この素晴らしい駄目神様にお祈りを!   作:与麻奴良 カクヤ

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207 帰り道

 

 背負うめぐみんと歩くゆになが口喧嘩を始めてしまい、言いたいことが言えないカズマ。

 

 そんなカズマの心知らずなめぐみんは無茶苦茶な要求を出す。

 

 

「急いで魔石を買って下さい!そして私の魔力を回復させるのです!」

 

「回復させてどうするつもりだ?!」

 

「決まっています。あの馬鹿を我が最強の爆裂魔法で吹き飛ばすのです!!」

 

「っはん!私の禁術でその様なネタ魔法など抑えてみせるわーい!!」

 

「却下だ、却下!!そんな金あるか!!?ゆになもいい加減にしろ!!」

 

 

 如何やらめぐみんはゆになの煽りに切れ気味みたいだ。

 

 カズマも当然そんな金が無いと却下する。

 

 ついでにゆになも一緒に怒っておく。

 

 しかし、いいチャンスが出来たとカズマは言いたかった事を言う。

 

 

「今後、爆裂魔法は緊急時以外禁止な。これからは他の魔法で頑張ってくれよな」

 

 

 一発で魔力枯渇を起こしてしまう魔法など使えない、他の魔法を使ってくれと言うカズマの要求にめぐみんは顔色を悪くして返事を返す。

 

 

「……………使えません」

 

「「はぁ?」」

 

 

 めぐみんの回答にカズマとゆになはハモってしまった。

 

 めぐみんは白状した。

 

 自分が爆裂魔法以外の魔法を覚えていないことを。

 

 途中で泣いていたアクアがようやく泣き止み、会話に参加してくるとアクアが宴会芸スキルとプリーストスキルを全習得したことを話す。

 

 それを聞いたゆになが「今度宴会芸スキルを見せて下さい!!」とアクアのご機嫌取りをすると言う事態が起こるも、めぐみんが爆裂魔法に対する愛を熱烈と語る。

 

 すると、アクアがめぐみんの爆裂魔法愛に同調する。

 

 それを見たカズマは決心してめぐみんに言った。

 

 これからも頑張れよ!と。

 

 しかし、めぐみんはこれを逃したらパーティーメンバーがいつまで経っても作れないと引き下がらない。

 

 そんなやり取りをゆになはボケーっと聞いていた。

 

 

(めぐみんは魔法が一つしか使えなのか~。通りで冒険話が聞かないわけだな~。あっ!そう言えば後でアクア様の宿泊先を聞かないと)

 

「仲間になるならゆになの方が断然使えるわ!!ゆになもめぐみんなんて要らないだろ!!?っていうか引き剝がすのを手伝ってくれぇー!!」

 

「え!?あぁ、アクア様は何処に泊まっているんですか?」

 

 

 急に話を振られたゆになはその時考えていたことを口に出した。

 

 ゆになに必然的に見捨てられたカズマは周りの目線もあり、なし崩し的にめぐみんも仲間に加えることになった。

 

 因みにアクアは、カズマに向けられる周囲の声を聞いてニヤニヤしていたため、ゆになの質問に答えなかった。

 


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