私は担いでいる魔剣をガチャンと鳴らしてダクネスさんに見せると、ダクネスさんは驚きの表情になった。
「そ、その剣は……………」
「御剣御夜が持っていた魔剣グラムです。カズマ君が売った所を私が買取ました」
「だ、大丈夫なのか?本人によると、キョウヤって人以外が使っても本来の力が発揮出来ないそうだが…………」
「大丈夫だ、問題ない。って言ってもこのネタは知らないか。えーと、私の場合は筋力ステータスが足りないのを重力操作で補っているからなんです」
「へぇ、そんな使い道があるんだな」
「でも、デメリットはありますよ?重力操作を行っている間は、ずっと魔力を消費し続けるし、魔力枯渇などでいきなり解除されてしまった場合は、重力が体に馴染んでしまって元に戻るのに時間がかかります」
「便利だと思っていた物にも、メリットデメリットは必ずあると言う訳か」
「まぁそういうことです。さっ、正門に着きましたよ。群がっている冒険者を蹴散らして進みますか?それとも重力操作で空から登場しますか?」
「………そういうところがゆにならしくていいと思うぞ。勿論、他の者には退いてもらって前にでるさ」
あぁ、正攻法を選びましたか。
それに、どうやら私達のパーティーが指名を受けた理由の声も聞こえてきますしね。
ほら、耳をすませば……………
「何も俺が頭にきているのは紅魔の爆裂娘の件だけではない!!貴様らに仲間を助けようと思う気持ちはないのか?これでもアンデットになる前は真っ当な騎士であった。俺から言わせれば、仲間をかばって呪いを受けたあの騎士の中の騎士のクルセイダーの方が……………」
冒険者をかき分けて前に出てみると、丁度ダクネスさんについて演説していた鎧さんがいました。
そっか、鎧さんはダクネスさんの呪いがアクア様によって解呪されたことを知らなかったんだね。
だからこうして、一週間経ってもこないカズマ君とめぐみんを りに来たんだ。
でも、ダクネスさんご本人の登場で、鎧さんはフリーズ。
ダクネスさんは鎧さんに騎士の中の騎士と褒められて、顔を赤くしておずおずと挨拶をいう。
「………や、やぁ」
「鎧さんこんにちは!ゆになちゃんだよ!?」
ついでに私もこんにちはの挨拶。
鎧さんは私を見て、ダクネスさんを見つめると……………。
「……………………あ、あぅれぇぇ!!!???」
驚愕した声で叫んだ。
ヤバい。
この声超笑けるんで辞めてもらってもいいですか?
って言っても「できるわけあるか~~!?」って言われるだけだよね。