入学式が終わり、暖かい春が終わりに近づいてきた。
晴れていた日がだんだん少なくなっていく。
日本ではこの時期になると、台風が近づいてくるのが恒例行事レベル。
そう、東京の秋葉原も例外ではなかった。
「うぅ・・・今日も天気が荒れている・・・お母さん行ってきます」
「いってらっしゃい。今日も頑張ってきてね」
天気に文句を言っている少女は、今年の春から音ノ木坂学院に通う一年生の桜内梨子。
彼女はピアノの推薦で音ノ木坂に入学した生徒。
「あ、りこちゃんおはよー」
「おはようー・・・」
「あれ?りこちゃん元気ないね?」
「だって、天気が悪いもん・・・」
「うーん、しょうがないね(笑)」
駅で出会ったのは、りこちゃんのクラスメイト。
どちらかというと彼女は積極的で、入学初日から仲良くなった。
私と比べたら正反対の人間だ。
でも、時には相談相手にもなってくれる優しいお友達。
「りこちゃんは部活決めた?」
「うーん、私はピアノで忙しいから帰宅部かな」
「私はもちろん運動部に入るよ!」
「すごい似合ってるよ(笑)」
毎日友達とおしゃべりしながら登校するのが日課。
何気ない会話でも、私にとっては嬉しかった。
中学時代はピアノばっかりやってたから、友達がなかなか出来なかった。
今の私にとっては、小さな幸せ。
「あ、りこちゃんおはよー!」
「おはようー」
教室のドアを開けた先には、クラスメイトが挨拶をしてきた。
天気が悪いからあまり来ないと思っていたが、そうでもなかった。
~放課後~
「じゃあ、りこちゃんまたねー」
「また明日ね」
学校の授業が終わり、友達が手を振りながら教室を去っていった。
友達と別れてから、私は音楽室に向かった。
最近の楽しみは、誰もいない音楽室でピアノを弾くこと。
静かな音楽室は、私にだけすべての音が伝わってくる。
何もかも忘れ去るような、心地よい音だけが・・・
「ただいまー」
あれ、まだお母さんは帰ってきてないみたい。
びしょびしょになった制服を乾かし、着替えてから自室に戻った。
「ふぅ、やっと休める・・・ん?」
携帯に一件のメールが来ていた。
それは、ピアノコンクールのお知らせ。
開催は一か月後だったので、ちょっと早いかもしれないが毎日ピアノをやっているので、いつもどうり申し込みをした。
「今日はご飯食べたらすぐ寝ようかな」
「りこー帰ってきたわよー」
「あ、お母さん。実はねピアノコンクールの申し込みしちゃったけど、大丈夫だよね?」
「りこが大丈夫ならいいわよ」
「やったー!じゃあ、私頑張るね!」
こうして、桜内梨子のピアノコンクールが一か月後に決まったのである。
しかし、彼女がピアノを弾けなくなる原因になるとは、誰も今は思っていない。
次回!高坂9月の試験へ!次回もシャイニー
最後まで読んでいただきありがとうございました。次回は時間軸がとびとびになりますが、気にしないでください。