この素晴らしい駄目神様にお祈りを!   作:与麻奴良 カクヤ

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223 お昼下がりのギルドにて

 

 カズマが驚いているが、ゆになは無視だ。

 

 ギルドに入った途端、最敬礼姿のゆになに出迎えられたアクアはと言うと。

 

 

「ふぁああ、おはよ~」

 

「む!?アクア様はまだ眠いのですか!?カズマ君カズマ君、アクア様をたたき起こしたりしてないですよね?」

 

「おい、まさかそれだけで怒るなよ」

 

「ハハハ、まさか。夜道にはちょっと気を付けないといけない様になるだけですよ~!」

 

 

 「やる。此奴ならやる。絶対にバレないようにしなくては!」とカズマは心に決めた。

 

 時間的にもうお昼ご飯なので、ゆになはアクアをテーブルに案内して、好きなものを頼ませた。

 

 途中でめぐみんも合流して、皆でお昼を食べる。

 

 ゆになとカズマは普通に一人前分を食べ終わると、残りの二人が食べ終わるのを待っていたのだが、今アクアはお代わりを頼みに店員を捕まえ、ゆになが何日間か放置していた為、食べれなかった分を補給するように一心不乱に食べ物にがっつく。

 

 それを見ていたカズマにゆになはこっそりと言った。

 

 

「今何を考えているか、当てましょう。ハーレムパーティーなのに、色気がない。でしょ~!」

 

「何で俺の心が分かるんだ!…それよりも、聞きたいんだがスキルの習得ってどうやるんだ?」

 

 

 カズマの質問にフォークを握りしめたまま答えた。

 

 ゆになはそのやり取りをボケーと聞きながす、アクアの食事シーンを脳内に記憶するためである。

 

 

「誰が宴会芸スキルを教えろつったぁぁ!!!!」

 

「えーーーー!!」

 

「アクア様アクア様!こんなクズ、ほっときましょう。それよりもほら」

 

 

 ゆになが頭の上に水の入ったコップを置くと、何処から取り出したのか、種を指ではじいてコップの中に入れる。

 

 すると、種は水を吸い上げ、にょきにょにと育っていく。

 

 スキルの話の過程でアクアが宴会芸スキルをカズマに見せると、ゆになは速攻でそのスキルを習得したのだ。

 

 職業の壁?そんなのは信仰心の力には通用しない。

 

 ゆになが教えて貰った宴会芸スキルを披露しながら、アクアを慰めていると、横から声がした。

 

 

「あっはっは!面白いねキミ!ねぇ、キミがダクネスが入りたがっているパーティーのひと?有能なスキルが欲しいの?だったら、盗賊スキルなんてどうかな?」

 

 

 ゆになも突然の声に、宴会芸スキルを止めて声の方を振り向くと、そこには。

 

 

「へ、変態にエンカウントした!!」

 

「失礼だろうが!!」

 

 

 思わず声に出してしまったゆになに、カズマは頭を叩く。

 

 なぜなら、頬に傷を持った軽装備の銀髪女の子の後ろには、昨日の変体騎士様がいたのだから。

 


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