これからちょくちょくやっていきます。
尚、一番悩んだのはアームズ装着時の音声。
『ロックオン!』
『ゴッド!!』
『ロード!!』
光の女神 パルテナ、冥府神 ハデス。その二柱が生み出したロックシード。ギルガメッシュ叙事詩に置いて生命の樹として登場するナツメヤシを用いたロックシード、ギリシャ神話の冥界に咲く草であるミントを用いたロックシード。この二つを自然王ナチュレが生み出したイチジクアームズの力を開放し、エナジーロックシードと融合する事で完成するジンバーフルーツを作り上げるかのように練り上げていき新たな息吹をあげる。
『ソイヤ!!ゴッドアームズ 神風・神ステージ!!』
『Cone on!! ロードアームズ Lord of Knight!!』
鎧武が纏うアームズ、神の名を用いたアームズは銀色に輝きつつも高貴な色とされている紫を内部に内抱している。高貴でありながらもそれを主張せずに、煌びやかな銀の巨大なハンマーと見間違うほどのメイスを担ぎ上げるほどの屈強さを誇示している。
バロンが纏うそれは燃えるような炎と太陽の煌めきのような黄金をその身にする。アームズから伸びるマントはロードという地位に経つ者だけが纏えるかのような象徴、その手にする長剣は身に溢れてくる力を見せ付けるかのように力強くあり続ける。
「ほぅ……身体に力が漲るな……。悪くない」
「武器はハンマー……いやメイスって言うのかこれ、いいねぇ力強くて好きだぜこういうの」
身に付けた新たなアームズから溢れてくるかのような力の流れ、激流のように溢れてくるがそれを真正面から受け止めながらも物にしている二人。強い精神力でそれらを制御しつつも完全に身に宿す事に成功している。それらを目の辺りにしつつも驚きに満ちた表情をしているリアス達だが、唯一木場だけは何処か嬉しそうな表情を浮かべながら両手に剣を作り出して構えを取った。剣士としての本能がそうさせているのか、強敵と戦える事に強い高揚感を感じている。そんな木場に期待するかのような視線を向けつつ、向き直るとバロンはそれと背中合わせにするように一誠とリアスと向き直るとそれから守るように小猫が立ち塞がった。
「まずは私が相手です……戒斗、先輩」
「塔城か……いいだろう、ウォーミングアップの相手にでもなって貰おう」
まずは小猫に狙いを定めた戒斗、自身が得た力を確かめるようにゆっくりと歩きながら軽く剣を振るって見る。軽く振るっただけなのに容易く空気を切り裂き真空の刃が地面を傷つけた。その切れ味と上昇している身体能力の幅に驚きを覚えながらも、それを早く振るってみたいという思いが身体を動かしていく。
「行くぞっ……」
「行きますっ……!!」
駆け出していく小猫、相手のバロンの武器は大きな剣。リーチは長いが小回りは利き難いだろうと思った彼女はスピードを活かしつつ一気に接近していく。近づいた途端かなりのスピードで振るわれた「
「お、おいおい何て破壊力……!?絶対当たるな、一発KOだぞ!!」
「分かってます……!!」
思わず声を出したアザゼルのアドバイスは承知の上、新たなアームズから発せられる波動は神が権能を発揮する時に出る波動と全く同質の物。それを纏いながら攻撃してくるのだから威力は尋常ではない物なのは分かっている、分かっているはずだったがいざそれを見せ付けられると冷や汗が噴出してくる。
「如何した、怖気付いたか」
「っ……違います、やっぱり戒斗先輩は強いって思いなおしただけです」
「ならお前は如何する、その強さの前に呆気なく屈し敗北を認めるか」
戒斗と小猫はそれなりの付き合いがあった、戒斗は趣味と気分転換がてらにやっている菓子作りに必要な材料を買っている時に小猫と鉢合わせた。小猫も甘党でお菓子好きという事で馬が合い、戒斗が作る菓子の試食などをしていたりしていた。戒斗と良く触れ合っているからか彼の人間性を良く知っている、だからこそ強く立ち上がりながら構えを取る。
「いえ、全力でぶつかり続けます。それが今私に出来る精一杯ですから」
「それでいい。さあ、来い」
「ぐっ!!ハァァァッ!!」
「ぬぅぅん!!」
ぶつかり合う鋭く研ぎ澄まされた剣戟と全てを押し潰し粉砕する一撃、激しくぶつかり合う木場と貴光。鋭い一撃を放つ度に砕けていく剣を投げ捨てながら新たな剣を生み出しては攻撃を繰り返していく。無数に剣を作りだせる能力を最大限に活用しつつ、空中に剣を生み出してそれを飛ばして一撃で砕けてしまう為に確保できない手数を補うなど上手い戦い方を見せる木場。
「はぁっ!!!」
それらを怪腕によって振るう「シン・メイス」で一撃の元で粉砕して無へと還していく貴光。圧倒的な力で全てを粉砕する、今の彼の状態は木場とは相反するような物だが、貴光と木場はそんな戦いを酷く楽しんでいるかのように果たし合いを続け続ける。漸く巡ってきた決闘に心が躍っている。
「これで48本……君に圧し折られた事になるね、貴光君」
「そんなにやってたか、でもまあ狙いは悪くねえ部分も多い。ワザと大振りで防御を誘いながら空中展開した剣で急所を狙う、ワザと剣を折らせてその剣を自爆させる……随分多彩な戦い方をするな」
「全部アドリブだけどね、君と戦ってると次々と戦法が勝手に思い付いちゃってそれを全部やってみてるのさ」
「そりゃいい……悪魔は好かないが、お前は好きになれそうだ」
「有難う、聞いてもいいかな。何で君は悪魔が嫌いなんだい?」
剣を構えたまま聞いてみる、貴光は非常に悪魔を敵視している。はぐれ悪魔などの所業は時に途轍もない事もありその討伐をした事がある木場も、時たま悪魔という種に疑問を持ったりする事もある……が、貴光のそれは自分を越えている。するとメイスを肩に担ぎながら言う。
「答える義理はない……と言いたい所だが、教えてやるよ。木場……夢を壊されたら人ってどうなると思う?」
「夢……?喪失感に苛まれる…かな」
「ああ、そうだな……。どうしょうもねぇ苦痛、悪夢、無力感、虚無感、喪失感、怒りに悲しみに全てを喰らい尽くされていく……俺はそれを味わった、それだけの話だ」
「……野暮な事、聞いたかな」
「お前からしたら聞きたくてしょうがねぇ事だろ、気にすんな」
さてと、言葉を切ってからメイスを構えなおす。それに合わせて木場も新たな剣を創造する。それは二つの属性、聖と魔が混合した聖魔剣を両手に作り出した。メイス程ではないが、テクニックタイプの彼としては珍しい大剣の創造に此処まで戦ってきた貴光は笑った。
「なんだ、急にパワーに鞍替えか」
「技でも力を体現できるって所をそろそろ見せてあげようかなって思って」
「そりゃ楽しみだな木場」
「それとさ、僕の事は祐斗でいいよ。僕だけが名前で呼ぶのは悪いから」
「そっか、んじゃそう呼ぶぞ祐斗」
「うん貴光君」
到底決闘中とは思えない言葉のやり取り、仲の良い友人同士が語らうようにしか見えない。そして軽く笑いあうと二人は空気を裂く様な声を上げて駆けだす。
「セイハァァァァッッッ!!!」
「ゼリャアアアアアアア!!!」
同時にぶつかり合ったメイスと聖魔剣は巨大な衝撃波を生み出しながら、次々とぶつかり合いながら互いの力を示すかのように波動を周囲に撒き散らしていく。