Twitterでのアンケートにのっとり小傘がヒロインの作品を書いてみました!
では、本編!
雨中の出会い(前編)
雨の日は嫌いだ。帰る家はあるが出迎えてくれる家族なんて居ない。雨の日はただ寒いだけだ。
だけど、そんな雨の日を彼女は変えてくれた。
「寒い……」
そう呟きながら、少年は歩き続ける。強い雨の中を歩き、行き違う人達とすれ違うが誰1人として彼を気にかける者はいない。
「……わっ!」
「っと……なんだお前か。前見て歩けよな」
男性とぶつかったが、男性は謝ることなく少年をそのままにして、そそくさと雨の中を走っていく。
対する少年は何も言わずに立ち上がり、同じ道を進む。
彼は何も思わなかった。何故なら
その事から全ての出来事にどうでも良くなってきていた。
「しかし、あの人は相変わらず忙しいんだね……。まぁ、しょうがないよね。質屋の長なんだから……」
少年は静かに呟くと、ある小さな家の近くで足を止める。
この家こそ、名が無い少年の家である。身寄りのない彼のために里の人間が家を用意してくれたのだ。
雨風を凌げればいいという少年の願いを叶えたのだ。
「……さてと……ん?」
少年が家に入ろうとすると、見慣れない紫色の傘があった。
傘など普段差さない彼にとって、傘など無縁の存在だ
誰かの忘れ物かなと思い、その傘に手を掛けた瞬間
「わあっ!」
「っ!?」
突如として大声を掛けられながら背中を勢いよく叩かれた。
それに驚き、後ろを向くと水色の髪に左目が水色、右目が赤色のオッドアイの少女が笑顔で少年を見ていた。
「驚いたー?」
「お、驚いたよ……」
「やったー!久しぶりにこの反応見たなぁ……お腹が少し膨らんだな」
「……君は誰?」
「わきち?わきちは多々良小傘だよ。あなたは?」
小傘を名乗る少女は、名前を聞くが少年は答えられなかった。
答えられる名前が無いから。
だが、それを言っても信じて貰えない可能性が高い、有り得ないと一刀両断される可能性もある。
その可能性があるから、少年は答えられなかった。
「んー?どうしたの?」
「その……これから僕の言う事を信じられる?」
少年の言葉に小傘は小首を傾げつつもゆっくりと頷く。
「僕には名前が無いんだ……。物心付いた頃には1人だったし……だから名前なんて無いんだ。誰かに教えられる名前なんて無いんだ」
「……」
少年の答えに小傘は無言になってしまう。
この反応に少年は、仕方ないかと考えてしまった。
名前など生まれた時に必ず付けられるものなのだから。
「流石に冗談っぽいよね。見知らぬ人にいきなり言われたものだから、常識的に有り得ないよね」
少年は苦笑いを浮かべながら自分の家に入ろうとすると、後ろからお腹が鳴る音がした。
その音に気づき振り向くと、小傘が頬を赤らめながらお腹を抑えていた。
「あははは……お腹が空いた。君の驚いた顔でお腹が膨らんだには膨らんだけど……満杯じゃなくてね」
「そっか……。なにか、食べる?僕なら我慢出来るし」
「なら、ご馳走になろうかしら!」
そう言うと小傘は家主である少年よりも先に家の中に入っていく。
それを少年は苦笑いで彼女の後を追う。
続く
どうでしたか?
小傘の口調ですが……違ったらすいません。
次回からは気をつけるようにしますので。
では、次回を楽しみに