この変態を追い返す方法をゆになは考える。
ゆになは「何かとないか?」と周りを見渡して、クエスト終わりの夕食を食べる冒険者達を見つけた。
「これだ!」とゆになは変態騎士様に話しける。
「興奮しているところ悪いのですが、今日はもう遅いので、また明日、と言う事にしませんか?私たちはクエスト終わりで疲れていますし」
「こ、興奮などしていない!!そうだな、クエスト終わりだったか。ならば、また明日出直して来るとしようか」
ゆになが示した解決策とは、問題の先送りだ。
今思いつかないなら、時間を作ろうと言う戦法である。
戦略的撤退とも言える。(違います)
ゆになの「疲れている」に反応したのか、変態騎士様は帰って行った。
「…ナンパをしたら変態が釣れたわけですかぁ?」
「違う、断じて違う!あいつから声をかけられたんだ!!」
「ほほぉ!アクア様、めぐみん、私と言う存在がありながら、逆ナンに付いて行こうとしたのですか?カズマ君がww逆ナンとかwww!!有り得ないww」
カズマに「場を離れた時に何やってんですか?」と聞いたゆになは、勝手に予想を立ててツボに入って笑い転げた。
カズマはいつまでも自分をからかい続けるゆになに呆れの表情だ。
一通り笑い終わったゆになは改めて、カズマに何があったのか聞く。
「あぁw、面白かったw!ふぅ、それで?何があったの?」
「初めからそう聞けよ。何かパーティーの募集要項を見て来たそうだ。それで、俺の危機感地センサーがアクアやめぐみん、お前と同類のニオイを感じたから、やんわりとお断りしようと言った訳だが」
「引き下がるどころか引き寄せてしまったと?」
「あぁ、どうすんだよ?」
「さぁ?リーダーはカズマ君だから、君が決めたら?でも、報連相は大事だよ。一人で食べたらダメだからね~」
「日本人特有のネタか。久しぶりだなぁ」
何があったのか聞いたゆになは問題と言うか、本題(あの変態騎士様を仲間に加えるのか?)はカズマに丸投げた。
日本人特有のネタを楽しんだゆになは、カズマに別れを告げる。
「じゃあ、今日はこれくらいで」
「ん?帰るのか。何処か行くのか、ご飯はどうすんだ?」
「アクシズ教の教会に今日のお布施を届けにです。その後、露店なんかで何か買って食べながら帰ります」
「お布施って変なところで律儀だな。そうか、また明日ギルドでな」
「分かりました。……あとこれを」
「……?何の金だ?これは」
「アクア様に渡すワイロです。頼みましたから」