夜も更けて時間が深夜に差し掛かった頃、墓場にと足を運ぶ私たちにアクア様が警告を発してきた。
「私達の受けたクエストってゾンビメーカーの討伐よね?私、そんな小物じゃなくて、もっと大物アンデットが出そうな予感がしてくるんですけど」
「おい、何フラグを立ってているんだよ!今日はゾンビメーカーの討伐、それだけだ。それ以外の事が起きたら速攻で帰る。いいな」
アクア様はフラグっぽい事をポツリと呟いた。
それが聞こえたカズマ君が、アクア様の言ったフラグをへし折ろうとする。
誰かがフラグを言って、別の誰かがそのフラグをへし折ろうとするか、話題に上げる。
これもフラグなんですよね~。
それにカズマ君。
アクア様が間違った事をいうものか!!
私達は。敵感知スキルを持っているカズマ君を先頭に進む。
墓場の中見えるくらい近づくと、カズマ君が敵を感知した。
「何だろう、ピリピリ感じる。敵感知に引っかかったな。いるぞ、一体、二体……三、四体?」
カズマ君が私たちに敵の数を教えてくれる。
ふむふむ、四体ですか。
問題は無いですね。
ゾンビ如きだったらひき肉にしてやんよ!
そんなことを考えていると、墓場で青白い光が走った。
……魔力も感じられる。
遠目に見えるアレは、魔法陣でしょうか?
そばにはローブを被った人影が見えます。
なんだかアレ……
「ゾンビメーカー……ではない……気がするのですが……」
「突っ込むか?ゾンビメーカーでなかったとしても、こんな時間に墓場にいる以上、アンデットに違いないだろう。アークプリーストのアクアが居れば問題はない」
めぐみんが私が考えた事と同じことを自信なさげに言うと、カズマ君が行動を提案する。
だけど、私はそれに反対した。
ダクネスさんも、どうどう。
「いえ、待ってくださいな。なんか物凄い魔力を感じるので、ここは慎重にいきましょう」
「そうなのか?だったらもう少し様子を――――」
私が「慎重に行動しよう」と言うと、カズマ君は私の意見を聞いて様子見を再提案しようとして……。
「あぁ―――――――――ッ!!」
アクア様が突然立ち上がると、叫び声を上げながらローブの人影に突撃した。
アクア様は何をそんなに慌てているのでしょう?
「ちょっ、おい待てアクア!!」
カズマ君がアクア様を呼び止めるが、アクアは止まらない。
そしてアクア様は、ローブの人影をビシッと指差して言いました。
「リッチーがこんなところにノコノコとやって来て!!成敗してあげるわ!!!」
ローブの人影がリッチーであると。