しかし、変態は二人の想像を遥かに超える反応を見せる。
頬を赤らめて、ビクッと身を震わせたのだ。
明らかに『感じて』いる。
カズマとゆになは改めて、この変体騎士様がヤバいと感じ取った。
だが、現実は悲しい。
カズマとゆになが知る、ダメな性格筆頭者である二人、アクアとめぐみんが何でもない様に言った。
「ねぇカズマにゆにな、この人誰?昨日私とめぐみんをお風呂に誘導させてから、二人が密会をしている時に面接に来たって人?」
「ちょっとこの方、クルセイダーではないですか!?断る理由などないのでは無いでしょうか?」
ダクネスを見て、勝手なことを言ってくる二人に、ゆになは頭を悩ませた。
(今の反応を見なかったのかな~?それとも、目が節穴?困った、アクア様が変体騎士様を仲間に加えようをおっしゃったなら、私は断れないんだけどなぁ)
そんなことを考えていると、カズマの方は対策を考え付いた様だったので、ゆになはカズマに任せてみた。
「ダクネス聞いてくれ。俺とアクアはこう見えて、ガチで魔王を倒したいと考えているんだ」
ダクネスへの説明は関係ない、と言わんばかりの顔をしていためぐみんとゆになにも、カズマから注意が飛んできた。
「丁度いい、めぐみんもゆになも聞いてくれ。俺達は魔王を倒したくて冒険者になったんだ」
(何で私まで聞かなきゃいけないんですか。転生したら日本人が魔王討伐に向かうのは当然の行動。あのクズニートは私が面白可笑しく生きていければ良い、と考えていると思っているのでしょうか?)
ゆにながそんなことを考えている間、カズマはダクネスとめぐみんの説得に失敗、アクアが怖気づくと言う結果になっていた。
「ゆになは――――」
「モチのロンで付いて行くに決まっているじゃあないですか~!アクア様のいる所なら、例え火の中水の中、魔王城の中だって付いて行きます!!!」
「あー、何と無くお前の反応は分かっていたわ」
と全員一致でパーティーを組むと言う感じになっていたその時、
『緊急クエスト、緊急クエスト!!街に居る冒険者各員は至急冒険者ギルドに集まって下さい』
スピーカーを通して、ルナが緊急放送を繰り返す。
それを聞いたカズマが慌てた様子でメンバーに聞く。
「おい!緊急クエストってなんだ!!?モンスターが街に攻めて来たのか!!??」
「キャベツ狩り!キャベツ狩り!!報酬ザクザク、ギルドはお金が足りるのかい!?」
ゆになはカズマの疑問に答えるべく、歌を即興で歌いながら、クルクルと回った。