ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
私の優先順位はブイズ>>>>>超えられない壁>>>>>>>>>>>その他
アニポケDP、XYにやっていたポケモンサマーキャンプとは違いポイントの競い合いとかはないです。
メレメレ島にてミヅキさんの大試練を乗り越えた私、そしてヨウさんとハウさんの3人。その後、次に挑戦するアーカラ島に上陸いたしました。
私たちが最初に立ち寄ることとなったのはアーカラ島の首都ともいえるカンタイシティです。ここには私が長くお世話になったバーネット博士の職場でもある空間研究所があります。
そしてその翌日、このカンタイシティにてククイ博士主催のキャンプが開催されることとなりました。ククイ博士曰く、このキャンプはトレーナーとしての基礎を学ぶために通う学校、ポケモンスクールのようなものだそうです。
私もそれに参加することが許され、私を含むヨウさんとハウさんも同時に参加することとなりました。ミヅキさんはしまクイーンとしての仕事が忙しいそうで、先日中にメレメレ島に帰ってしまいました。少し残念に思いましたが、ミヅキさんの大切なお仕事でもあるため仕方ありません。
そして今日、ククイ博士主催のキャンプ当日。私を含む参加者の皆さんがカンタイビーチに集まり、キャンプの開始を今か今かと待ち望んでいる最中でした。
参加者の皆さんはキャンプの開始まで時間があったため思い思いの会話をしていました。多くの参加者はトレーナーになって日も浅い様子でした。
暫くするとククイ博士の準備が整い、全員の視界に入りやすいように用意されていた台の上に乗り参加者の方々を見渡しました。
「アローラ!トレーナーの諸君!本日は僕の開催するキャンプ、通称ポケモンZキャンプに参加してくれてありがとう!」
ポケモンZキャンプ、それがこのキャンプの名前みたいです。恐らくこのZは、Z技からとってきた名前なのでしょう。
「このポケモンZキャンプは、トレーナとしてみんなに成長してほしいという願いから開催するものだ。トレーナーズスクールに近いものだが、ここではそれ以上の応用も学んでいってもらいたい。」
この場にいる全員がククイ博士の言葉に頷き静かにククイ博士の言葉に耳を傾けています。
「このポケモンZキャンプで学ぶことは、将来必ず役に立つと僕が保証しよう!」
ククイ博士は再度参加者の皆さんを見渡し、ひと呼吸おいてから『さて』と口にし、言葉を続けました。
「今日はポケモンZキャンプの1日目だ。まずは君たちのトレーナーとしての腕前を見せて貰いたいと思っている。」
その時、参加者の一人が手をあげて質問をしました。ククイ博士は『しんそくの様に勢いがあっていいねぇ』と評価してその参加者さんの名前を口にして当てました。
「それって誰かとポケモンバトルをするってことですか?」
「ははっ、確かにポケモンバトルはトレーナーとしての力量を測るのには打ってつけかもしれない。だけど、トレーナーにとってはそれが全てではないんだよ。」
ククイ博士の言葉に全員が首を傾げました。ポケモンバトル=トレーナーの実力と言うのは多くのトレーナーが心の中で自然と結び付けるものでしょうから仕方がありません。実際、私もそれが一番の最適なのかもしれないと思い始めてしまっているのも事実ですから。
「バーネット、あれをこっちに持ってきてくれ。」
「了解、ククイ君。」
ククイ博士の言葉に反応しバーネット博士と同じ空間研究所で働いている研究者たちがモンスターボールのいっぱい詰まった段ボール箱を持ってきました。どうやらカンタイシティという事もあってか、バーネット博士たちがククイ博士のアシスタントを行っているようです。
「このモンスターボールにはそれぞれ様々なポケモンたちが入っている。だがモンスターボールから出してみるまでなんのポケモンが入っているかは分からない。キミたちにはこの数日間、自分の選んだモンスターボールから出たポケモンと過ごしてもらう。当然だが、モンスターボールを開けてからのポケモンの入れ替えは基本禁止だ。」
ククイ博士がそう言い切ると、皆さんそれぞれ待ちきれないのか一斉に動き出しモンスターボールを段ボール箱から取り出し始めました。
ククイ博士の言った通り、モンスターボールから出てきたポケモンさんたちは様々でした。アローラの姿をしたコラッタさんやニャースさんを始め、見かけることの多いポケモンさんから珍しいポケモンさんまで、多種多様と言った感じでした。
「んじゃ、俺はこれにするかな。」
「それじゃあおれはこれー」
そう言ってヨウさんとハウさんもモンスターボールを手に取り、空に向かって投げました。すると、ヨウさんのモンスターボールからはピチューさんが、ハウさんのモンスターボールからはイワンコさんが登場しました。
「へぇ、ピチューか。俺はヨウ、これから少しの間よろしくな。」
『ピチュ!?ピチュピチュ』
ヨウさんは辺りを不思議そうにキョロキョロと見渡しているピチューさんに自己紹介をしました。ですがピチューさんはヨウさんの声に驚いたのか、すぐに距離を置いて物陰に隠れてしまいました。
「あ、あれ?」
「ピチューとその進化形のピカチュウは人見知りなことで有名だからな。仲良くなるまで時間かかるかもしれないよ。」
ククイ博士がヨウさんに近づきピチューさんの説明をしました。これは間違いなくトレーナーとしての力量が試される、というやつですね。
「そうか。だったら仲良くなって見せますよ!」
そう言ってヨウさんはギュッと拳を握り締めました。ポケモントレーナーとしての闘志に火が付いたのでしょうか。
一方、ハウさんの方はというと……
「イワンコかー、おれはハウ!よろしくねー!」
『……ワンッ』
ハウさんがヨウさんの様に自己紹介をすると、イワンコさんは小さく吠えてソッポを向きました。『どうしたのー?』と問いかけながらハウさんが手を差し出すと、イワンコさんはハウさんの手にガブッと噛み付きました。
「っ!?いったー!」
「ははは、このイワンコは気性が荒くてね。あまり人に懐かないんだよ。だけどそう言ったポケモンと触れ合うこともトレーナーとして必要な経験だよ。」
「へへへ、寧ろその方がおれとしてもやりがいがあるよー。」
ハウさんはイワンコさんに噛み付かれ涙目になりながらもそう意気込みを口にしました。
「リーリエもそろそろポケモンを選んだらどうだ?」
「あっ、そうですね。そうします。」
他のトレーナーの様子を見ているばかりで肝心の自分のポケモンさんを選ぶことを忘れていました。私もポケモンさんを選ぶために段ボール箱の前まで歩み寄りました。
『リーリエはどのポケモンを選ぶロ?』
「そうですねー。」
とは言えモンスターボールの中にはどんなポケモンさんが入っているかは開けてみるまで分かりません。ここは一つ、目を瞑ってっ!
「……えいっ!」
目を開けていては選ぶのに悩んでしまうと感じた私は目を瞑り文字通りランダムにモンスターボールを選択し、中から出てきたのは……。
『ボーダァ!!』
「……え?」
私は思わず絶句してしまい言葉を失ってしまいました。中から出てきたのは背中に生えた大きな赤く煌めく翼、太く立派な四肢、4本の牙、そして獲物を見るような鋭い目つき。紛れもなくそのポケモンさんは……。
「ほぉ、まさかボーマンダを引き当てるとは思わなかったよ。」
そう、そのポケモンさんはボーマンダさんでした。空を飛びたいと願い続けたタツベイさんが最後の進化を遂げ、願いの叶った姿です。
ですがそのボーマンダさんは私ですら知っているほど扱いの難しいポケモンさんです。ボーマンダさんは本来人前に姿を現すことはないそうですが、自分の縄張りに侵入した者には容赦なく攻撃を仕掛ける程の気性の荒さを持っていると聞いたことがあります。
その上ドラゴンタイプであることもあり使いこなすのは至難の業だそうです。
「えっと、私はリーリエです。よろしくお願いします、ボーマンダさん。」
『……ボォダァ!』
「ひゃっ!?」
ボーマンダさんは歩み寄る私に容赦なくかえんほうしゃを放ってきました。私は間一髪避けることに成功しましたが、その威力がかなりのものだというのはかえんほうしゃが直撃した砂場が物語っています。
ハウさんのパートナーとなったイワンコさんは最大限の警戒態勢に入り、ヨウさんのピチューさんはさっき以上の恐怖で怯えて震えています。
『……ボォ』
ボーマンダさんは興味がなさそうにソッポを向き、その場に蹲り眼を瞑り眠ってしまいました。しかし皆さんが怯える中、私はそのボーマンダさんの表情がどこか悲しげに見えてしまいました。
「ボーマンダさん……」
「原則ではポケモンの入れ替えは出来ないが、流石にボーマンダは手に余ってしまうだろうな。今回は特別に変えてもいいが、どうする?リーリエ。」
「……いえ、このままでいいです。」
「本当にいいのかい?」
「はい、もちろんです。」
私はククイ博士の言葉に肯定の言葉で答えました。
「全く、本当に君たちは似てるよ。」
「えっ?」
「いや、なんでもない。ただしやると決めたからにはしっかりと頼むよ?」
「はい!」
気難しい性格のボーマンダさんと仲良くなるのは難しいでしょうが、先ほどのボーマンダさんを見ると何か事情があるように思えてなりません。寧ろ、よりあなたの事を知りたくなってきました。
「これもポケモントレーナーとしての性、ですかね?シンジさん。」
「……?シンジ、さん?」
そう呟いた金髪で髪が肩よりも長く、ブレザー服、と言うのでしょうか?それを着た少々釣り目の女の子が私に歩み寄ってきました。
「あなた、私のシンジ様に馴れ馴れしすぎではなくて?」
「えっ?あの、あなたは?」
その女性は長い髪を右手で掻き流し再びこちらを向き自分の名を口にしました。
「私の名前はナタリア。そしてこの子が私に選ばれた美しきパートナー!」
『ミロォ!』
ナタリアさんと名乗った彼女は手に持ったモンスターボールを投げました。すると中からは現れたのは世界で最も美しいと呼ばれているポケモンさん、ミロカロスさんでした。私も本物は初めて見ましたが、ミロカロスさんの潤った鱗が太陽の光で反射され、よりミロカロスさんを美しく見せていました。
「どう?私にぴったりのパートナーだと思わない?」
「あっ、えっ……」
確かにミロカロスさんは美しく、ナタリアさんもスタイルが良く髪の手入れも行き届いているためお似合いには思えます。とは言え私としては初対面であるため言葉に戸惑ってしまいました。
それより私には少し気になったことがあったので、そのことをナタリアさんに尋ねてみました。
「えっと、先ほどのシンジ“様”と言うのは……」
「もちろん、アローラ初代チャンピオンのシンジ様に決まってるじゃない。ポケモンの魅力を最大限引き出し、勇ましくも美しく勝利を飾る姿。私はシンジ様のバトルに感銘を受けたの!」
ナタリアさんはシンジさんの事をそう熱く語りました。まあ私もシンジさんのバトルには無駄がなく素晴らしいものだとは思っていますが、ここまで熱く語られると反応に困ります。
「そう、私の夢はいずれシンジ様の隣に立ち、2人でタッグバトルの頂点を極めること!その第一歩を刻むために私はこのキャンプに参加したのよ!」
「は、はぁ……」
「……ところであなた」
「な、なんでしょう?」
戸惑っている私にナタリアさんは横目でチラリと凝視しながらズイズイと寄ってきて口を開きました。
「さっきも言ったけど、少しシンジ様に対する呼び方が馴れ馴れしすぎるのではなくて?」
「えっ?そ、そうでしょうか?」
「まるで彼女にでもなった気分じゃなかったかしら?」
「えっ!?」
全くそんなつもりではなかったんですけど、第三者からはそう見られていたんでしょうか。
「……まぁそんなわけないわよね。だってシンジ様が貴女なんかに引かれるわけないでしょうし。」
「っ!?それはどういう意味ですか?」
「だってそうでしょう?第一、あなたのパートナーになったボーマンダ、言うこと聞かないみたいだし、トレーナーとしてまだまだってことの証明よ。」
「まだ出会ったばかりなので仕方のないことですよ。まだ時間はあります。その中でお互いに分かりあって近づけばいいんです。」
「へぇ~、言うじゃないの。ま、私の敵ではないけどね。」
なんだかナタリアさんの言い方にムッと来た私は気付けばそう反論していました。この人には絶対に負けられない、そんな感情が私の中にどんどん溢れてきたんです。
「リーリエなんかこわいよー」
「いいねぇ、まるでニトロチャージの様に燃え上がってきたねぇ~」
「い、いいんですか?これ……」
目と目で火花をバチバチと鳴らす私たちの間にククイ博士が割って入ってきてこう口を開きました。
「その熱い思いはこの課題の最終日にぶつけ合ったらどうだ?」
『最終日に?』
「ああ、最終日にはキミたちにどれだけパートナーの事を理解できたかを知るためにポケモンバトルをしてもらう。どうだい?」
「いいわね、その時に私の実力差を見せつけてあげるわ。」
「私は絶対に負けませんから。絶対に勝って見せます!」
そうして私はこのキャンプに参加しているナタリアさんと約束を交わし、ライバルとして競い合う事となりました。ですがそれ以上に、この人に負けられないと感じました。
トレーナーとして、と言うよりもこの気持ちは女としてなのかもしれません。必ずボーマンダさんと和解して勝利してみせます!
今回出たオリキャラは恐らく今回だけです。キャンプを盛り上げるためのライバルキャラを仕立て上げたかっただけですので。
そしてまさかのボーマンダ様!みんなのトラウマでもあるメガシンカはしないのでご安心を。
にしてもダブルバトル結構楽しいですね。ダブルバトル用に色々作ってみましたが、スパボ級から負けが込んできたのでシングルバトルで使っている一部のブイズを組み込んでみました。割とそっちの方がやりやすかったりしたのであまり手の込んだ構成にしない方がいいかも。
因みに現在のダブルバトル戦績は21勝10敗です。20戦までは17勝3敗と調子よかったんですけどね……。個人的にダブルバトルでは弱保リーフィアがオススメです。後はランクマでつばめがえし、はたきおとすが解禁されれば言う事なしなんですけど。
今やってるアンケートの結果は次回発表いたします。