この素晴らしい駄目神様にお祈りを!   作:与麻奴良 カクヤ

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240 ローブの人影

 夜も更けて時間が深夜に差し掛かった頃、墓場にと足を運ぶ私たちにアクア様が警告を発してきた。

 

「私達の受けたクエストってゾンビメーカーの討伐よね?私、そんな小物じゃなくて、もっと大物アンデットが出そうな予感がしてくるんですけど」

「おい、何フラグを立ってているんだよ!今日はゾンビメーカーの討伐、それだけだ。それ以外の事が起きたら速攻で帰る。いいな」

 

 アクア様はフラグっぽい事をポツリと呟いた。

 それが聞こえたカズマ君が、アクア様の言ったフラグをへし折ろうとする。

 

 誰かがフラグを言って、別の誰かがそのフラグをへし折ろうとするか、話題に上げる。

 これもフラグなんですよね~。

 それにカズマ君。

 アクア様が間違った事をいうものか!!

 

 私達は。敵感知スキルを持っているカズマ君を先頭に進む。

 墓場の中見えるくらい近づくと、カズマ君が敵を感知した。

 

「何だろう、ピリピリ感じる。敵感知に引っかかったな。いるぞ、一体、二体……三、四体?」

 

 カズマ君が私たちに敵の数を教えてくれる。

 

 ふむふむ、四体ですか。

 問題は無いですね。

 ゾンビ如きだったらひき肉にしてやんよ!

 

 そんなことを考えていると、墓場で青白い光が走った。

 ……魔力も感じられる。

 遠目に見えるアレは、魔法陣でしょうか?

 そばにはローブを被った人影が見えます。

 なんだかアレ……

 

「ゾンビメーカー……ではない……気がするのですが……」

「突っ込むか?ゾンビメーカーでなかったとしても、こんな時間に墓場にいる以上、アンデットに違いないだろう。アークプリーストのアクアが居れば問題はない」

 

 めぐみんが私が考えた事と同じことを自信なさげに言うと、カズマ君が行動を提案する。

 だけど、私はそれに反対した。

 ダクネスさんも、どうどう。

 

「いえ、待ってくださいな。なんか物凄い魔力を感じるので、ここは慎重にいきましょう」

「そうなのか?だったらもう少し様子を――――」

 

 私が「慎重に行動しよう」と言うと、カズマ君は私の意見を聞いて様子見を再提案しようとして……。

 

「あぁ―――――――――ッ!!」

 

 アクア様が突然立ち上がると、叫び声を上げながらローブの人影に突撃した。

 アクア様は何をそんなに慌てているのでしょう?

 

「ちょっ、おい待てアクア!!」

 

 カズマ君がアクア様を呼び止めるが、アクアは止まらない。

 そしてアクア様は、ローブの人影をビシッと指差して言いました。

 

「リッチーがこんなところにノコノコとやって来て!!成敗してあげるわ!!!」

 

 ローブの人影がリッチーであると。

 


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