俺はここ最近殺しの依頼をうけなくなっていた。その分狩りの時間が増え、攻略組と大差ないレベルにまで上がっていた。
さらに、今日たまたま訪れたフィールドで戦っていたモンスターが、きれいな髪飾りのアイテムを落としたのだ。たまにはオーラルに土産でも持って行ってやろうと思いそれだけは売らずに持っておいた。
そしてその日もギルドに戻って行った。
?「POHの旦那、久しぶり」
POH「ザザか。1か月半ぶりだな。依頼はどうだった?」
ザザ「なんとか3日前終わらせたよ。ただつれてった
POH「なにがあった?」
ザザ「罠も仕掛けきって人間関係も無事ぶち壊したんだがな、下っ端の1人が『軍』のやつらにみつかりやがった。そいつら殺してたら時間かかっちまった」
POH「そうか。ご苦労だったな」
ザザ「……POHの旦那、なんか変わったか?」
POH「別に変わってなんかいない。俺は俺だ」
ザザ「………まあいいか」
そしてザザカウンターの近くの椅子でくつろぎ始めた。
このギルドには部屋を持っている奴が3人いる。俺と、ザザとジョニー・ブラックの3人だ。あとのやつは大部屋で寝泊まりだ。幹部クラスの奴にのみ部屋を与えることにしている。幹部クラスと認める方法はいくつかあるがその1番の要因はレベルだ。ザザとジョニー・ブラックは同じくらいのレベルで、ほかの連中は2人より10は下。俺は二人より10以上上だ。レベルが低くてもうまく戦えるやつはいる。オーラルが料理を習っているガイルもその1人だ。レベルは幹部3人と比べて大きく劣るものの、罠にかける手際や使い方がうまい。負けることはないが苦戦することは確実だと思わせる幹部候補の一人だ。だが最近は依頼より料理に力を入れ始めた残念なやつでもある。
俺は部屋に戻った。だが、そこにオーラルの姿はなかった。普段なら部屋に帰ってきて俺の部屋で遊んでいる時間帯だ。疑問に思った俺は部屋を出てギルドの中を探して回った。
ガイル「POHの旦那?いったいどうしましたか?今日はもう狩りに行くような時間ではありませんが」
POH「オーラルのやつを見なかったか?」
ガイル「オーラルですか?今日は私のところに料理を習いに来て、そのあとで部屋に戻ったはずですが…」
POH「そうか。いつもすまんな。となるとどこかに隠れてんのか…」
ザザ「POHの旦那、なにか探してんのか?」
そこにザザがやってきた。そういえばこいつはオーラルのことを見たことがなかったな。
POH「ザザ、これくらいの女の子を見なかったか?探してるんだが」
ザザ「あのガキですか?あんまりにもしつこく付きまとってくるんで回廊結晶で捨てたぜ。それがなn」
俺はとっさにザザの首をつかんでいた。STR値にかなりの差があるためザザは抵抗しようにも抵抗駅逓なかった。
ザザをつかんだまま俺はギルドホームから飛び出す。そしてあっさりと安全地帯からでた。
俺はそこでザザを放り投げる。
ザザ「ゲホッ、ゲホ、ゲフ。旦那、何をするんだよ」
ザザはすっと自身の赤色の
POH「……………た」
ザザ「?」
POH「オーラルを、どこにやった!!」
ザザ「オーラル…?あのガキか?あんなガキのことでそんな風になるなんて…あんた一体どうしちまったんd」
POH「あんなガキだと?」
俺はそこで怒りが溢れてかえって冷静になれた。
なぜ俺はオーラルのことでこんなにも怒ってんだ?
POH「お前がオーラルのなにを知っている」やめろ、そうじゃないだろ
POH「オーラルは俺たちとは違う」別にあいつを見捨ててもなにも変わらないだろ
POH「俺は」やめろ、俺らしくもない
POH「俺は!」やめろ、いつもの俺はどうした
POH「あいつが」やめろ、その先をいったらもう戻れないだろうが
POH「大切に思えちまってんだよ!」
ザザ「……………」
POH「いつもいつも笑って俺のことを迎えてくれて
何気ないことを大袈裟に語ってくれて
俺たちみたいなやつらと対等に過ごしてくれて
本当の『笑顔』を見せてくれるあいつのことが!」
一度開いた口はなかなかとまらない。
POH「俺たちの嘘臭い、くそみたいな笑顔じゃなくて、心から純粋に笑うその『笑顔』がなによりきれいなんだ!」
ザザ「旦那…いや、POH、あんた…もう前のあんたじゃねえよ。そんなあんたは要らない」
ザザはエストックを構える。
ザザ「俺が殺してやる」
POH「俺は、もう一度オーラルと暮らすんだ。それは邪魔させねぇ。イッツ・ショウ・タイム」
俺は
勝負はあっという間についた。
レベルも、戦い方も、罠の使い方も圧倒的に俺が勝っていた。やつのHPはすでにレッドゾ-ン。対する俺はいまだにイエローにすらならずグリーンのままだ。そして切り倒し、しりもちをつくザザに友切包丁を突きつけた。
POH「どこのフィールドに飛ばした」
ザザ「くっ、誰がそんなこと言うかよ」
俺は即座に右腕を落とした。
ザザ「ぐぁあああああああ!!」
POH「どこのフィールドに飛ばした」
ザザ「いてぇ…いてぇよぉ…」
左腕
POH「ダルマになりたいのか?どこのフィールドに飛ばした」
ザザ「……38層の迷宮区近くのダンジョンの中だ。あそこはエリアを徘徊するモンスターが多い。たとえ隠れていたとしても助かりはしねえよ」
POH「そうか」
俺は友切包丁を振り上げた。今度こそ殺す。そう思いながら振り下ろしたが、それは何者かに止められた。
POH「なにをする」
ガイル「POHの旦那、いやPOH。あんたはもうこんなことしちゃいけない人だ」
POH「邪魔をするのか?」
ガイル「あんたはこれからオーラルと暮らすんでしょう?オーラルにもあんたと同じことをさせる気ですか?あんたはカルマクエストを受けて、オーラルと街で暮らしてください」
POH「俺にそれを受ける資格は」
ガイル「いや、今のあんたなら受ける資格はある。1か月以上人を殺していない、『人の命』を知っているあんたなら」
POH「…………」
俺は何も言わずにその場を離れた。あのあとどうなったかはわからない。少なくとも俺はもう関わらないほうがいい話だ。
オー「……POH…どこなの…怖いよ…」
オーラルは一人薄暗い通路を歩いていた。時折聞こえるカシャンという音がより一層恐怖を駆り立てていた。
そしてその音がすぐ目の前の通路で止まった。
オー「POH?」
オーラルはPOHが来てくれたと思って顔をのぞかせる。しかしその期待とは裏腹にそこにいたのは全身鎧に一本の長剣を持った騎士だった。
騎士はオーラルの気配を察したのか通路の前で止まって待ち構えていたのだ。自身の期待通りにやってきたその獲物を見てすぐさま剣を持ち上げる。
それはひどくゆっくりなものではあったが、武器も防具も何一つ持っていない、それどころか戦いなどろくにしたこともないオーラルにとってそれはどれだけ絶望的に見えるのかそれはわからない。
騎士はしっかりと振り上げたその剣を動かない
キィィィイン
オーラルに直撃するはずだったそれは一本の長方形をかたどった
POH「たく、迷惑かけてんじゃねえよ。オーラル」
オー「ぷ、POH~」
それは友切包丁を構えたPOHだった。オーラルは涙と鼻水でぐしゃぐしゃな顔のままPOHの足にしがみつく。POHもその様子にほっとしながら目の前の騎士を見る。自分のレベルから言えば安全マージンとは到底言えないような敵だ。だが
POH「今の俺には勝てるやつはいない」
それはほんの数秒だった。騎士の剣を弾き飛ばし、その体をばらばらにしてのけた。ポリゴンとなって消えていく騎士のモンスターを見ながら俺はオーラルをそっと足からはがした。
オー「POH?」
俺はなにも言わずにオーラルの髪にあの髪飾りをつける。実際に装備したわけだから能力はないけどただ単にアイテムとしてアクセサリーではある。後日しっかり装備させるが。
オー「きれい…」
POH「オーラル」
オー「POH?」
POH「俺は
オーラルをぎゅっと抱き締める。二度と離さないとばかりに。
POH「俺と一緒にいこう。罪は罪だがいつか必ず償う。それで、俺と」
オーラルは俺をそっと抱き締め返すと言った。
オー「もちろんだよ。私はPOHと一緒にいるって決めたもん。だからさ、涙をふいてよ」
俺の瞳からはとめどなく涙が溢れていた。
俺はそれを袖で拭って立ち上がる。そしてオーラルの手をとるとゆっくりとダンジョンの出口へと進んでいく。
POH「こっからゆっくりやっていくぞ、オーラル」
オー「うん!」
POH「イッツ・ショウ・タイム」
俺は心の底からの『笑顔』でいつものセリフを呟いた。
ちなみにその後多くのギルドとの取引の結果、ボス戦での全資金の提供を10回とレアアイテムを各ギルドに10こ送ることでこのゲームが終わるまではこれまでの行いを問わないという約束を取り交わし、その時のユージの一言で俺とオーラルは『FA騎士団』に所属することになった。
罰ゲームとして取り入れられた変な口調とともに…………。
どうもコクトーです
POH編終了!
うん、短いね!
かなりむりやり締めましたがPOHとオーラルのお話でした
次はだれにしようかな…
ちなみに明久の話は最後にします
先にほかのメンバーやるよー
次はいつになるのかわかりませんが失踪はしないからね!!
ではまた次回