首を釣って痛い思いをしながら薄れた意識。
目覚めた時には真っ白な部屋の中に座っていた。
目の前には椅子に座っている透き通った水色の髪の毛を持ち、ラノベのイラストで見たことのある女神様の様に薄紫色の羽衣を羽織っている美少女は次の言葉を喋った。
「桂木由仁奈(ケイキユニナ)さん、ようこそ死後の世界へ。貴女はつい先ほど自らの手で命を終わらせました。短い生でしたが、貴女は死んだのです」
この言葉を聞いた瞬間、私は叫んでしまった。
「異・世・界・転・生っキタ~~~!!!!貴女様ですね、この私を異世界に転生させてくれるのは!!ありがとうございます、ありがとうございます。転生後もこの命が尽きるまで、尽きてさえも一生、お祈りを毎日、一日三回致します」
座っていた椅子から飛び上がりそのまま土下座、しっかりと頭を地面にこすりつけた。
私の奇行を目の当たりした美少女はというと。
「へ?ちょっちょっと、召喚した途端にこうも祈られるのは悪くないわねぇ。そうよ、私は日本において、若く死んだ人間を導く女神アクアよ!」
私にここまで祈られたのが嬉しいのか上機嫌で名前を名乗った、女神アクア様。
私は頭の中で最上位に位置する人物にこの女神アクア様をインプットした。
そんな時、アクア様にお聞きしたい事が出来た。
「あの、差しがましいのですが、私は元の世界ではいなかった事になるのでしょうか?」
転生物でよくある「お前は死んでしもうた、別の世界に生き返らせるが元の世界ではいなかった事になる」がどうなのか気になってアクア様にお聞きした。
「いいえ、現在貴女の死体を家族が発見し足元に落ちてた遺書を見て「何バカな事を……」と嘆いています。………っていうか、異世界に転生したが為に自殺をする女子高生って貴女、面白いことするわねぇ。プークスクスクス」
アクア様は私の死亡動機を見て笑った。
親ももっと嬉しそうにすればいいのにね。
私はこうして女神アクア様の御前にいる、娘の夢が叶ったって喜べばいいのに!
「さて、夢の為に自殺をした貴女には二つの選択肢があります。一つは人間として生まれ変わり新たな人生を歩か、もう一つは天国的な所に行っておじいちゃんみたいな暮らしをするか」
え?なにこの選択し?
一つ目は生まれ変わり、新たな人生と一見転生の様に思うけど記憶が無くなるって事だよね、却下!!
もう一つは転生でっすらない、勿論却下!!!
ここに来て私の夢は叶わないって事?
そんなの噓だぁ!!
先ほどの嬉しさと逆転して女神に文句を言いそうになる私の前に女神アクア様は救済の手を差し伸べてくれた。
「うんうん、そんな選択しなんて嫌だよね。そこで貴女の夢を叶えて差し上げましょう!」
「マジですか!!流石女神アクア様、他とはやることが違う!!」
差し伸べてくれたアクア様を持ち上げる。物理的ではないよ!
更に気分が良くなって行くアクア様は説明を始めた。
この辺は記憶力の乏しい私は覚えていない。
が要約したことはこうだ。
私が生きていた世界と別な世界、異世界にはファンタジーの定番ぽく魔王がいるそうだ。
その魔王軍の進行のせいで人間がピンチならしい。この辺もゲームでよくある設定。
そのせいで死んだ人間が生き返るのを拒否って人口の低下、人類滅亡の危機!。
そこで、他の世界の人を呼び送るのはどうか?ってなったそうだ。
ならどうせなら、若くして死んで未練たらたらな(まるで私の様な)人間を肉体と記憶をそのまま送り込むことにした。
それも、直ぐに死なない様に一つだけ好きなものを持っていける特典付き、正しく私が夢に見た異世界転生!!
アクア様の話しを聞いた私はアクア様を更に持ち上げる。もい一度言うが物理t(以下略)
「そう、それですよ!!アクア様、最高です!!!」
「貴女、さっきから私の事を崇めてばかりで……」
あ!何かまずかっただろうか?
「最高よ!!今まで送り込んだ人たちは皆流されるがままって感じだったけど貴女は初めから崇めてばかり、私がエライって分かってるじゃない!!」
「なんと!こんな幸運な出来事を受けてから崇めもしない輩がいるのですか!!」
そいつら、調子に乗ってんな。
向こうの世界で会ったら、〆とくか。
「ここまで崇めてくれる人は初めてよ!!決めた、本当は一つだけど貴女には二つ、向こうの世界に持っていける権利を与えるわ!!」
「女神、太っ腹!!」
なんと!!崇めるだけで良いことが起きた。
「さぁ、この中から選んでちょうだい!」
アクア様はカタログを渡してくる。
が私は受け取らなかった。
「アクア様、このカタログはあくまでも参考であって決めているものがありましたら、そちらでも構いませんか?」
「何何?言ってごらんなさい!」
アクア様は寛大にも聞いて下さった。
「それくらいなら全然問題ないわ、決定ね!他の人だと時間が掛かって面倒くさいったらありゃしない、やっぱり貴女は最高ね!」
転生を信じて特典を三年間掛けて決めていたのが特になった。
「では、この魔方陣から出ないようにね。桂木由仁奈さん、貴女をこれから異世界に送ります。無事、魔王を倒した暁には贈り物を授けましょう」
おぉ、魔方陣!
カッコイイ、ってあれ?
今重要な事が聞こえた。
「贈り物ですか?」
「そうです、世界を救った偉業にあった贈り物、例えどんな願い事でも叶えて差し上げましょう」
マジで!?
異世界に転生するって言う夢だけでなくてその後、元の世界で視れなかったラノベやアニメが見れる様にもする事ができるって事!!?
ほんっとアクア様様だね!!
「じゃあ、新しい人生でもお祈りをよろしくね♪」
「勿論です!!」
手でグッドを表して返事をした。
「さぁ、勇者よ。願わくば、数多の勇者候補の中から、貴女が魔王を打ち倒す事を祈っています。……さぁ、旅立ちなさい」
アクア様の声援を受けて私は魔方陣の明るい光に包みこまれた。
次回は何時になるやら。