ハイスクールD×D オン・ステージ!   作:魔女っ子アルト姫

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「人間が此処までの冥府の覇気を宿す事が出来る訳が……」

「で、でも冥府との同盟を結んでるでしょ!?十分に有り得るって!!」

 

冥府神ハデスの力の一部を有している事を知らない二人からすれば普通の人間がいきなり冥府の覇気を全身から発するという異常事態に思わず驚愕してしまう、冥府にてハデスの力を受けて成長したロックシード。それに宿っている冥府とハデスの力、それを使いこなす事が出来る存在が居るとは考えた事も無かった。だが敵意を向けられ、自分達の事を罵られたまま黙っていられるほどゼノヴィアも大人しくは無く教会から討伐の為に貸し与えられた破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)を抜刀しその剣先を鎧武へと向ける。

 

「自然王の配下であろうと許す事は出来ない、覚悟しろ!!」

「それは貴様の方だ……アーシアを侮辱した事を後悔しながら、冥府に落ちろ」

 

上段から振り下ろされる聖剣、それを身体をずらす事で回避する貴光だが避けた際に聖剣は地面に接触したがその際に地面を削り消し去るようにしながらクレーターを作った。破壊という名を冠しているだけの破壊力はあるという事らしいが単純な破壊ならば十分に対処する事は出来る。

 

「破壊力だけはあるようだな、だけは」

「黙れ!貴様もこれから破壊されるのだからな!!」

「あわわわわっっ……ゼノヴィア落ち着きなさいって下手しなくても大問題に……」

「た、貴光さんも落ち着いてください!私は気にしてませんから!!」

 

互いに落ち着くように声を掛けるがゼノヴィアは仕える対象を侮辱され無能と言われた事で頭に血が上り聞く気が無く、貴光はせめて一発はあの顔に入れないと自分の気がすまないのでやめる気が無かった。元々調停役の職務でストレスが溜まっていたのもあって自分を制御しきれておらずストレス解消の為に相手を叩きのめしたいというのが3割方の本音である、残りの7割は癒しのアーシアを悪く言った事による怒りである。

 

「はぁぁぁっっ!!」

 

気迫と力を込めた一喝と共に振り下ろされてる聖剣をミントシックルで受け止めつつ受け流していく、得物同士をぶつけながら破壊の聖剣がどれほどの物なのかを選定して行く。

 

「随分と丈夫な鎌だが無駄だ!この聖剣に壊せぬものなどない!!」

 

何度も何度もぶつけ合う剣と鎌、その最中に破壊の聖剣の真実を見つけた貴光はややがっかりした。破壊の聖剣と言ってもその真実は聖なるオーラを纏いながらその刀身に破壊の概念が付与されているだけの剣である事が分かった。それならばこのミントシックルを破壊出来なくて当然だ、冥府の中でハデスによって生み出されたミントロックシードは特殊すぎる存在となっている、生まれた時から命は無く死んでいるに等しい生を持っているという矛盾を孕んだ存在。

そんなロックシードから生成された得物にも死んでいるのに生きているという真実がある。物体に死を与えるのは破壊、だが最初から死んでいる得物は如何あっても破壊する事は出来ない。このミントシックルは絶対に死亡(破壊)する事がない不死の武器であると同時に相手に死を齎す冥府の武器。

 

「破壊、か……やってみるが良いさ。既に死んでいる者を殺す事が出来るならば!!」

「なっなにっ!?」

 

勢いよく振るわれた聖剣をミントシックルによって易々と受け止められてしまう、それを強引に突破しようと力を込めていくゼノヴィアだがミシミシと軋むような音が耳を劈いて来た。それは自分の腕を通じるように聞こえてくる。まさかと思いながら聖剣を見ると破壊の聖剣にヒビが入り始めていた。

 

「ヒ、ヒビが!?破壊の聖剣にヒビが!?」

「冥府に、殺せぬものなど存在しない。はぁぁっ!!」

 

あの聖剣にヒビが入るという事態に仰天し精神状態が不安定になってしまったゼノヴィアは力を緩めてしまいその隙を突かれミントシックルで大きき弾かれてしまう。そしてそのまま貴光はミントシックルを地面に突き刺すようにしつつ、それを支柱にしながら腕の力のみで身体を持ち上げると聖剣ごとゼノヴィアの身体を貫くような鋭い蹴りを放った。咄嗟の行動で聖剣を盾にようにしたゼノヴィアだがその蹴りを防ぐことは出来ずに吹き飛ばされてしまう、がその時の攻撃によってヒビの入っていた聖剣は完全に崩壊してしまった。

 

「エ、エクスカリバーが……折ら、れた……」

「た、貴光さん凄い……」

「あ、ああああっっ……!!せ、聖剣が……!?」

 

吹き飛ばされたゼノヴィアの事よりもあの正拳が折れてしまった事が何よりのショックなイリナ、伝説の剣が、世界最強とも言われた聖剣から作られた破壊の聖剣が折られるなどと思ってもみなかったようだ。流石にやりすぎたかと思った貴光は漸く冷えてきた頭を一度リセットさせる為に深呼吸をするとパルテナから授かったロックシードを取り出す。

 

ナツメヤシ!!ロック・オン! ソイヤ! ナツメヤシアームズ!! Miracle of Judgment!!

「〈修復の奇跡〉!!」

 

ナツメロットを折ってしまった聖剣へと向けると天とロットから光が溢れ出して行き聖剣へと降り注いでいく。聖剣へと溢れていく光は破片の一つ一つまでを結集させつつまるで生き物が傷を修復して行くかのような元々そうであったかのような直り方をしていく。僅か30秒で先程までの無残な姿の聖剣の姿は無く折られる前の姿へと戻った。

 

「せ、聖剣が直った!?ど、何処も何ともない……折られる前の物に戻っている!!」

「す、凄い!?何今の、奇跡が起きたの!?」

「俺の気は済んだ。次、アーシアに魔女だのと言ってみろ。次は容赦せずに殺す」

 

修復が終了すると変身を解除しながら最後通告を行いながらその場から足早に去って行く、アーシアもその後に続いて急いで後を追う。その場に残された二人はますます貴光という人間の凄まじさが分からなくなって来ていた。冥府の力を宿しながらも聖剣を修復することが出来る奇跡まで起こせる、本当に人間なのかと。

 

 

「貴光さん、さっきのあれはないと思います。幾らなんでも直ぐに怒りすぎですよ?」

「いやすまない……仕事でストレスが溜まってて……」

「それを誰かに向けて発散するなんて駄目です!これからはしちゃ駄目ですよ、分かりました?」

「はいっ……以後、気を付けます」

「なら良いんです。さっお買い物に行きましょ!」

「ああ……アーシアにはなんか勝てそうにないなぁ」




ミントアームズ

生と死が同居している矛盾のアームズ。生きていながら死んでいるという異質な物になっている。故か得物であるミントシックルを破壊する事は不可能に近く、破壊するには消滅させるしかない。加えて装着者が受けるダメージを殺し装着者を生かすという事を常時行っている防御能力も高いアームズ。
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