ゆんゆんに当てられたゆになは、よっと!と声と共にゆんゆんの肩を使って逆立ちすると、その勢いのまま前に倒れて地面に着地する。
無駄に優れている身体能力だ。
「うわぁぁっ!!急に危ないよ、もうっ!!」
「あー面白かった!!ゆんゆんは今日も一人?」
「今日もって何んで決めつけるのよ!!!」
「ほうほう、なら誰かといたんですか?」
「……今日も一人だった……………。そ、そう言えばゆになは、めぐみんと一緒に臨時のパーティーでクエストの手伝いに行っていたんだよね?」
「あそこでゆんゆんも登場してくれたら、なし崩し的に一緒にクエストに行けたと思うけど?」
ゆんゆんはいつも冒険者ギルドで一人遊びをしながら、声を掛けてくれる冒険者を待っている為、今日のめぐみんとゆになの行動を知っていた。
朝の『ゆにな冒険者ギルド破壊未遂事件』も当然見ている。
そして、ゆんゆんが人混みに紛れて見ていたことも、ゆになは気が付いていた。
朝の騒動中に「ゆんゆん!!さぁ、乱入して来いッ!!」と期待していたゆになであったが、結局のところヘタレゆんゆんは来なかった。
「そ、そんな!!初対面の人もいたんだよ!!ってゆにな!!!」
「ん~?なに?」
「朝に騒動を起こしたでしょ!!」
ゆんゆんはゆになに騒動について問い詰める。
当の本人は特に気にした様子は見当たらない。
「めぐみんと言い、ゆになと言い……そんなんだから、私たち紅魔族が頭の可笑しい連中と誤解を受けるんだよ!!」
「誤解?ゆんゆんは里にいた頃に思っていた紅魔族のイメージと世間が抱いているイメージで誤差があるの?」
「……ないかも」
「でしょ~~!!」
結局のところ、世間が見る紅魔族とゆんゆんが見た紅魔族のイメージは『考え方がちょっと可笑しい』と言うことだ。
しかし、その世間のイメージの『ちょっと』を更に加速させているのがめぐみんとゆになである。
「あんな事して、ギルドに目を付けられるよ?」
「ふっ、心配入りません。私もめぐみんも既に目を付けられているから!!」
「それ、笑顔で言うことじゃないよね!!?何その手!!?」
清々しく笑顔で「ギルドに目を付けられている」とサムズアップで白状するゆにな。
そんなゆになに、ゆんゆんは顔を覆いたくなる。
いや、既に覆っていた。
ゆになは、そんなゆんゆんを安心させる様に見せる追撃を放つ。
「大丈夫だから!私の場合は貢献度が並みの冒険者の比じゃありませんから、相殺している。…めぐみんはダメかも知れないけど」