ゆになは「あらぬ誤解を受けるから」とカズマにめぐみんとアクアは大浴場に追いやられた二人を(アクア様)を追ってカズマと別行動しようとすると、又しても止められた。
「うぁ~ん!!アクア様置いておかないで下さい!」
「アクア~!俺はコイツと話しがあるから」
「ッぐふ!!またなの~!!」
「分かったわ。…変なことはしないでよ、ウチの可愛い子なんだからね」
「するかっ!」
アクアに付いて行こうとしたゆになを、又しても根っこを掴んで引き止めるカズマ。
そのことにイラッとしているゆになの身を案じて「卑猥な事はするな」とアクアがカズマにくぎを刺す。
最後にアクアはゆになにこそっと忠告を重ねる。
「カズマが呼んでいるんだから行って来なさい。ああ見えても頼りになることもあるのよ。…もし、何かされたら逃げちゃっても良いからね。さぁ、めぐみん。体を洗いに行きましょう」
「一応、気を付けて下さいね」
「分かりました、アクア様!めぐみん!ちゃんとアクア様のお背中をお流しするんだよ!!」
アクアに身の心配をされたことによって「別にカズマの言うことを聞く必要はないよね?」と思い始めたゆになだったが、アクア自身が行って来いと進言したので、イヤイヤとカズマについて行った。
最後にボソッと心配してくれためぐみんに、自分がしたかったアクア様のお背中流しを頼んだが、「多分やってくれないだろうな~」とダメ元発言だったので仕方がない。
カズマはゆになとの話し合いよりも、ギルドの受付でクエストの完了を報告した。
「しかし、モンスターを倒すだけで、本当に強くなるんだな」
「何せゲームのような世界だと、初めにアクア様が仰っていたではないですか」
自分の冒険者カードを眺めていたカズマがふと呟いた言葉に、ゆになは「聞いていなかったのぉ~!?」と煽る様に返す。
ユニナのとって、アクアの声を聞き逃す、忘れるなどは信じ難い事に当たる。
カズマがゆにな言葉にイラッとくるも我慢していると、クエスト報酬が準備できたようで、ゆになは怒られずにすんだ。
その後、一人考えごとを始めたカズマを放って置いて、ゆになは一人クエストが貼ってある看板に向かった。
アクアが受けるクエストには付いて行くことは勿論だが、それだけでは宿泊している宿代、アクセルの町にあるアクシズ教の教会に出すお布施、アクア本人に渡すお布施(賄賂)と全て払えなくなると踏んだからだ。
無論、貯金が幾らか残っているはずだが心許なく、緊急用に取って置きたいお金である。
サブで一人で稼げるクエストのチェックをしに、看板を見に来たのだ。