の刀がくるりと反転した。同じモーションから上下にランダムに発動する技、《幻月》。キリトは、その一撃を受けて三割ほどバーが削られた。この技も硬直時間が短く、すぐさまコボルト王はリュウを仕留めた技、《緋扇》のモーションに入った。

 

キ(まずい!)

 

「「うおりゃぁぁああああ!!!!」」

 

キリトを刀が襲う寸前、雄二とエギルのスキルがコボルト王をの攻撃を止めた。二人がかりの攻撃でコボルト王はノックバックした。

 

エ「あんたが回復するまでの時間は俺達が稼ぐ」

 

雄「だからお前は早く回復に回れ。回復し次第一緒に倒すぞ!」

 

翔「…《刀》スキルはもう見切った。指示は任せて」

 

キ「頼んだ。すぐ戻る!」

 

キリトは少し下がって回復に専念した。ふと横を見ると、キバオウの隊ともうひとつの隊が新たにわいたコボルトと戦っていた。だがいずれ二つの隊では限界来るだろう。

 

キ(くそ、早く回復してくれ!)

 

この世界では、ポーションによる回復は1ドットずつじわじわと回復するものしかない。上の方の階では別だが、今は無理である。

 

キリトがいない間の戦いでは、翔子さんが完璧にコボルト王の動きを読み指示をだして、雄二とエギルの隊による防御でダメージを最小限に抑えていた。

 

なかでも明久は、スキルの間をぬって次々と攻撃を繰り出し、《自動幻影》によるダメージもあるためか、周りとは桁違いのダメージを与えていた。無駄なく、最小限の動きで流れを絶やさず動き続ける。バカの明久ならではの集中力である。何度かの攻防があったあと、キリトが戦いに復帰した。

 

明「あと少しだよ!皆頑張って!」

 

明久の激励に答えるように皆は攻め続けた。そのとき、優子さんの突きが見事に決まり、コボルト王は倒れた。そして、人型モンスター特有のバッドステータス、《転倒》状態となった。

 

キ「今だ!囲んでもいい!一斉に仕掛けろ!」(コボルト王が倒れている間に削りきってやる!)

 

防御に回っていた隊も全員が参加した一斉攻撃でバーはどんどん減っていった。が、あと少しで削りきれなかった。

 

コボルト王は立ち上がると、重範囲技《旋車》を放とうとした。

 

キ明「「させるかぁぁぁああああ!!」」

 

放つ前に、明久とキリトが同時に《レイジスパイク》を叩き込んだ。すると、コボルト王は動きを止め、まばゆい光を放ちながらポリゴンとなって消えた。

 

「やった…のか?」

「やった、倒したんだ!」

「やったぞー!!」

 

あちこちで勝利に対しての喜びの声があがった。 僕達も例外なく皆喜んでいた。ディアベルも意識が戻ったらしく、キリトにお礼を言っていた。

 

 こうして第一層ボス《イルファング・ザ・コボルトロード》との戦いは、戦死者が一名出てしまったが僕たちプレイヤーの勝利となった。

 

 

 

 

 

 

 

 が、このまま素直には終わらなかった。




どうも、コクトーです。
まずすいませんでした。前回の話のときに、その日か次の日にはあげるとか言いつつ一週間後になってしまいました。
見苦しいですが言い訳をすると、実はその日のうちに本文を書きあげたのですが、次の日見ると、初めの20文字だけしか保存されておらず、データが消えてました。
そして親に平日に書くのを禁止され、こっそりとちょこちょこ書いていたらこんなに遅くなってしまいました。
本当にすいませんでした。今後は保存をもっとこまめにやるようにして気を付けます。


自分の言い訳はともかく本文に
まずは第11話
これはキリトとFA騎士団の自己紹介です。あまり書いていませんが、アスナと女性陣はかなりなかよくなりました。原作よりキリトもアスナもフレンドリーです。
雄二の羊皮紙に関する発言ですが、簡単に言うとキバオウさんがしゃしゃり出ないようにするということです。チャクラムに関しては次回以降に触れるかもです。(未定)
ボス戦の前半はなにもなくスムーズに進んでます。キバオウさんとキリトの会話があれでいいのか不安です。



では続いて今回の話
まず呼び方ですが、ボスは基本コボルト王。取り巻きはコボルトとしています。
やたらスキルの説明がありますが、あれは《刀》を強調したいだけです。
そして原作との一番の違い。それは原作を知ってる方ならわかると思いますが、
ディアベルさん生存しました!そのかわりにオリキャラのシミター使いのリュウさんがなくなりました。
悩みましたが、いい人なので生かしたいなと思いました。今後どうするか考えないと…。


総称して、なんかキリトが主人公みたいなバトル展開になってしまいましたが、主人公は明久です。作者が未熟ですいません。


二話分ということで長くなりましたが
この作品を読んでくれたすべての皆様ありがとうございます。
そして感想をくださった方、本当にありがたいです。励みになります。感想を返すのも楽しみの一つです。

そして遅くなり本当にすいませんでした。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。