今後の方針はこうだ。
(アクア様を元の場所に戻す目標を掲げて。その過程で魔王軍幹部との戦いで死ねると良いなぁ。よし、それで行こう……………また明日から頑張ろう。誰にも気づかれないように)
ゆになは方針を決めると、明日に備えて眠った。
次の日の朝、昨日カズマと約束した通り、ギルドに向かった。
昨日の反省として、朝ご飯は食べている。
ゆになは同じ失敗はしないのだ、日々成長しているのだ。
「るなさ~ん!おはよ~ごぜ~ます!!」
まだ人が少ないギルド内で、ゆになは元気よく受付嬢のルナに朝の挨拶を交わす。
「はい、おはようございます、ゆになさん。今日から正式にカズマさんのパーティーに入るのですか?」
「アクア様がいるので当然ですよ!!」
「そうですか……………」
ルナはゆになに聞こえないくらい小さな声でこう言った。
(アクアさんは名前が一緒なだけで、本当の女神ではないのですが……………)
「ルナさん何か言った?」
ゆになの聴覚はルナの小声を捉えていたみたいだ。
しかし、ルナは平常心で乗り切る。
「いいえ。でも、ゆになさんはギルドに少なくない貢献をしていますので、少し残念です」
ルナの心情はこうだ。
ゆにながカズマ、アクアパーティーに入ることによって、これまでゆになが受けていた高難易度のクエストの消費率が下がってしまうと言う落胆。
余り稼ぎが良くないカズマ、アクアパーティーの収入が安定するかもしれないと言う安堵。
ルナはゆになの行動に落胆と安堵の板挟みになっていた。
実はゆにな、アクセルの町一番の稼ぎ頭だった。
始まりの町と言うくらい魔王軍との戦いの戦線から遠いこの町でも、高難易度のクエストは存在する。
何故か高レベル冒険者が多くても、高難易度クエストは出来る冒険者は限られる。
そんな中、重力魔法と言うチートを持ったゆになは高難易度のクエストを快く引く受けるアクセルのエースだった。
そんなエースが初心者パーティーに引き抜かれる。
理由は至って簡単、信仰である。
どう上に報告しようと、頭を悩ませるルナにゆになはあっけらかんと言い放つ。
「ルナさん、パーティーが活動しない日に単独でクエストを受けるので、一日で出来そうなクエストがあったらキープお願いしま~す」
「はい?ゆになさんそれは……」
ゆになが言った言葉に、ルナは理解が追いつかない。
「私のこれまでの収入をルナさんは知っていますよね?」
「ゆになさんがギルド以外で稼いでいなければ、ですが知っていますが」