アンデットナイトをカズマ君に任せて、街の外に出た私とめぐみん。
めぐみんは街の外に出ると、爆裂魔法の演唱を唱え始めました。
めぐみんがこんな大事な時に、誰構わず撃つようなバカじゃない。
……………………よね?
私はカズマ君の指示通り、鎧さんの相手を開始します。
「ゆになちゃん、参上!!」
「フン、参上とはなんだ!?アンデットナイトはどうした?もう片付けたのか?それとも、お前だけ逃げ出して来たのか?」
「適材適所ってやつですよ。カズマ君等がアンデットナイト、私が鎧さん。いい判断だと思いませんか?」
それに私、思いついたんですよ。
一撃技(セイクリッド・ターンアンデット)が効かないボス敵の倒し方。
少しずつ弱らせて行けば、いずれは効くんじゃないかって。
だから私は鎧さんの相手をして、弱らせる作戦にしました。
引き際?
カズマ君に任せるよ。
「いい判断も何も、貴様だと俺に大したダメージを与えれる訳がない。俺と剣を交えれる程の剣術は認めよう。だが、それだけだ。何も状況は変わらん」
「そーですね。今のままだっらね『エンチャント魔法;水属性と聖属性魔法を魔剣グラムにエンチャント!』聖水剣ホリーオーエンチャントソード」
創作魔法で創ったエンチャント魔法を使い、魔剣グラムに聖魔法と水魔法をエンチャントする。
魔改造された魔剣グラムは聖水剣ホリーオーエンチャントソードに生まれ変わった。
大きかったその姿は小さく生まれ変わり、私が片手で楽々と動かせるようになった。
肝心の刃は実態はなく、光り輝く水がウォータカッターの様に柄の先にから勢い良く噴き出している。
操作方法は簡単、私が魔力を剣に通すと伸びたり縮んだりして、斬撃も飛ばせる使用。
これで一段階どろこか、一気に最終段階まで強化した気分。
「……………………」
「おーい!?」
「……………………」
「おーい鎧さんさ~ん?」
ダメだ、私の渾身の魔法を見て、放心状態ですね。
無論、そんな隙を私は呆然と見逃すはずありません。
本当の悪役ってのは、ヒーローの変身を待たないもんなんだよ!!
「一刀両断、…ってやっ!!」
「…うぉ!!!」
言葉の通り、剣を上段に構え大きく振りかぶって、聖水斬撃を飛ばす。
イメージとしては、ワンピースの頂上戦争でミホークが初手に使った奴だね。
放心状態であった鎧さんも、流石に命の危機を感じ取ったのか、寸前の所で回避。
ちっ、惜しい!!
「ふっふっふ、ど、如何やらパワーアップをしたみたいだな。だがこれでやっと俺にダメージを入れれるようになった訳か…………。面白い、俺も本気を出してやる」
鎧さんは威勢良く、そうおっしゃっているけど、足がガタガタと震えてますよ?
魔剣グラム、魔改造ナウ。