ディ「じゃあ時間になったし会議を始めようか!」
ディアベルさんの一言で会議が始まった。どうやら皆にテスターだと打ち明けてもディアベルさんがリーダーというのは変わらないらしい。
ディ「まず、今回から参加してくれる人はいるかな?」
すると、全身鎧に身を包んだ集団が手を上げた。『レジェンドブレイブス』というチームらしい。鎧は皆そうとう強化されているようで見事に輝いていた。
キ「あいつらは気を付けとけよ、雄二、明久」
いつのまにか近くに来ていたキリトが言った。
明「どうして?強そうな人たちじゃん」
雄「…数日前まで『マロメ』にいた鍛冶屋に関係あるか?」
雄二が言ったのは僕も見たことがある鍛冶屋プレイヤーだった。
キ「…なんでわかるんだよ…」
雄「急に消えたからな。何かあると思うのは当たり前だ」
明「いやそれはないよ」
キ「だな。で、あのネズハって鍛冶屋だが、強化詐欺ってのをしてた。もうやめさせたけどな」
明「今はどこに?フィールドで狩り?」
キ「今はまだ岩を殴ってんじゃないかな?」
雄「結局どれくらいかかっんだ?十時間くらいか?」
キ「三日間山に籠り続けたよ…アハハ」
キリトは遠い目おして言った。
雄「そりゃ災難だな(笑)」
明「ところで彼らとなんの関係があるのさ?」
キ「ネズハは『レジェンドブレイブス』のメンバーだ。大方詐欺で稼げなくなったからボス戦に出てきたってところだな」
話していると、ディアベルさんが彼らに自分のことを話終えていた。
ディ「じゃあ会議を始めよう。とりあえず今わかってる情報からだ。『アルゴの攻略本』に書いてある通りだ。βテストの時の情報はこれで間違いないよ」
キバ「あんたはβテストの時に戦ったわけやないんやろ?なら実際に戦ってきたやつにも話してもらおうや。なぁ!黒ビーターはん!」
キバオウの言葉で皆が一斉にキリトを見た。キリトはというと、余計な真似をといった感じで若干嫌そうにしていた。
キ「…俺が知ってるのはあくまでもβテストの時のだぞ。攻略本で書いてある通り基本はモーションを見たら回避だけど、大事なのは一発目をくらったときの対処だ。デバフの二重かけには注意してくれ。落ち着いて見れば回避できる」
ディ「二発目は絶対回避!それを徹底しよう!」
雄「ディアベル、いいか?ボスのことで言いたいことが色々ある」
キバ「なんや?あんさんはビギナーやろ?ボスを見たことはないはずや」
雄「あぁ、確かに俺達はビギナーだが情報は得た。とあるクエストの報酬で二層のボス情報が得られた。前回は確証がなくて言わなかったが今回は言わせてほしい」
キバ「ボスの情報が報酬ででるクエてなんやねん。それにそんなえらい情報なんか?」
雄「今回の情報はかなり大事だと思う。もし知らずに行けば何人かは死ぬだろう」
ディ「そこまで言いきる情報とはなんなんだい?前回みたいにボスの武器が違うのかい?」
雄「いや、もっと根本的なことだ。ボスが違う」
キ「なっ!!!??」
キバ「なんやて!!!??」
ディ「どういうことだい!?」
雄「まずこの情報を得たクエストだが明久」
明「『ラクの薬』っていう連続お使いクエストだよ。一つ前の村にいるラクって人から受けれた」
雄「だそうだ。で情報だが、この紙にかいてあるのは《バラン・ザ・ジェネラルトーラス》というモンスターがはじめ、《ナト・ザ・カーネルトーラス》というモンスターと一緒に現れるがそいつはボスではあるが二層のボスではない。残り一本になるとボスの《アステリオス・ザ・トーラスキング》が現れるらしい。三体とも武器は本の通りハンマーで、《麻痺》を伴う広範囲攻撃《ナミング・デトネーション》と、同じく《麻痺》を伴う《ナミング・インパクト》を使う。ここも本と同じだ。《アステリオス・ザ・トーラスキング》はハンマーだけでなくブレス攻撃をするが、ブレスの直前に目が光り、その前に額の王冠を攻撃するとディレイさせることができるらしい。」
ディ「ずいぶん細かく書かれてるんだな。見してもらっていいかな?」
雄「あぁ。で、最後のブレスだがハンマーでの《ナミング》とは範囲が桁違いらしい。この中で投擲スキルを上げてるやつはいるか?」
雄二の問いかけに手を挙げる者はいなかった。そもそも投擲スキルはサポートとして使うのが専らであり、主として使ってる人はほとんどいない。それは最前線で戦う人にも変わりなかった。
雄「…いないみたいだな。ならうちのギルドと数人にまかせてくれないか?。まずはまわりのナトとバランを倒してその後で合流という形にしてほしい」
キバ「なんでボスをわざわざあんさんらだけに独占させなあかんねん。あんさんらならブレスを防げるとでも言うきかいな!」
雄「初めの一回はタイミングが合わない可能性も否定はしないが一度見ればブレスだけじゃなくてハンマーでの《ナミング》も防げる」
ディ「どうしてそこまで言い切れるのかな?」
雄「俺らのギルドにはそれをなせるだけのメンツがほぼそろってるってことだ。ブレスに関して言えば康太の使う投擲武器《チャクラム》なら攻撃した後手元に戻ってくるから何度でも対応できる。いけるな?」
康「…まかせろ」
雄「ハンマーに関して言えば俺がほぼ無効化できる。以前アルゴの本に書いてもらったから知ってるやつもいると思うが俺の持つユニークスキル《爆裂拳》なら相手の攻撃を防ぐスキルがある。俺のリスクは高いが問題ない。あいにく硬直時間がないから連発もできる。それに明久もいる」
明「あれ雄二?なんでここで僕の名前を挙げたの?」
雄「こいつもユニークスキル《ダブル》を持っている」
雄二は僕の発言を無視してつづけた。
明「無視はひどくない?」
雄「少し待ってろバカ、で、こいつのスキルは一度攻撃を当てさえすれば離れてても問題なくなる。だから出てすぐにハンマーに攻撃を当てれば離れててもパリィできる」
ディ「だが三人が防御に専念するとなるとアタッカーが不足してしまうだろう?君たちのギルドの主要アタッカーは君と明久だろう?」
雄「だからキリトにアスナとエギルの隊に参加してもらいたい」
キバ「その面子はなんや?」
雄「キリトはスキルの扱いがこの中でおそらく一番うまい。そしてアスナは敏捷性も高く正確さも高い。クリティカルヒットやボスの弱点をつくなど高ダメージが期待できる。エギル達は武器を見るにSTRに振ってるやつが多いだろう、違うか?エギル」
エギ「たしかに俺たちはSTRに多く振ってるやつばっかだ。だからその分機動力には自信がないぞ?」
雄「大丈夫だ。今ほしいのはダメージ量だからな。もちろんアステリオスが出るまでは残る二体の相手にまわる」
ディ「…今のところオレには君たちが言った作戦以上の良案は浮かばない。俺はその作戦でいいと思う。みんなはどうだ!?」
広場の所々でいいんじゃないかといったような声も上がり始めた。前回攻略に参加した人たちがほとんどだ。自分たちもボスの貴重な経験値などはほしいだろうが命には代えられない。雄二が自らもっとも危険な役を買って出ていることもあってか積極的に反論はしなさそうだ。だが、ここで反論が上がった。
?「ちょっと待ってくれないか?」
異議を唱えたのは『レジェンドブレイブス』のリーダー、オルランドだった。
オル「我々はボスと戦うためにここにいるんだ。ローテならともかく最後まで取り巻きの相手だけしていろというのは納得できない」
今回から参加している『レジェンドブレイブス』は平均レベルを見ればほかより劣るだろう。大方このボス戦でボスの経験値をたくさん得てトップクラスに躍り出ようという魂胆なのだろう。
当然のように、周りからは「何様のつもりだ」とか「新参者のくせに」といった声がちらほらかすかにだがあがっている。そんな彼らに対して雄二は問いかけた。
雄「じゃああんたらはSTR振りのエギル達より多いダメージ量があるのか?キリトよりも武器の熟練度や戦闘スキルが上なのか?アスナより機敏に、正確にボスを攻撃できるのか?」
オル「たしかに我々は技量で劣るかもしれない。だが我々はこのように強化を重ねた装備がある。多少のレベルの差なら装備の差が埋めているだろう」
キリトの話を聞いた後だからかもしれないが、彼らのその装備というのが仲間であるはずのネズハにやらせていた強化詐欺でプレイヤーから巻き上げた金で強化されているというのが浮かんでしまい嫌な気分になった。キリトも同じようで、若干表情に出ていた。
ディ「まぁ落ち着いてくれ。じゃあこうしよう。まずはじめに、オレのA隊とキバオウ率いるB隊とC隊そしてあなたたちH隊がバランを担当する。残るD隊とE隊とキリトたちG隊と雄二たちF隊がナトだ。状況を見てアステリオスのほうにまわってくれ」
オル「了解した」
ディ「普通のモンスターとはかなり違う。あくまで状況をみながら判断してくれ。ほかの隊も担当する相手を倒せ次第アステリオスのほうにむかってくれ。二体とも倒せ次第オレが指示を出す。それからはローテでボスを倒すぞ!じゃあ少し長引いたけど、いこう!」
こうして僕達は二層のボス部屋に向かった。
じきくらいにつぎの話をあげます。
そこでまとめて書きます。
ちなみに次のあとがきはおそらくやたらながくなりますがご了承ください。