ハリー・ポッター 新月の王と日蝕の姫   作:???

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お久しぶりです皆々様。鍬形丸です。
今までのリメイクはプロットをかいていませんでしたが今回は違います。ちゃんとプロットを書いているのでエタらないように頑張っていきますのでよろしくお願いいたします。

第1話 太陽と月の出会い


賢者の石-philsopher’s stone-
第1話 Sol et luna concurrentibus


 私リーゼロッテ・シンクレアは今年度からホグワーツ魔法魔術学校に同い年の妹と入学する。その為にお父様と妹と三人で必要な学用品を揃える為ダイアゴン横丁に来ていた。来ていたのだが気付けば妹と共にお父様とはぐれていた。なぜこうなったのかと、狼狽える妹を睨みながら心なしか頭痛のしてきた頭を押さえため息をつく。

 

 事の始まりは妹のセラフィーナがふらふらとどこかに行きそうになるのを止めた時だろう。この時は軽くたしなめれば済んでお父様とはぐれずに済んだのだが、セラは端的に言って馬鹿というかなんというか抜けているところがあって、大した時間も空けずに再びふらふらと離れだした。

 しかも今度は先程よりも遠くに。時期が時期だから仕方ないのだがごった返す人波を搔き分け何とかセラの手を掴むまではよかったのだが体勢を崩していたため人波に流され、気付けば何やら全く見覚えのない場所に流され今に至るという訳だ。

 初犯のときはセラの気持ちを理解できなくは無かった自分で言うのも気恥ずかしいが私たち姉妹は箱入りと形容しても間違っていないだろうという位には溺愛されていたと思う。だからあまり外出することはなかったから今回のことで心躍っていたのは私もおなじだったから。

 

「ご、ごめんねお姉ちゃん」

「あら?べ つ に 怒ってなんかないわよ」

「ひぃっ、ご、ごめんなさいって」

 

 確かにわざと怒っていると思われるように言ったのは事実だがそんなにも怯えられると苛立ってくるが実際には言うほど不機嫌には成っていないつもりだ。痛い目を見ればしばらくは大人しくしているだろうと思っていたのだが、如何やら思っていた以上に私は怖いらしくセラが涙目で許しを請うように見つめてきたのは結構ショックだった。だから少しでも役に立とうとあんな事をしたのか。

 

「ねぇ、私たちあっちの方から流されて来たよね?」

「そうね」

「だったらきっとお父さんも探してくれているからさっきの場所まで戻れなくても大丈夫だよ」

「何を言っているのかしら?このお馬鹿さんは」

「お姉ちゃんだって早くお父さんに会いたいでしょ?」

「それはそうだけれど」

「じゃあ早速行こう」

 

 この時の最大のミスはセラの案に乗った事では無く、気が乗らなかったからといってセラに先導させたことだろう。もし過去に戻れるならばセラの頬を張ってでも止めるかせめて私が先頭を歩いただろう。というか三度目を味わされることになるとは思いにもよらなかった。

 

「本当にこの馬鹿はどうしてくれようかしら」

「ひぃっ、怖い。ごめんなさいってば」

「あら?何ですって?聞こえないわね。たいした時間も空けずに同じミスを繰り返す馬鹿の言葉なんて」

 

 セラが止まった場所は全く見覚えのない通りでどう贔屓目に見てもダイアゴン横丁とは雰囲気がまるで違った。全体的に薄暗く怪しい店が並んでいた。一目見るだけでわかる。とんでもなくヤバイところに迷い込んでしまった。いくつか並んでいる露店の店主はみなローブを深く被りその上で顔を布で覆い隠している。どう見ても闇の住民で、私たちを無機物でも見るかのような目でじっと観察してくる。

 

 このまま立ち止まっていても好転しないと来た方向に振り替えると、遠目から強面でがっしりとした身体つきの集団が向かってくるのが見えた。それだけでなら逃げだすような事では無いのだがその集団が丁度子どもが、一人か二人ほど入りそうな程大きな袋を肩にかけているのだ。人攫い。直感的にそう感じたがおそらく間違っていないだろうと思う。

 セラもようやく事態の深刻さを理解したのか私を見つめ、そして頷く。セラの手を取り踵を返し奥に向かって速足で歩いていく。すると後ろからも足音が聞こえてくるが恐ろしくて振り返れない。奥に進めば進むほど通りが入り組んでいき初見では迷子必須だろう。

 そうしてどれ程彷徨っただろうか、かなり歩いた気もするが実際は大したことないのかもしれない。疲れてきた足を鼓舞し目の前の角を曲がろうとしたら人にぶつかった。そのせいで距離をロスしてしまったがせめて謝ってから立ち去ろうとその人の顔を見上げ顔を見たら絶句してしまった。

 

「ごめんなさい、急いでい……」

 

 頭痛を伴う程に凄まじい既知感を覚えたから。だがおそらくあった事なんてないだろうというには理解できた。だってそうでしょう?銀髪蒼眼なんて特徴的過ぎる容姿のそれも同い年位の子供だったのだから。あったら絶対に忘れないだろう。

 

「あっ、ごめんなさい。ちょっとぼうっとしてしまって」

 

 そのまま通り抜けようとする子を尻目に一筋の光明が差し込む。

 

「待って、少しいいかしら」

「……何?」

「実は私たちは迷子なのだけれど此処に居るということは貴女も迷子なのかしら?」

「……違う」

 

 こんなところに居て迷子では無いというのなら絶対に近くに保護者役の大人がいるだろう。まさかこんなとことに子どもひとりで行かせたりはするまい。ならば一緒にダイアゴン横丁まで連れて行ってもらえば安全だ。

 

「よかった、ならこの近くに貴女のお父様かお母様がいらっしゃるのね。一緒について行ってもいいかしら?」

「……違う」

「え?違うってどういう事なの」

 

 違うとはどういう意味だろうか。ひょっとして質問を額縁通りにしか受け取っていないのだろうか。

 

「……1人」

 

 どの返答を聞いて視界が歪みそうになった。現状を打破できるかもしれなかった唯一の命綱は被害者増加でしかないようだ。しかもどうしようかと頭を悩ませていると、通りを見ていたセラが切羽詰まった表情で口を開く。

 

「まずいよお姉ちゃん。あの人たちがっ」

「やあ、どうしたんだい?お嬢ちゃんたち。そんなに急いで」

 

 通りからそんな声と共に先ほど見た男たちがが話しかけてくる。それも怖気がはしる位に下手な猫撫で声で。思わず一歩下がると一歩詰めてくる。

 

「おや?ひょっとして迷子かい?」

「そりゃいけねぇや案内しよう」

「但しパパやママの所じゃねぇけどなぁ!」

「ギャハハハハハ!」

 

先程とは打って変わって威圧するようにどんどん詰めてくる。と、ここであの子が自然体で一歩前に出る。ふと気付くといつに間に抜いたのかその右手には短い捻じ曲がった杖が握られていた。

 

「おっと、お嬢ちゃん?その杖でどうするんだい?」

「戦う気かな。怖い怖い」

「お前らあまり傷は付けるなよ。値が下がるからな」

 

それを目にしても男たちは態度を変えないばかりか、むしろ馬鹿にする様な口調で笑い始める。が、それは唐突に止むことになった。私の目には一度すら見切れなかったが、魔法の閃光だけは4つ正確に煌めくのを捉えた。何の呪文かはわからないが男たちは、まるで糸が切れた操り人形のように倒れた。

一瞬のうちに仲間を失ったリーダー格の男に向かって、あの子は歩み寄り男の眼球スレスレの距離で杖を突き付ける。

 

「……去るか死ぬか、二つに一つ」

 

 雰囲気を変えることも無くあくまもで淡々と最後通牒を突き付けられた男は、猫撫で声より下手な媚びるような笑顔を張り付け派手に転びながら仲間を放置し背を向けて逃げ去って行った。

 前言撤回。やはりこの子は現状を打破できる私たちにとっての命綱だったようだ。先程の謝罪もかねてお礼を言おうと目の前まで出て来て、改めて恩人の顔を見つめる。髪は夜の月を思わせる銀色で陽の光を受けキラキラと輝き腰程まで伸ばされ、瞳は宝石のサファイアの様な紺碧だった。また顔立ちはとても整っているがいっそ奇妙に感じるくらいに中性的な容姿でこれほど近くで見ても女の子か男の子か判断がつかない。名前は随分と物々しいが、長い髪や綺麗な顔垂らしておそらく女の子ではないのだろうか。

 

「危ないところを助けてくれてありがとう。助かったわ」

「……必要ない」

「えっ、そ、それは助けたのは偶然だから気にする必要は無いとかそんなところかしら?」

「……そう。正解」

「ところで貴女は名前は何というのかしら?私はリーゼロッテ・シンクレアよ」

「私はセラフィーナ・シンクレアだよ。よろしくね」

 

 私たちが名乗るとこれまで一切変わることのなかった表情が僅かに揺れた気がした。

 

「……シンクレア。名はレクス。レクス・ヴァルトフォーゲン」

 

 今度は私たち、というよりセラは確実に気が付いていないから私だけだが、表情は驚愕で歪む。これは考えてみればすごい確率なのではないだろうか。数ある魔法族の中でも出会ったのが私たちシンクレアとあのヴァルトフォーゲンとは。両家共に古代魔法界の王家の直系血族でしかも、シンクレア(勝った側)ヴァルトフォーゲン(負けた側)である。古代魔法史における両家当主による決闘、俗に言う月蝕は魔法族なら誰だって知っていてしかるべき出来事だろう。

 

「それってあの?」

「……お互い様」

「え?何?なんでもう二人とも仲良くなってるの?」

「ああ、そうだわ。先程も言ったけど私たち迷子なの。だからダイアゴン横丁まで連れて行ってもらえないかしら」

「……構わない」

 

迷いそうになる迷路のように入り組んだ通りをめちゃくちゃに走ってきたから道を覚える暇が無かったので誘導に従うが、レクスが居なければあのまま人攫いに攫われていたことだろう。そう考えると今になって怖くなってくる。セラも同じだったのか自然と手が重なる。

 やがて通りが光も通らないほど憂鬱とした暗いノクターン横丁から、人通りの多く温かい印象を受けるダイアゴン横丁までたどり着くことが出来た。先ほどまでは鬱陶しいと思っていた人混みだが、今はとても心が安らぐ。

 ふと視界を向けると立ち去るのレクスを見つけ慌てて呼び止めるが足を止めないので塞がっていない方の手でレクスの手を掴む。新雪の様な白い手に反比例して驚くほど固い手や、私たち2人の重量を物ともせず牽引出来るほどの力強さには驚かされたが、離さずに居ると振り返って私の顔を見つめる。

 

「……何?」

「先程も言ったのだけれど私たちは貴女に感謝しているの」

「……だから、気にする必要は無い」

「ええ、聞いたわ。でも此処まで助けて貰っておいて、ハイじゃあさよならなんて出来ないわ」

「……はぁ」

 

 さてどうやってお父様の処まで連れて行こうかしら。などと、考えていると人混みの中から私たちの名前を呼び掛ける声が聞こえた。

 

「リーゼ!セラ!良かった無事だったんだね」

 

 人混みを搔き分けて来たのはお父様だった。俳優顔負けの顔に珠の様な汗を浮かべ髪は張り付いていた。見れば息も切れていてよほど心配だったのだろうと思うと心が痛んでくる。おそらくそのままの勢いで抱き締めるつもりだったのだろうがレクスの姿を見て困惑したように急停止する。

 

「あれ?これはどういった状況なのかな?」

「この子は恩人ですお父様」

「うん?恩人だって?逸れた時に一体何があったんだい?」

「実はノクターン横丁に迷い込んでしまった時に人攫いに攫われそうになってしまいまして、その時彼女(・・)に危機一髪といった所で助けて貰ったのです」

「なんだって!?そうだったのか……」

 

全てを話すには時間が足りないのでかい摘んで説明をする。こう話せばお父様がどう動くかなんてセラですら分かる事だ。レクスの顔を見て少し考え込んだかと思ったらしきりに頷きレクスの空いている左手を両手で掴んでぶんぶんと振り回す。

 

「いやぁ君は娘たちの恩人、いや僕の恩人だよ!本当にありがとう!」

「それでお父様、お礼をしたいのですけど」

「……無用。本当に、必要無い」

「ははは、そう言う訳にはいかないよ。というか君カイルの息子だろう?」

「……遺伝子上は」

「うん、あれだ。君はジョークがあまり得意じゃないみたいだね。実を言うと、さっきカイルと会った時にもし見つけたら君を捕まえておくように言われているんだ。だから大人しく諦めてお礼を受けるといいよ」

「……はぁ。……分かった」

 

 お父様のこういった時の押しの強さやフレンドリーさは尋常では無い。案の定弁の立つ方では無いレクスは勢いに押され逃げ道を塞がれ不承不承に了承する。というか今物凄い気になる発言をしていなかったでしょうかお父様。私の聞き間違いでしょうか。

 

「よし。じゃあそろそろお昼の時間だし漏れ鍋にでも行こうか。っと、その前に自己紹介を忘れていたよ。僕の名前はレクター・シンクレアというんだ。君は?ヴァルトフォーゲン君」

「……レクス。あと家名は嫌いだ」

 

 

 

 

 

 レクスはフリード(兄を名乗るだけの馬鹿)カイル(遺伝子上の父)ダイアゴン横丁に来ていたのだが人混みと隣でひたすら騒ぎ続けるフリード(兄を名乗るだけの馬鹿)に嫌気がさし、ヴァルトフォーゲンの城に似た表面上は静寂を保つノクターン横丁を歩いていた。そのノクターン横丁で出会ったリーゼロッテとセラフィーナという二人のシンクレアに出会った。これをヴェルヘイム(知識しか価値の無い塵)に伝えれば、いつもの発作で狂笑を浮かべ殺してヴァルトフォーゲンの威光を取り戻せとでもいうに違いない。二人を追っていた男たちが鬱陶しく四人を呪い精神を崩壊させ中央の男を脅し、二人をダイアゴン横丁に連れて行った。

 困ったのはその後で執拗につきまとい礼をさせろと迫ってきた。感謝されるき立場のボクが礼を迫られるとはどういった事だろうか。感謝されるなんてここ数年なかったため振り払いはしなかったが今思えばここで振り払い立ち去るべきだった。何故ならその後更に強く迫ってくる男が現れたのだから。結局押しに負けて礼を受ける事になってしまった。アレの性格上ただの友人に頼むとは考えずらいのでこのレクターとやらはそれなりに親しいのだろう。

 レクター主導で漏れ鍋に向かうことになったのだが運の無いことに丁度その時反対からフリード(兄を名乗るだけの馬鹿)カイル(遺伝子上の父)がこちらに向かってくるのが見えた。何が楽しいのかニコニコしているフリード(兄を名乗るだけの馬鹿)を見ていると憎たらしいとすら思う。

 

「おお!どこに行ってたんだレクス!」

「……関係無い」

「そんなことないぜ。でも何事も無くてよかった。なぁ父さん」

「……ああ、そうだな」

 

 これ以上話していると思わず杖を抜きたくなるのでこれらを無視して漏れ鍋の方向に歩いて行くと今度はレクターが口を開く。 

 

「ははは、ついさっきまではお礼を頑なに拒んでいたのにお腹でも空いたのかい?」

「お礼だと?レクター、一体何があったんだ?」

「いやぁ娘たちが迷子になった時にノクターン横丁の方まで行ってしまったらしくてね、そこでトラブルに巻き込まれた所を助けられたんだよ」

「へぇ!流石は俺の弟だな、ん?というかことはノクターン横丁に行ったのかよ。良いな」

「フリード、お前にはまだ早い」

「えぇ、でも父さんレクスは行ったじゃないか」

「あぁ……、それは、……レクスならば既に自衛を可能とするからな」

「……お前とは違う」

 

そうだ。ボクはお前とは違う。自分の立っている場所の裏で何が起きているか、それすらも知らない平和ボケしたお前とは。

 

「うぅむ。たしかにレクスの魔法は凄いからな」

「こんな所で立ち話もなんだし漏れ鍋で話さないかい?」

「レクターよ、流石に奢るなどと言いださんよな」

「おや?よく理解しているじゃないか。その通りさ。じゃ漏れ鍋に行くとしよう」

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