この素晴らしい駄目神様にお祈りを!   作:与麻奴良 カクヤ

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短時間でこんなに書いたの、初めてかも。執筆時間役四時間のクオリティーだ!


309 第二次鎧さん襲撃事件パート13

 

 第二ラウンド行きますか、と呟いた私は魔剣グラムにエンチャント進化をかけようとした。が、自分の追い詰めた技を易々と使わせる訳がないらしい。

 鎧さんは私が動くよりも早く、肉弾戦を仕掛けてくる。

 

 

「易々とさせるかっ!こっちから早速行くぞ!!」

 

「え!?ちょっと待ってくださいよ~」

 

 

 くぅ~!!幾ら高速演唱スキルがあるからと言っても、エンチャント進化は時間がかかってしまうんだよ!!

 ヒーローの変身シーンを悪役が待つのは当然じゃないの??え?私?私は悪役ではないから、その定説は当てはまらないのだ!!

 

 エンチャント進化なしで受けないといけないか!?と思ったら、ダクネスさんが鎧さんの攻撃を受け止めてくれた。

 

 

「だ、ダクネスさん!?」

 

「ふふ、盾役は任せろと言ったではないか。そ、それに……この威力はゾクゾクくりゅ~」

 

 

 あ、変体騎士様の方が出ちゃってますか。でも、私が防御魔法をかける前に壁になってくれたせいで、鎧さんの一撃を受けただけでダクネスさんの鎧の一部が欠けてしまった。

 あれの鎧って、キャベツ狩りの時の報酬で新調した奴だよね?ご愁傷様です。請求は鎧さんの命でご精算してくださいませ。

 

 と、ダクネスさんの鎧が壊れる前に私は、エンチャント進化の前にダクネスさんの鎧に『耐久力上昇』『防御力上昇』をかけておいた。

 

 

「ダクネスさん、ちょっと攻撃用の魔法に時間が必要なので、時間稼ぎをお願いします。防御力上昇系の魔法をかけておいたので、そう簡単にやられる心配はないと思いますが、気をつけてくださいね」

 

「あぁ、任せておけ!何ならゆになは後方支援でも良いのだぞ?」

 

「ごちゃごちゃと作戦会議は終わったのか?生憎気が立っているので、待っている余裕はないぞ!!」

 

「ふん、では私から行くとしよう!!」

 

 

 私に時間稼ぎを任されたダクネスさんは、鎧さんに向かって走る。鎧さんもそんなダクネスさんを迎え撃つ。しかし、ダクネスさんが両手で持つロングソードを見て、受け止めるのを嫌がったのか、鎧さんは身を低くして回避の体制に入った。

 その鎧さんに向かってダクネスさんが左上の段構えから斜め切下げの攻撃を繰り出して……………………。鎧さんをたたき切るこはなく、目の前の地面に刺さった。

 

 あ、外した。ってえぇ~!鎧さんほどんど動いて無かったじゃん。回避する姿勢は見せていたけど、高速移動している訳でもない相手に攻撃を当てれないって……………………。ダメじゃん。

 

 

「はぁ…………」

 

 

 外したダクネスさんに、鎧さんが気の向けた声を上げて呆然と見つめてしまう。それどころか、鎧さんと同じ目線で他の冒険者さん達もダクネスさんをみる。

 あれだけの大口を叩いた挙句、動いていない相手に攻撃を外してしまう様子に、私は少しだけ恥ずかしくなってしまう。

 

 なぁにが「任せてくれ、何なら後方支援でも大丈夫」だ!!攻撃が当たらないアタッカーを前に置いて後方支援っておもっくそ邪魔だよ?

 あれか?敵の注意を引き付けておくから私諸共……って奴か!?あり得る、アリエルぞ!!あの変体騎士様なら!!

 

 私がダクネスさんの考えに驚愕していると、ダクネスさんは慣れているのか、一歩前に踏み出して大剣を横に水平切りを繰り出した。

 今度は確実に当たる攻撃だったみたいで、鎧さんはひょいと身を屈めて回避。そして大げさに剣を一閃。これで止めを刺したと言う自信があったのだろう。鎧さんはつまらない者を見たとばかりに言う。

 

 

「何という期待外れ。………さて、次の相手はケイキだった……、なっ!」

 

 

 ダクネスさんを排除した次は私だと目線を向けて、耳鳴りな音を立てて崩れ落ちたダクネスさんの鎧に目を開いた。鎧は無惨にも切られていたが、ダクネスさんは全くの無傷。

 ダクネスさんは一旦後ろに下がると、切り裂かれた鎧に悲鳴を上げた。

 

 

「あぁ!!私の新調したばかりの鎧がぁ!!」

 

「だ、ダクネスさんドンマイです。……ってか、すみません。私のかけた防御系魔法よりも鎧さんの攻撃力の方が上だったみたいで。もっと強力な物をかければ良かったですね」

 

「……………………いいや。ゆになが気にする事はないっ!」

 

 

 私は突然の事にエンチャント進化の魔法をかける暇もなく、ダクネスさんを慰めます。私の言葉にダクネスさんは私を一切責める事はなく、鎧さんをキッ!と睨みつけた。

 

 慰めながら確認したが、鎧は切られたもののダクネスさん本体は全くの無傷。一体どんなステ振りしているのでしょう?鎧よりも硬い肉体って……………………。

 

 私も驚いているがそれは鎧さんも同じならしく、

 

 

「な、なんだ貴様は!?俺の剣を受けて何故切れない?そこのケイキは別として……………………。この街は何なのだ!!頭の可笑しい爆裂娘に先ほどのアークプリーストといい…………」

 

 

 頭の中を整理するようにブツブツと呟ている。

 そこにめぐみんを誰かに任せたらしいいカズマ君が指示を出す。

 

 

「ダクネス!!お前ならそいつの攻撃に耐えれる!!攻撃はゆになに任せておけ、俺たちは援護をする!!ゆになは何をぼさっとしてるんだ。さっさと切り札を用意しろよな!」

 

「あ!ごめんなさ~い。前回の反省点を活かして更に強化させるつもりなのでちょっと集中しますね!」

 

「あぁ、任せたぞ。だが、出来れば私にも一太刀入れれる場面を作ってもらいたい。頼むぞ!」

 

 

 まぁ、最後の一撃ぐらいは出来るかなぁ?手足を切り落としてから突き出せば流石に外さない……………………はず。さっきの失敗を見た後だから心配だけど。

 

 そんな事を考えながら私はエンチャント進化に集中する。前のままでも鎧さんと戦えなくもないけど、今回の鎧さんは本気だ。念には念を入れてって言葉もあることだし、折角カズマ君やダクネスさん達が頑張ってくれるている。私ばかりが見せ場を奪ちゃったら嫉妬されそうだし。

 

 

 

 水属性エンチャントに聖魔法エンチャントは基本。ダブルで弱点を突く。

 今回は更に鋭さを増すエンチャントと攻撃力上昇、自動追撃、をかける。幾ら創作魔法があると言えど、魔法の構築には演唱の他にも知力が必要になっている。その為、天才であるめぐみんと違い、凡人である私の脳は多重エンチャントの処理にパンクしそうになるが、一個一個丁寧に結びあげるようにエンチャントを付属させていく。

 

 

 

 

 

 余りの精密作業に気を失ってしまいそうになるが、どうにかこらえてエンチャントを完成させていくこと数分。ようやく完成できた。この魔法構築式をコピーを取ると、私は体感時間で何時間ぶりに周囲の状況を確認した。

 

 

「『クリエイト・ウォータ』『クリエイト・ウオーター』」

 

「『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』」

 

「「「「「「「「『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』」」」」」」」」」

 

 

 体感時間で数時間ぶりに見渡した周囲の戦況は、水合戦の最中であった。何があった!!?と思いながらもよく見てみると、初級水魔法を魔法使いさん達が鎧さんに当てようと必死になって連発している。

 頭上から降ってくる幾つもの水を鎧さんは器用にも全て避けている。結構体力を使っていそうだなぁ。

 

 

「では、弱体化した鎧さんに目掛けて攻撃を再開したいと思いま~す!!」

 

「ック!こんな時にケイキが出てくるのか!!?おいお前ら時間稼ぎはもういいだろう?ほ、ほら俺とケイキの一騎打ちだぞ?」

 

「そんなの俺たちが知るか!!『クリエイトウオーター』」

 

「水に濡れたら弱体化するんでしょ!!だったらあの子の援護射撃を読めないわけにはいけないわ!!『クリエイトウオーター』」

 

「『クリエイトウオーター』おい嬢ちゃん!お前が希望だ!!!俺たちの魔力もそう長くは持たねぇ早めに頼むぞ!!」

 

 

 沢山の冒険者さん達に応援されながら私は、重力操作を用いて鎧さんに向かって突っ込んで行く。時間にして一秒。瞬間移動ともとれる速度で鎧さんの懐にたどり着く。

 エンチャント進化した『神水剣 ヒュードルテオスクシフォス』を納刀した状態で魔力を込めていく。そして、限界までチャージした魔力を解き放つ様にして、抜刀。と同時に神が創り上げた水状の斬撃が繰り出された。

 

 

「これで吹き飛べ~~~!!!」

 

「お、ぐおぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 

 

 私の攻撃を受けた鎧さんは、街を囲む壁に吹き飛んできいった。ズゴ~ンッ!!と音を立てて壁にひびが入る。

 

 やっべ!!吹き飛ばす方向考えてなかった~~!!

 魔王幹部との戦いだから不問だよね?不問にして欲しい。わざとじゃないもん。

 

 

「がはっ!結構効いたぞ。ハァ、ハァ、この俺をここまで追い詰めるとはな。だが魔王さまより贈られた鎧を完全破壊するまでは行かなかったようだな!」

 

「だったらもう一度!!」

 

 

 ピンピンとまではいかないが、それなりにダメージを与えたらしく、荒い息をしながら所々にヒビが入った鎧を自慢してくる鎧さん。私は何度でも挑戦あるのみ!!と三連技の突進突き攻撃を繰り出して鎧さんに向かって突進した。

 

 この時私は周りの状況が一切見えていなかった。援護射撃すると言った冒険者さん達の魔法が途切れていること、カズマ君と敬愛するアクア様が何やら話していたこと、神聖なる魔法が発動されたこと。

 だから私は気付かなかった。アクア様が放った魔法に。

 

 

「『セイクリッド・クリエイトウオーター』!!」

 

 

 私の突進系三連撃攻撃は鎧さんに当たる直前、頭上に現れた私の偽聖水とは全く違う、本物の神が起こした水の塊によって遮られた。

 

 




 もう前回のエンチャント進化の内容を忘れ過ぎて、殆ど変わってないかも。許してください。

 余談ですが、アクアがゆになの邪魔しなければこれで勝ったんじゃないかなぁ?って思う。でもほら、アクアとカズマの見せ場を作りたかったんです。後、サッカーも書きたかったのもある。次回ですが……………………。(今更次回予告言ってたの忘れてたとか言えない)

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