リズ「うーん…仕事来ないなー…」
私の名前はリズベット。このアインクラッドに閉じ込められたプレイヤーの一人。そんな中でも数の多くない職人スキルを上げ、戦闘職ではなくて後援職を選んで日々を過ごしているプレイヤーの一人よ。
今いる場所は私の鍛冶場兼店の『リズベット武具店』。現在の最前線からそんなに遠くない48層の『リンダース』にある。多くの職人プレイヤーは大手のギルドに入っていて、その専属鍛冶屋としてやっているが、私はほぼ(・・)フリー。なんでほぼかっていうとけっこう常連さんとしてくる私の親友たちはみんな同じギルドのメンバーなので一部からはそのギルドの専属みたいに捉えられている。そうでもないんだけどね。
それにしても…
リズ「仕事来ないなー。ここ最近仕事が続いてて休憩できるーとか思ってたけど…いざ仕事がないと暇なのよねー」
そう。仕事がない。ついきのうまで10人ほど武器のメンテと武器制作の依頼が立て続けに来て、その対応にてんてこまいになっていたのが嘘であるかのように今日は仕事がない。外でクルクルと回る水車が水をかき上げる音だけが響く。実際その水車に一目ぼれしてここを購入することを決めたといっても過言ではなかった。その場で仕事仲間にお金を借りて回り、親友のいるギルドのメンバーにも大分世話になった。あっ借金はもう返してあるよ?
リズ「こうなったら素材集めでもしてこようかな…。仕事無いならそれでもいいだろうし」
私はただ鍛冶屋をやっているだけではない。そりゃ始めから鍛冶屋をやろうと思った訳じゃないし、鉱石を集めるためにフィールドに出ることもある。事実あいつらに比べたらお粗末かもしれないけど私もそこそこのプレイヤーだ。攻略組には入れないけど、上層でも戦える。
そんなことを考えていると、店の扉が開く。やったお客さんだ!
リズ「いらっしゃいませ!リズベット武具店にようこそー…ってアスナとユーコじゃない。珍しいわね今日はアキは連れてないの?」
ユーコ「連れてるって…別にいつも一緒な訳じゃないわよ」
アス「そうだっけ?いつも一緒の感じがするけど…」
リズ「おやおや~ユーコは熱いわね~。で、付き合ってんの?」
リズのその言葉で顔が赤くなるユーコ。きりっとした感じがあるユーコだが、私からしたらからかいがいがあり面白いのだ。
ユーコ「べ、別に私と明久はそんなんじゃ…」
リズ「そうなの?」
ユーコ「そうなの!」
リズ「なら私が狙っちゃおうかな~」
ユーコ「絶対だめ!明久は私の…ハッ」
リズ「おやおや~」
アス「ユーコかわいい♪」
ユーコ「~~~~///」
真っ赤になってリズの肩をバシバシと叩くユーコ。それを見て笑っているアスナをきっとにらむと、といってもそれでもかわいいけど。反撃とばかりにアスナに言う。
ユーコ「それより私はアスナとキリトのことが気になるわ。アスナったら毎日のようにキリトのとこにいってんのよ。それで一緒に迷宮区にはいって二人で一夜を過ごすこともしばしば…」
リズ「ほーう。それは詳しく聞かなきゃねえ。それからそれから?」
ユーコ「こないだなんか一緒に迷宮入っていって次の日の朝に真っ赤な顔して帰ってきたのよ!」
アス「ユーコ!それは内緒だって」
リズ「アスナも春がきてんのかー。でどこまでいったわけ?キスくらい?」
アス「リズー!!」
リズ「ははは、ごめんごめん。で、今日はメンテナンス?仕事もないしすぐにでもできるわよ」
アス「ううん。今日は」
ユーコ「私の槍をつくってほしいのよ。5本くらい」
ユーコからのメンテナンス以外での珍しい依頼の内容は槍の作成。それも5本。
リズ「ユーコ、そんなに何に使うのよ?もしかしてアキと夜な夜なそうゆうことを…」
ユーコ「そんなことしないわよ!武器として使うのよ武器として!」
アス「ユーコはあんまりNPCの店にある武器は使わないもんね。ドロップ品使ってる私のセリフでもないけど」
リズ「それでも5本って…そんなに予備がいるの?耐久力は結構なもんだと思うけど…」
リズの疑問はもっともである。実際プレイヤーによるとはいえ、槍系統の武器は武器の耐久力が剣に比べてみると減りにくい。理由としては槍自体で敵の武器と打ち合う機会が少ないことがあげられる。そもそも明久に前衛を任せて一緒に戦ってるユーコはメンテナンスは十二分にするし、武器の扱いもうまいから滅多に壊すことはない。
ユーコ「あいにく全部
リズ「あーそういやユーコだっけそのスキル。でも悪いわねー今鉱石が足りないのよ。作れても二本が限界」
ユーコ「そうなの?」
リズ「昨日まで仕事がつまっててね。それで今日鉱石を取りに行こっかなって思ってたとこ」
アス「なら手伝うよ!あそこ、あの52層にあるっている珍しい鉱石取りに行こうよ!」
ユーコ「それいいわね。たしかこのフィールド、中ボスみたいなのが槍をドロップするのよ。ついでに取りに行こ」
リズ「たしか『リトネリウム』だったっけ。あれほしかったのよねー。エギルに聞いてもなかなか在庫なくて」
ユーコ「なら決まりね。槍ドロップするまでボス狩りして、それから槍4本分の鉱石集め。さっさといくわよ!」
リズ「えっ?今から行くの?」
アス「当然!アイテムはあるから大丈夫だよ」
私の手を取って外に向かう二人。まさか始めから狙ってた!?
リズ「少しは準備させなさいよーー!!」
私の叫びもむなしく私たちは52層の鉱石がとれる洞窟へ向かった。
フィールドに出て少しいったところにお目当ての洞窟はあった。この奥に進むと広場があり、そこのボスはボスのくせに時間でわくというふざけたボスなのだ。そいつがいる間は奥に進めない。鉱石はそのさらに奥にあると言われている。なんで言われているかというと、ゲットしたプレイヤーが少ないからだ。なんでも本当に偶々手にいれただけらしく、エギルの店に持ってきたプレイヤーは10人くらいだった。
私たちはそれぞれ武器を構え、途中に出てくる蟻型のモンスター『キラー・アント』や『スナイプ・アント』をアスナが速攻で倒し、漏らしたのもユーコが名ばかりの『無限槍』で7本の槍を自在に操り穴だらけにする。私要らないんじゃないの?
アス「この奥だね。HPは大丈夫…だよね」
リズ「そりゃ二人ですんでるんだから減らないって。おかげで楽できるんだけどね」
ユーコ「まだ慣れてないのよ。さらに増えるっていうんだからたまらないわ…」
リズ「なら減らせばいいじゃない。2本か3本にすれば扱えると思うけど…」
ユーコ「それだとスキルが使えないのよ」
リズ「へ?」
ユーコ「私のスキル『無限槍』は10本の槍が揃った時点でソードスキルが出る仕様みたいなの。だから通常攻撃しかできないわ」
ユーコは悩ましげに言う。『無限槍』というユニークスキルはかなり条件が限られるスキルなのだ。普段は宙に浮かぶ9本の槍が中心となる槍の動きにあわせて自動で攻撃する。それだけでも、相手のタイミングをずらしたり、同時に数ヵ所への攻撃が可能なのでそこだけ聞くと優秀なスキルである。
しかし、それにも欠点がある。一つは10本そろわないと通常攻撃しかできないということだ。
たしかに、武器や防具を弾いた上でのコンボをできるという点を考えればそれだけで大丈夫ではないかと言われれば間違いではない。事実アスナが取りこぼしたモンスターだけだが、先程から確実にモンスターを倒している。
しかし、そのモンスターだからという点を忘れてはならない。今来ている52層の中でも最弱に部類する、下手すれば3層下のモンスターよりも弱いとされるこの蟻型モンスターたち相手だから今でも大丈夫なのだ。これがボスだったら?上層のモブだったら?
考えるだけで最悪な場面が浮かんでしまう。しかし、ユーコの考えは、『NPCの防具、武器は最低限しか使わない』なのだ。プレイヤーメイドに比べて能力は落ち、ドロップと比べても劣るような武器をわざわざ使いたくないと思っているのだ。
さらにもう一つ大きな欠点がある。それはプレイヤーメイドあるいはドロップの槍しか装備できないということ。普段NPCのものは使わないため気づいていないが、もともと自身の手に持って操る1本を除いた9本はNPCのものでは反応しないのだ。そういうシステムなのだからしょうがないと言ってしまえばそこまでだが、NPCを頼らずに9本の槍を集めるのはかなり苦労する。
このゲームの中で一部ではあるが、鍛冶屋を営むプレイヤーの中にはNPCの店売りをプレイヤーメイドとして売りに出すような輩もいる。その点、リズという信用できる鍛冶屋がいるユーコはリズに頼むという手段をとれるので安心である。
リズ「なんか不憫ね」
ユーコ「そう言わないでよ。だから早くそろえたくてリズのとこに来たんだから」
アス「そうだよー。その分私は武器とかかわらないし楽だね」
リズ「そうなのね。まあユーコはアキに守ってもらえばいいじゃないの」
ユーコ「すぐにそんなこと言うんだから!私はアスナとキリトじゃないんだから!」
アス「ちょっとユーコ!?私そんなこと」
リズ「ほうほう。アスナにも春かー」
アス「もう!そんなじゃないってばー!」
アスナの照れた叫びが響いた。それから少しの間二人でアスナをいじっていた。楽しかったなぁ。アスナの反応がかわいくて♪
どうもコクトーです
4月は一度もあげれずすいませんでした
ハイスクールDQMやイチカと一夏の物語を読んでくれてる方はそこそこな頻度で出せてると思います
すくなくとも完全に放置して終わらせないなんてことはかんがえてません!
ゆっくりですが書きます…
ただ新しく書いてるやつ含めて4つはきつい…
人によっては10ことかやってる人いそうですけどどうやってるんだろ…
えーリズの話がスタートしました
リズとだれかが原作みたいに行くと思いましたか?
残念ながらすでに顔合わせはすんでるんですよ…
その話は要望があってもしかけたら後々で
実はまだ最後がかけてないので続きはまた後日となります
書け次第タイミングはかってあげていきます
ではまた次回