「貴光、リアス先輩がお前に用があるって」
「断ると言っておけ、用がある」
悪魔を討伐しリアス達と邂逅した翌日の放課後、一誠が近寄り自分に用事があると言ってくるがそれを拒否しながらさっさと荷物を纏める。
「す、少しで良いんだよ!頼むよ!!」
「無理だ、今日は大切な客人が来る。あいつ程度に構う暇などない」
「リアス先輩が程度だと…?」
貴光にとって既にリアスはその程度の価値でしかない、一方的に此方に迫ってくるだけ迫ってくるだけで此方に対する配慮もマナーも守らずに眷族になれと言ってくるだけで謝罪もしない。そんな相手と居るだけ時間の無駄、それに今回の事も自分が自然王に仕えているという事が明らかになったから大慌てで謝罪し自然軍とのぶつかり合いを避けたいというだけだろう。
「貴光、お前リアス先輩を馬鹿にしてるのかよ……!?」
「……如何したお前、前とは態度が180度真逆じゃないか」
「おう俺はあの人についていく!」
「……色仕掛けでもされたか」
忘れていた、こいつがどんな事があっても色仕掛けなどエロい事をされればそれで様々な事を許容し容認してしまう大馬鹿者である事を。大方リアスに胸でも押し付けられたか抱きしめられたかでもしてそれで女の感触と胸の魔力に全ての考え方を辞めてそれに心酔したと言う所だろうか……うん、友人はもっと厳選すべきだったと貴光は心の奥底から後悔した。
「兎に角俺にもスケジュールがある、用があるなら前もって話を付けろと言っておけ」
「あっおい貴光!!」
「それと
兵藤、今まで一誠と呼んでくれていた彼が苗字で自分で呼んで事に思わず驚いてしまったが振り向いたその瞳を見た時身体が凍りついたような気がした。身体が内部から冷えていき氷に閉ざされて行くような不快且ついやな感覚。
「貴様はもう俺の友人じゃない、悪魔が気安く話しかけるな」
崖からつき落とされ粉々に粉砕されるような幻覚を見た気がした一誠はただただその場に立ち尽くした。素気なく愛想も良くないがそれでも彼はいい相談相手で良い友達だった、前もって誘えばちゃんと遊びにも付き合ってくれる良い奴だったのにそんな彼からの絶交宣言は酷く、胸を抉るように堪えた……。
「呉島先輩」
「……確か塔城だったか」
校門を出ようとした所を呼び止められる、止めたのは昨夜自分が気絶させた小猫だった。自分が出て行こうとするのを邪魔するように現れたのを考えると如何しても自分をリアスの所に連れて行きたいように思える。
「悪いが今日は大切な客人が来る、あれに応対する気は無い」
「それは、困ります……部長は先輩に謝罪したいと言っています」
「それはどういう意味でだ?俺個人へか、それとも俺の立場に対するものか」
そう問われると小猫は何も言えなくなる、自分は唯貴光が帰ろうとしたらそのまま部室につれてきて欲しいと言われているだけでどのような意図で謝罪を行いたいなどと言った事は一切聴いていないのだから何もいない。
「謝罪をしたいのならアポを取るんだな、相手の事を考慮をしない謝罪なんざ俺は受け取る気は無い。あれに言っとけ、今度ふざけた事をしたら自然王に報告する、とな」
「脅し、ですか……?」
「好きに取れば良い」
そこまで言うと今度こそ校門を潜った、黙り込んだ後輩を放置しながらさっさと足を進めていく。もう悪魔に予定を狂わされたくないからという思いとリアスから少しでも離れたいという思いの二重、普段よりも早足で進んでいく背中を小猫は何処か辛そうな瞳で追い続けた。
「ただいまー」
「おお帰ってきおったか、おかえり」
「ナチュレ様、ただいま戻りました」
自分を出迎えたのはナチュレであった。今日来る来客もナチュレだったのが如何やら貴虎は仕事、光実はダンス部の活動で帰ってこれていないようだ。しかしだからといってナチュレも目くじらを立てる気は無い、公私はしっかりと分けるべきと考えるとナチュレは貴虎の仕事の重要性や光実にとってのダンス部の意義も重々理解している為怒るつもりなど毛頭無い。非常に話の分かる神様である。
「んでナチュレ様、本日は一体何の御用でいらっしゃったんですか?先日のスマブラのリベンジですか?」
「うむそれもあるがの……今日は顔合わせじゃ」
「顔合わせ?」
「うむ、兎に角此方に来い」
歩いていくナチュレに続いて進んでいく其処は貴光の部屋なのだが先客が構えていた。それは……
「あっちょっとピットそこの能力取ってください!」
「ってなんでスピアの敵全部吸い込んじゃうんですか!?僕だってスピコプターやりたいのに!!」
「実際にやってみたら出来たりして」
「いや僕カービィじゃないんですけど……」
「よっとほらほらもっと確りしないと先先進んじゃうよ~」
天空界「エンジェランド」を統べる光の女神パルテナ、その親衛隊隊長を務める天使ピット、そして冥府を統べ支配する冥府神ハデスが仲良くカービィをプレイしている様子であった。
「……なんで俺の部屋を勝手に使うんですかねぇ……」
「構わんじゃろ、別に疚しい物は無いんじゃから」
「いやそうですけど……まあいっか。変な事はしないって分かる面子だし」
「おっ来たなタカミー君」
「あら貴光君、こんにちわ」
「貴光君お邪魔してま~す」
一時期な大層な敵対関係にあったと聞くが現在では一時的な停戦状態となっており仲良くゲームをする程度には友好がある。
「んでハデス様とかパルテナ様とかピットとかなんか凄い面子がいるけど如何したんですか」
「ええ。現在の悪魔達の事を鑑みて我々は同盟を組む事にしたのです、人間を世界を守る為に」
「そういう事じゃ」
「そーいうことー」
現在人間は悪魔によって一方的な攻撃を受け続けているに近く一方的な契約や無理矢理な形の転生、それにより搾取など数えればきりが無く人間を愛するパルテナとしては黙ってみている訳には行かない。ナチュレは人間も自然より産まれた命、即ち自然と一部と捉えている為それを蹂躙されるのが我慢ならない為同盟に応じた。ハデスはそんな事は気に掛けていないが人間を勝手に転生させその生き物の運命を捻じ曲げるという行為を冥府の神として黙って見ている訳には行かないという事で同盟に参加する事を決めたらしい。
「まあぶっちゃけ本音は魂とか来ないと冥府軍の戦力が増えないからハデスさん困っちゃう訳よ。最近はやたら冥府にちょっかいを掛けてくる御馬鹿さんが多くてね~、タナトスきゅんも大忙しなの」
「その当たりは複雑ですが……冥府軍の協力があれば十分な戦力が整えられますから」
「僕としては浄化した筈のハデスが蘇ってるのが不思議でなりませんよ」
「アッハハハハ、このハデスさんが死んじゃったら全宇宙の美少女が咽び泣いちゃよん♪あの後冥府に戻ってバックアップの身体に潜り込んでハイ復活!って訳よ」
色々ありながらも呉島家の一室で締結された天空軍、自然軍、冥府軍の同盟協定。世界中の大きな力を持つ勢力を驚かせる物が人間の家の一室で決まったという驚きの事態になったがこれがこの後世界に嵐を巻き起こす。
「あっそうだタカミー君、その内冥府軍からもロックシード上げるからね」
「私からも出しますよ」
「助かります」
キャラとしてナチュレ様とハデス様が一番好きです。