流石に魔力枯渇中で地面に倒れているめぐみんに、一方的に攻撃を与えるような人でなしではない私ことゆになちゃんは、言葉攻めだけで許してあげます。
そうこうしてい内に、カズマ君がやって来ました。
「…おんぶはいるか?」
「はい、宜しくお願い致します」
めぐみんの返事を聞くと、カズマ君はめぐみんを背中に乗せた。
こうして見ると、めぐみんが黒髪なこともあって、二人が兄妹に見えなくもない。
勿論、めぐみんがカズマ君の妹の位置付けで………。
外見的には通じるね!
二人を見てそう思っていると、アクア様がやって来られた。
如何やら、爆裂魔法の余波を受けて、地面に顔からダイブされたみたいで、口の中に入ったらしい砂を吐き出している。
そんなアクア様に差しがましいことだが、『クリエイトウオーター』を使って水を提供させて貰う。
「アクア様、こちらで口を漱いで下さい。吐き出した水は元凶であるめぐみんの顔に向かってどうぞ」
「どうぞ、じゃないです!!大体、私が爆裂魔法を撃つ羽目になったのは、アンデットナイトを召喚した魔王軍幹部の方なのですから、そっちに吐いてください。アクアもゆになの言葉を真に受けてはダメですよ」
「そんなに心配しなくても、そんなことしないじゃない。……でも、どうしてゆになとめぐみんはこんなにも仲が悪いのかしら?」
「ほら、こう言うだろ?『喧嘩する程仲が良い』って」
「めぐみんが丁度いいネタになるからだよ!」
「ゆになが煽ってくるからです!!」
カズマ君の日本のことわざのの例えに、私とめぐみんがそれぞれ答える。
私が煽ってくるからって、めぐみんの方から煽ってくることもあるよね??
…………………基本的に私の方が多いけど。
私たちがこうして、いつもの会話を繰り広げていると、言葉を取り戻した冒険者さん等がめぐみんを称える。
「うおおおぉぉぉ!!やるじゃねぇか頭の可笑しい子!!」
「頭の可笑しい子がやりやがったぞ!!?」
「頭と名前が可笑しいだけであって、やる時はやるじゃないか頭の可笑しい子!」
「こうやっておんぶされてなかったら、最後まで決めれたのにね~?あ・た・ま・の・お・か・し・い・し・い・子・共・さ・ん・?」
そんな冒険者の声を聞いためぐみんが、カズマ君の背中でもぞもぞと動いて言った。
「すみません。ちょっとそこの冒険者に爆裂魔法を打ち込みたいので、近くまで連れていってください。ついでにゆになを拘束してくれると助かります」
あ、最後のは私の言葉ね。
わざわざ、めぐみんの耳元でささやいてやりました。
これだからめぐみんで遊ぶのは辞めれない。
今回も全然進んでないなぁ。これだと、八月中に終わらない!!