くぅ~疲れました!
「ねぇ、お父さん」
「んー、どうした?」
お父さんは少し赤い目をこちらに向けて僕の頭を撫でる。
僕は先程まで読んでいた本をお父さんに見せる。お父さんが作ったらしい手作りの本。
「どうして化け物は死んじゃったの?」
「ふぅむ…難しい質問をするように……」
お父さんは悩む様に顎に手を置いて唸る。
本の内容は、友人である英雄の為に大切な物を守る為に自分を犠牲にした化け物の話。犠牲にして、自分の本心を必死で隠して、死んでしまった化け物の話。
「化け物はきっと死にたくなかったと思うんだ」
「ほぉ…なんでそう思うんだ?」
「だって、大切な人を置き去りにして死ねるほど、化け物は人を信用してなかったはずだもん」
「……随分難しい言葉を使うようになったなぁ…」
「アンヘルお姉ちゃんが教えてくれたよ!!」
「アイツが犯人か…」
お父さんは溜め息を吐いてまた僕の頭を撫でた。
その顔はへにゃりと笑っていて、仕方ない、なんて言う様に。
「そうだな……うん、お前の言う通りかもしれない」
「でしょ!!」
「でも、もうこの話は書き直しはできないんだ」
「えー…」
「書き直せない、が書き足すことは出来るさ」
お父さんは僕から本を取り上げて、冗談めかしてこう言う。
「あぁ神様、お願いします。この化け物に一時のチャンスを」
本が少しだけ光った様な気がした。もう一度お父さんから本を受け取ったけれど、本の中身は一切変わっていなかった。
ただ不思議な光が浮かんだだけで、もうその光も浮かんでいない。もしかしたら僕の見間違いだったかもしれない。
「ただいまー」
ガチャリ、と音を鳴らして紫色の髪のお母さんとその隣に荷物を持った白い髪のお姉ちゃんが玄関から入ってきた。
音に反応したのか、お父さんはお母さんを見て優しく笑んだ。
そんなお父さんを見たのか、お母さんもニコリと微笑んで、その隣でお姉ちゃんが溜め息を吐き出していた。
「おかえり、すずか」
「ただいま、ゆぅ君。どうしたの?」
「ちょっとね。お願い事をしてたんだ」
「ふふ、そっか」
「お母さん、お帰り!!」
「ただいま」
紫色の髪のお母さんに抱きついてしまう。お父さんが少しだけ唸ったのが聞こえた。
「男の嫉妬は醜いよ」
「アンヘル、今日の飯はないと思えよ?」
「なんで!?」
「なんでもだ」
フッと笑うお父さんをポカポカと叩くアンヘルお姉ちゃん。
どうしようもなく、平和な日。コレが僕の、僕たちの日常だ。
きっと、この日常は変わらないモノなのだろう。それこそ、昔が変わらない限り。
猫毛です。
既に完結した物を蛇足で始める作者がいるらしい。
そう、私です。
最初にも書きましたが、地雷原です。今更ですが、一応注意を促しておきます。
ユウ君を求めている方は、きっと肩透かしになるでしょうが、まぁ書いてしまったモノは仕方ありません。
評価は受け付けてません。
感想はあれば返す所存です。
よろしくお願いします。