この素晴らしい駄目神様にお祈りを!   作:与麻奴良 カクヤ

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238 借り一つ売ってやったぜ!

 気合いを入れ直した私にダクネスさんが突っかかって来る。

 

「なぜ私が貴族のダスティネス家だと分かった!!?言え!」

「近い近い、ステイステイ、落ち着いて下さい?」

「あぁ、すまない。また取り乱してしまった」

 

 ダクネスさんは深呼吸を数回繰り返して、ようやく落ち着きを取り戻したみたい。

 後、私は何処の家とは言ってませんが……。

 そんなに慌てるってことは誰にも話していない事情なのかな?

 ……「秘密を知ったからには生きて返す訳にはいかない」とかにはならないよね。

 流石にお貴族様を大地の染みにするのは私でも躊躇してしまう。

 いざとなれば遠慮なくやりますけどね!

 

 そんな感じで悩んで?いると、ダクネスさんが私に聞きいてきた。

 どうして気が付いたか?と。

 

「だって、ダクネスさんはお綺麗ですし、何処か貴族様っぽいな~?って勘もあります。でも決定打は、昔に国の事を調べた事があるんですよ。その時に「王家の懐刀」としてダスティネス家が出てきた覚えていたんです。名前が少し似ていたのでそうかな?って」

「勘って恐ろしいな。そうだ、私がダクティネス家長女。本名はダスティネス・フォード・ララティーナと言う」

「ふむふむ、ララティーナちゃんっと」

「ララティーナ言うなっ!!!!」

 

 ダクネスさんをからかおうと名前+ちゃん付で呼んで見ると、ダクネスさんは物凄い大声で拒否して来た。

 っみ、耳がキーンってなる~~~!!!

 

「ダクネス~!ゆにな~!何かあったのか~~!!」

 

 そんなに大声だったらしく、バーベキューの方から何事か?と心配された。

 そんなに嫌だったのか……………弱点発見。

 

「分かりましたよ。これからもダクネスさんって呼ぼまーす」

「是非ともそうしてくれ。それと、私が貴族であることは私が言うまでは黙っていてくれないか?」

「はいはーい。お幾らで黙っていたらいいんでしょうか?」

「ありがとう……ってお金を請求するのか!?分かった。幾ら払えばいいのだ?」

 

 マジですか!?

 冗談で言っただけなのに!

 ここできっぽりと搾り取るのも悪くない。

 

 ニヤニヤと幾ら貰おうかなぁ?って考えるが私は拒否した。

 

「冗談ですよ~もう!戦闘になったら盾役で私を守ってくれるだけで十分です」

「じょ、冗談だったのか。あぁ、遠慮なくモンスターの前に突き出してくれ。そして、あの不思議な魔法で敵諸共押しつぶしてくれたら良い」

「あ、ハイ」

 

 最後のが無かったらいい人なんだけどなぁ。

 ともかく、ダクネスさんに借り一、貸してやったぜ!

 


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