「俺会社クビになっちゃった」
「え・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?!?」
突然父さんからの衝撃的な発言。
「え、いや、え、なんで?」
「いや~上司殴っちゃって(笑)」
「(笑)じゃねーよ!!!!」
僕の親はいい年して、何やっているんだか。
まず、上司殴ったらクビなんて想像つくだろ。
「まぁ、これで学費払うの厳しくなるから後は頼んだ」
「頼んだじゃねーよ!だいたい大学どうするんだよ!」
「夏まではいけるから何とかしてくれ」
「いや、なんとかしろじゃねーよ!」
「残りのキャンパスライフを楽しんでくれよ」
プツッ
おいおい、笑えない冗談はやめてくれよ。
いや、大学は好きにしろって言ったけどよ・・・
これはあんまりじゃないか・・・
とりあえずどうしようか・・・
大学に通いながら次の就職先を探すか。
まぁ、大学中退なんてあれだからな。
高卒程度の公務員を目指すしかないか。
たしか、試験は九月のはずだからそれまで勉強をするか・・・
ここで考えてもどうしようもないから、とりあえず家に帰ろうか。
無事、家に帰ってきた。
いや、無事でもなかった。
僕の心がすり減っていたから。
父さんの衝撃発言で、車を事故りそうになるし。
さんざんすぎるだろ・・・
~昼休み~
「ようちゃん!一緒にご飯食べよう!」
「いいよーちかちゃん」
そう言って、二人はカバンの中から可愛らしい袋を取り出した。
「中学は給食だったから、なんか新鮮だね」
「そうそう、牛乳にコーヒー混ぜるなんて邪道だよ!」
「それは、混ぜなきゃいいのに(笑)」
「あ、そっか(笑)」
和気あいあいとしてる風景は、とても可愛らしい。
いや、普通に見てもこの二人はとてもかわいい。
「早く学校終わらないかな~」
「ちかちゃんは、今日はどこ行くの?」
「今日は果南ちゃんの家に寄ろうかな」
「じゃあ、学校終わったら一緒に行ってもいい?」
「いいよ!」
~放課後~
「ようちゃんおまたせー」
「ちかちゃん遅かったね?」
「ちょっと先生に呼び出しされてエヘヘ」
「あはは・・大変だったね」
「じゃあ、行きますか!」
「よーそろー!」
そう言って、二人は校門をでた。
果南ちゃんが住んでいるのは、船でしか行けない淡島というところ。
「「かーなんちゃーん」」
「あれ、二人とも久しぶりだね」
「入学したから来ちゃった(笑)」
「あ、二人とも浦の星だったね」
「果南ちゃんはいつから学校これそうなの?」
「うーん、お父さんがまだ戻ってこれそうにないから、まだ未定かな~」
淡島に住んでいる果南ちゃんは、ダイビングショップでお父さんの代わりに働いている。
本当だったら、浦の星の二年生。
彼女自身は学校に行きたそうだが、家の事情で無理そうだ。
「じゃあ、私はお客さんがそろっとくるから行ってくるね」
「頑張ってきてね~」
「ふぅ・・・本日の営業は終了と」
今日の予定を終えた彼女は、店前の看板を裏返す。
これが彼女の日課。
明日もこの作業なのかと、少しため息をついてしまう。
「なら学校に来ればいいじゃない」
振り返った先には、金髪の髪が揺れている少女がいた。
彼女は小原鞠里。
海外に留学していたはずなのだが休みだと言って戻ってきたようだ。
「まり・・・」
「ハロ~かなん」
意外な訪問者で、少し戸惑ってしまう。
「私は戻らないわ」
「どうして・・・」
「私はお父さんのこともあるし、もうあんな想いはしたくないの」
「私は気にしてないわ!また、あの時にダイヤとかなんで戻りたいの・・・」
その言葉に反応するかのように、作業する手を止める。
「私は、もう戻らない」
「かなん・・・」
もう、なにも言わないで欲しいようにすぐにその場から離れる。
「私は、ずっと待ってるからね・・・」
泣き顔で、彼女はその場で硬直していた。
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