明久一行のSAO   作:コクトー

9 / 32
前の話のあとでお楽しみください。


熊とダブルと戦い

 《フルヒトベアー》の1本目のバーを半分削った状態で戦いは再開した。

 

 さっそくムッツリーニが熊の目を《投擲》で狙った。熊はそれを難なくかわし、こちらに突進してきた。それに対して雄二と秀吉が同時に攻撃を仕掛け勢いを止めた。雄二たちが攻撃をパリングしている間に僕と愛子さんと優子さんは熊の背後に回り込んだ。熊は今度は腕を雄二に振り下ろした。しかし、それを今度は翔子さんとムッツリーニが側面からついてそらした。そらされたことでバランスが少し崩れた熊を、前から雄二、後ろから愛子さんが同時に攻撃し、HPを削った。

 

 その攻撃でタゲが愛子さんに移ったのを見て、明久が《ソニック・リープ》をあて自分に移しなおした。その時の攻撃で明久の隣に謎の幻影がいたのを全員が見逃さなかった。

 

優翔ム秀愛(((((今のはいったいなに?)))))

 

 全員がその不思議な現象に疑問を抱きつつも、熊が次の攻撃の動作に入るのを見て頭を切り替えた。

 

 熊は全体を攻撃しようと腕を横に振るった。雄二と秀吉がなんとか受け止め、そのすきをついて優子さんが《ソニック・チャージ》を放ち熊の右目に突き刺さった。

 

 その一撃で熊のHPはついに2本目のあと半分となった。

 

明(やっぱり二人でやるときよりも手数が多いから削るのが早いね)

 

 グガッァアァァァァアアアアアアアアアア

 

 その時熊の叫びが響いた。

 

 右目を押さえながら急にうずくまると、急に体を覆っていた黒い毛が赤くなり始めた。さらに、全身から骨が浮かび全身のあちこちを覆った。爪も牙も鋭くなり、立ち上がった。

 

雄(急に感じが変わったな。HPが一定ラインを下回ると変わるモンスターか。となると、かなりパワーアップしてるとみて間違いないな。どうする…一気に攻めきるか…)

 

雄「いや却下だな。愛子、お前も防御に回ってくれ。明久と優子はこれまで通り隙を見て攻撃してくれ」

 

愛「りょうかい」

 

愛子さんは回り込んで雄二たちのところに合流した。

熊は愛子さんに狙いをつけ、雄二たちの集まってるところに突進をしかけた。それにたいして、雄二の《アッパー・スウィング》、秀吉の《リーパー》、翔子さんの《リニアー》、愛子さんの《スマッシュ》、ムッツリーニの《アーマー・ピアス》がすべて同時に直撃した。

 

が、熊の勢いは全く衰えず全員が弾き飛ばされた。はじいたあともなお愛子さんを狙おうとした熊に明久が《スラント》をぶつけ、意識をそらせた。今の攻防で熊のHPは、これまでとは大幅に違い、6人のソードスキル直撃で10分の1ほどしか削れていなかった。

 

雄(ゲージの減りが少なすぎる!防御も攻撃も数倍といったところか)

 

明「みんな、大丈夫?」

 

明久の心配とは裏腹に、翔子さん、秀吉、ムッツリーニのHPは既に危険を示す赤色になっており、ポーションで回復している。このゲームでは、すぐに回復するわけではなく、何秒にいくら回復といったように、時間をかけないと回復しないのだ。

 

なので、3人が戦いに復帰するのはしばし後になってしまう。それは、僕達にとって大きな痛手だった。

 

秀「すまんのじゃがここで離脱のようじゃ」

 

翔「……雄二、ごめんなさい」

 

ム「……復帰はしばらくかかる。新たに2体モンスターがきてる。回復したら俺はそっちを何とかする」

 

雄「時間がかかりすぎたか。2人もそっちにまわってくれ。こっちはなんとかしてみせる。ただししっかり回復してからにしろよ。それで終わり次第合流してくれ」

 

秀「心得た」

 

優「話がついたなら手伝って!」

 

雄二たちが話しているあいだ、明久と優子さんがスイッチを繰り返しながらなんとか耐えていた。2人ともHPは減っているものの、イエローに突入したばかりでまだ3分の2ほどは残っていた。

 

雄「悪い、もう少し耐えてくれ!すぐ考える!」

 

雄二は2人にまかせ、熊をじっと見つめ、行動を見た。

 

雄(くそ、さっきまでより全然動きのキレがちげぇ。大振りがなくなってやがる。なにか弱点はないのか?)

 

雄二が考えているとき、何度目かのスイッチで優子が放った攻撃で熊のHPわずかだが他の攻撃より大きく削れた。それを雄二は見逃さなかった。

 

雄(今のは…わかった!)

 

雄「明久、優子!側面か関節の骨の出てないところを狙え!そこならダメージが多少多い」

 

明優「「りょうかい!」」

 

雄二の指示通り、明久は振るってきた腕の関節に《ヴァーチカル》を当て攻撃をそらした。そして優子さんが顎を突き熊をのけぞらせた。そこに後ろから近付いていた雄二が首に《アッパー・スウィング》をあてた。3人の攻撃は見事骨のない部分をとらえており、残り5分の2ほどになった。

 

雄「やっぱりだ。骨が出てないところなら確実にダメージはある。明久、俺と攻撃をはじけ。優子は槍で隙間をつけ!」

 

 熊は雄二めがけ突進してきた。雄二は受け止めるのは無理と判断し片手棍を斜めにあてつつ横に飛んで最低限のダメージですました。熊はすぐさま向きを変え再び突進した。それを雄二は同じように防ぎ、方向を変えるために動きを止めた熊を明久が攻撃し、それを防ごうと起き上がった熊を優子さんが狙い打った。熊は明久の攻撃へ意識がいっていたため優子さんの攻撃に反応できずHPを削られた。しかし、その攻撃によって熊がずれたため、明久の攻撃は空を切り、熊の攻撃をまともに喰らってしまった。

 

明「やばっ」

 

 近くの木に背中からぶつかり、明久のHPは赤色が数ドット残っているだけとなった。

 

 しかしそれは熊も同じで、HPの色こそ緑だが、残りは数ドットになっていた。

 

 雄二は一気に勝負を決めるべく、熊に向かっていき、渾身の《アッパー・スウィング》で熊の腕をはじいた。そこへ、優子さんが熊の首へ《ソニック・チャージ》を放った。

 

優雄((勝った!))

 

 そう思った瞬間、熊に当たる寸前で優子の持っていた槍が砕けた。槍の耐久値が切れたのだ。その原因は熊と戦い前に秀吉とともに戦ったモンスター《ブルウルフ》に、戦いの最中槍の先端をかまれていた。どうやらそれに武器破壊効果がわずかだが付加されていたらしい。

 

優「え?」

 

 槍がなくなり、無防備になった優子めがけ熊の両腕が振り下ろされた。防御のすべを待たない優子への致命的な攻撃が放たれたのだ。

 

 が、優子に当たる寸前で熊の腕はぴたりと止まった。見ると、熊の首には2本の切った跡がついており、熊はポリゴンとなって消えた。その向こうには、《スラント》を放った明久と同じポーズをとった幻影が止まっており、明久の硬直が解けるとともに幻影は消えた。

 

 優子さんは腰が抜けたのか、ぺたんと座り込みぼーっと僕を見ていた。

 

秀「大丈夫かお主ら!?」

 

 《フルヒトベアー》のポリゴンが消えるのとほぼ同時に合流した秀吉が聞いた。新たに来ていたモンスターも無事に倒し終わったようだ。

 

明「大丈夫優子さん?間に合った……よね?」

 

優「えぇ…。なんとか生きてるわ…ありがとう」

 

 あわてて尋ねる僕に対して優子さんはまだすこしボーっとしながら答えた。

 

 そんな時、みんなをレベルアップを示す金色のライトエフェクトが覆った。それが僕たちを勝ったという実感を持たせた。全員が無傷とは程遠く、ぎりぎりの戦いであったが生き残ったのだ。

 

 僕たちFA騎士団は、突如現れた謎のモンスター、《フルヒトベアー》との勝負に勝ったのだ。




どうも、コクトーです。

今回は間が長くなりました。すいません。
課題テストに学園祭に勉強にとおわれまくって書く暇がありませんでした。
言い訳ですよねこんなの…。

では物語の話へ入りたいと思います。
まず今回一つ伝えておくことがあります。
それは、「明久」と「僕」の違いについてです。
戦闘中は常に「明久」を使います。なぜかというと戦っているということを伝えるためというのと、戦闘シーンでは明久視点ではなく客観的な視点での戦闘を目指しているためこうなりました。

また、「僕」を使っているときは明久視点でのシーンです。
戦いの合間に「僕」がまざるのは、わざとですので間違いではないです。

あと、反省点として戦闘のところは普段とは違い会話が極端に少ないです。そして地の文がやたら多いです。
活動報告にてアンケートをとります。


現在UAが4600を超えました!
見てくださった皆様本当にありがとうございます。

受験が近づくにつれて今回の様に間が長くなってしまうと思いますが温かく見守ってくださるとうれしいです。
それではありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。