緑の生い茂る巨大な森、ここでかつて父を探しに森を出発し、アダーと戦った者がいた。その名はポポ。
ポポは現在、パムやソーマ、ビビやバビやブーと自分の母とともにこの森で平和に暮らしている。虫や森と共にこうして平穏に暮らすことは大変幸せなことであろう。
ポポ「いやぁ今日はいい天気だねパム」
パム「ええ、そうね。」
ポポはパムと散歩も兼ねて樹液を取りに行っていた。そして、美味しそうな樹液を回収し、家に帰ろうとした頃だった。
ポポ「なんだか、寒くなってきたね。」
パム「霧が……濃くなって……」
ポポとパムの周りには非常に濃い霧が立ち込めており、先に進むことが出来ない。さらに霧は周りからどんどん狭まっていき、とうとう2人を飲み込んでしまった。
ポポ「うぅ、ぐぅ、パム大丈夫!?」
パム「前が見えない!」
数分後には霧が晴れたが、そこには二人の姿はなかった。
その後その森では大規模な2人の捜索が始まった。
ビビ「ポポーー!!」
バビ「パムーー!!いたら返事をしてーー!!」
ブー「だめだ、なかなか見当たらないぞ!!」
ソーマ「それにしても、さっきそこの1点だけに集中していた霧は一体なんだったんだ?なんだか妙な気配を感じたが……」
このことは、既に別の森で生活しているパサーやグルムにも伝わった。
パム「何だって!?ポポが!?」
グルム「ポポを探さなきゃ!!」
1方、ポポたちは……
霧が晴れてまぶた越しに太陽の光を感じて目を開けた。しかし、そこに広がっていたのはさっきまでの自分たちがいた森とは全く異なる。
パム「私たち、あの霧に別の世界に連れてこられちゃったのかしら?」
ポポ「そんな、別の世界だなんて(汗)」
パム「じゃああんなの見たことある!?」
パムは森の一転を指さした。そこには浮かんでいるもやもやした闇があった。
ポポ「なんだろう、あれ」
2人はその闇へと近づいていく。ふたりが闇の目の前にたった瞬間、
「お前達は食える人間かー?」
という声が聞こえてきた。
ポポ「どこから聞こえてくるの?」
パム「この闇の中。」
パムがそう言うと「正解なのだー!」と闇はいい、闇は解けた。中からはポポたちより少しだけ小さな金髪の女の子が出てきた。
?「私はルーミアなのだー。お前達は食える人間かー?」
パム「私とポポは人間ではないわ。」
ルーミア「そーなのかー?」
パムは自分たちは謎の霧に包まれてここに来たことを伝える。
ルーミア「つまりお前達は外来人なのかー?」
ポポ「外来人?なんだそれ?」
ルーミア「詳しいことは紫か霊夢にでも聞くといいぞー。」
ルーミアはそう言うとそのまま再びやみに身体を包み飛んでいってしまった。
ポポ「あのルーミアって子は霊夢が紫って言っていたけどなんのことなのかな?」
ポポはルーミアが言っていたことの情報が不足しすぎていて、よく分からず、解決法も見いだせない状況でいた。するとポポとパムの後ろから
「あやややや?これまた変な格好の二人がいらっしゃいますね。一体何者なんでしょうか?」
と語りかける声が聞こえた。
パム「あなたは誰…?」
パムがそう問うとその声の主は二人の前に立ち、
「私は射命丸文です。種族は天狗です。あなた方のことはいいネタになりそうなので」
と話した。白い衣装に黒い羽を生やした背の高い人であった。
ポポ「あなたは紫や霊夢ってなんだか分かりますか?」
ポポはそう文に質問した。文は
「もしかして外来人ですか?」
と2人に聞いた。2人は黙って頷いた。
文「そうでしたか。どのような経緯でここへ?」
ポポ「パムとふたりで樹液を取りに行っていたら、突然深い霧に包まれて、霧が晴れたらここにいた感じなんです。」
文「あやや、また大変な思いをされましたね〜。そうしますと、博麗神社に行った方がいいですよ。さっき言っていた霊夢という人物はその神社で巫女をやっています。紫という方もその神社でよく見かけますよ。博麗神社はこの方向にあります。」
ポポ「あ、ありがとうございます!!」
ポポはそう文にお礼を言うと、パムと共に木の上に一瞬で登り、すごい速さで木々を跳びながら移動して言った。
文「す、すごい。」
ポポたちはあっという間に森を抜けた。目の前には大きな赤い鳥居がある。ポポたちはその下にある階段を登り、神社へとやってきた。
ポポ「すみませーん、霊夢という方はいますか?」
?「あたしが霊夢よ。」
ポポが声をかけると横から返事がした。2人はその声の主の元へ顔を向ける。
霊夢「あなた方、妖精っぽいようだけどなんか違うっぽいわね。」
ポポ「僕は森の民の妖精、ポポです。」
パム「私はパム。」
霊夢「あなた方は外来人ね。そんな感じがするわ。」
霊夢はポポたちがここへやって来た経緯を聞き、ポポたちにここがどこなのかを説明した。
ポポ「幻想郷……?」
霊夢「ええそうよ。人間や妖怪、天人や幽霊、オマケに吸血鬼や魔法使いや鬼や地底人までいるわよ。この世界には。」
ここで、霊夢はパムが何かがよく分かっていなかった。そこへ急に目だらけの空間が開いた。
ポポ「なんだ!?」
霊夢「落ち着いて、大丈夫よ。来たのね。あんた。」
?「あら、察しがいいわ〜♪」
その空間から1人の女性が出てきた。その女性はポポとパムのことをよく見てから話し始めた。
?「私は八雲紫よ。この幻想郷を創造したものよ。あなた方、私は連れてきた覚えないけど、霊夢から聞くには霧に包まれて来たようね。最近結界の力が弱まってるからそれかもしれないわ。」
ポポ「そうですか……」
紫「ところであなた方、とても強い力を持っているようね。」
紫のこの言葉に動揺してしまったポポとパム。紫はさらに続ける。
紫「ポポと言ったかしら?あなたには私たちが感じたことのないような凄まじい力を感じるわ。でもあなたの種族は妖精のようね。幻想郷の妖精は大体頭が悪いのばっかだけれど、あなたは逆ね。」
ポポ「は、はぁ……」
紫「そして、パムと言ったかしら?あなたにもポポとは別の強い力を感じるわ。しかし、あなたの種族がイマイチ分からないわ。」
パムは紫と霊夢に自分の存在する理由を述べた。
パム「私は、星の命の状態を調べる者。そのために何人もの私が船によって作られた。けど、ポポたちとの旅の終着点にて私がようやくその使命を全うし、力と記憶を失ってしまった。今はポポたちのおかげで森の民として暮らしている。」
紫と霊夢はこの言葉になにか不吉な予感がしたのか、非常に険しい顔色をしている。
紫「その旅の結果はどうだったの?」
ポポ「僕達の宿敵のアダーと、森の力が生み出した生命力を回復させる力を持つセランという少女と共に船は旅立っていきました。セランがいなかったら、僕達はみんな光になっていたでしょう。ここの人達には影響ないと思いますが……」
紫はポポの言葉を少し不思議に考えていた。光になるとは何か?それがどうしても分からなかった。
次回:闇に染まった甲虫