この素晴らしい駄目神様にお祈りを!   作:与麻奴良 カクヤ

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213 不意に終わる密会

「あー、それは難しいですよ」

 

 

 ゆになは一言で、カズマの期待に満ちた表情を殺した。

 

 カズマは腑に落ちない表情でゆになに難しい理由を訪ねる。

 

 

「理屈じゃあ出来なく無さそうだけど?」

 

「考えてみて下さいよ。宇宙空間に漂っている手頃な岩まで引力を届かせるのに、爆裂魔法なんか比じゃない位の魔力を使うんですからねー。後、運よく引き寄せられたとしても、コントロールが殆ど出来ないから周囲諸共ドッカンッ~~~~!!ってなります。奥の手レベルです」

 

「……そんなに現実は甘くないよな」

 

「ですねぇ」

 

 

 カズマは考えなかった理屈をゆになから教えられ、はぁと溜息が出る。

 

 カズマが考えた重力魔法のテンプレ『メテオストライク』はご存知、隕石を引き寄せて地上に落とす殲滅レベルの魔法だ。

 

 もし本当にメテオストライクをゆになが起こせば、小型なら地形破壊、大型なら星の崩壊を引き起こすだろう。

 

 中型でも、星の軌道がずれて、別の意味で人類が滅亡してしまう。

 

 幾らゲームのような世界だとしても、小説の中にあるように上手くいかないのだ、現実とは。

 

 

 その後は、地球の話をした。

 

 カズマがニートだったことにゆになが羨ましがったり、ゆになが転生したいが為に777日間に及ぶお祈りの末自殺したことに引いたり、ワイワイと話をしてゆになのジュースが二杯目を飲み終わった。

 

 

「ふぅー、結構話をしましたね。もうお腹がタプタプです~」

 

「何でそんなになるまで飲んだんだよ」

 

「いやー、いけるかな~?って…………っとちょっと席を外してもいいですか?」

 

「ん?トイレか?」

 

「うむ、セクハラ発言だが、尊大である妾は許そうぞ。……って違います~~!知り合いを見つけたのでからかいに行ってきます」

 

 

 ゆになはそう言うと、席を立ってギルドを出ていった。

 

 

(あれ?知り合いって見かけるとからかいに行くような関係だったけ?)

 

 

 残されたカズマはゆになの「知り合いを見つけたら、取り敢えずからかう」と言う行動原理について考え始めた。

 

 一方でゆになと言うと、

 

 

「いつもニコニコあなたの背後から這い寄る混沌、ゆになちゃんで~~す!!」

 

 

 そう言うがと共に、とぉお~っ!!と言う掛け声を発して、知り合いに背後から背中に飛び乗った。

 

 

「っわぁぁぁぁああああ!!だ、誰!!?」

 

「だぁ~れだ?」

 

「そ、その声はゆにな!!脅かさないでよ!」

 

 

 ゆになの知り合い一号、『ボッチの極み』ゆんゆんである。

 

 ゆんゆんに飛び乗ったゆになはそのまま、目隠しをして遊んだ。

 


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