「ふう。お腹いっぱい。さて、宿題でもやるか」
その前に同盟のやりとりでも見てみよう。漫画に没頭して、それから夕食に呼び出され、現在に至るまで、ずっと会話に参加していないので、気になるところではある。さすがにメッセージゼロということはないはず。
「えっと、40!? ずいぶんと盛り上がっているみたいね。それなら、私も混ざれば良かったな」
普段からメッセージアプリを使うような、まめなタイプではないけど。それでも女の子たちが楽しく話している現場に紛れておきたかった。たとえ事後だとしても、私は溶け込みたかったんだ。
教室で自己紹介したはずなのに、またやっている。親しき仲にも礼儀あり、ってやつか。意外としっかりしているじゃないか、花城さん。ギャルなのに。
「いや。でも意外とギャルの世界は厳しいって、テレビの特集でやっていたような?」
とにかく、その先を読もう。名前と顔を一致させるのは難しくない。明日でもできる。いまはただ、彼女らがいったい、どういう会話をするのかだけ気になる。知佳が毒されていないか心配だ。
『る』と『?』の押し間違いもそうだけど、改行ミスやひらがなオンリーの文章だって、よく考えたら私のお母さんがしょっちゅうやらかしているが、それとはまるで違う。
トーク画面にて、天野さんのスマホ不慣れ説が蔓延っていた。ヤンキーのような外見の彼女ゆえの、いわゆるギャップ萌えと言うのかな。なんとなく胸がくすぐったくなる愛おしさを感じる。
「ふふ。なんか良いなあ、こういうの」
私の手のなかにあるワンダーランドって感じで。女の子たちがわちゃわちゃしているのをただ傍観している幸せ。発言が変質者みたいだけど、私はそういうの気にしない。
可愛い天野さんにみんなが寄ってたかって操作の説明をしている。やさしい世界と形容したい。まるでガラケーからスマホに機種変したおばあちゃんに教えるみたいに、やさしい。
「グループトークじゃなくて、放課後の居残りで教えてあげたほうが良かったんじゃ?」
ってくらい、ここでやる必要性を感じないトークだ。確かにたくさんの乙女があれよこれよと喋り倒している光景は嫌いじゃない。でもこの場はあくまで『貧乳(になりたい)同盟。』だ。
公私混同は良くない……って、お昼のワイドショーかニュースで政治おじさんが言っていたっけ。まあ、そのヒトも、家族旅行の費用を政治資金から捻出するなどで公私混同していたけど。
挿絵、というよりトーク画像を作るのに大半の時間を費やしてしまったので
文字数はとても少ないです。4話だけものすごく分散されます。