「きゃぁー!身体が消えるぅ!!やめて、消えちゃう、成仏しちゃう!!」
「あははははは!!愚かなリッチーよ。神に欺くアンデットよ!さぁ、私の力で一欠片もなく消えてしまいなさい!!」
アクア様……これじゃあどっちが悪役か分かりませんよ。
そう呆れていると、いつの間にかアクア様の後ろに立っていたカズマ君がアクア様の頭を剣の柄で小突きました。
うむむ!!
複雑な気持ちです。
アクア様にはそれ以上のやらないで止まって欲しい、と言う思いの為に止めてくれたカズマ君への感謝と、そのやり方はどうかと思う怒り。
私はどっちに傾けばいいのでしょうか?
「ゆにな、何を考えているのですか。私達も行きましょう」
「あぁ、壁役は必要なかったのか……」
二つの感情をどっちを現したらいいのか悩んでいると、様子を見ていためぐみんとダクネスさんが「移動しよう」と言ってくる。
二人に従い、カズマ君とアクア様の下に移動している間に、私はカズマ君への感情を決めた。
うんイーブイ。
……間違えた、イーブンの方だった。
カズマ君へのお咎めは無しに決定!
私達がカズマ君の下に着くと、カズマ君は代表してリッチーに話しかけました。
「おい、大丈夫か?……えーっとリッチーで良いんだよな?あんた」
リッチーはアクア様の浄化魔法を食らったせいで、足元は半透明になっていて少し消えかかっている。
徐々に戻って行くその姿をを見ていると、アクア様が私に泣きついてきました。
「ゆにな~!かずまがまた叩いたぁ!」
「お~よしよし、アクア様。痛いの痛いの飛んでいけ~~~です」
私はアクア様の頭を撫でて、大人が子供の傷をあやすときに言葉を使って慰める。
なんか、アクア様の保護者化してませんか?
まぁ、GO・HO的にアクア様に触れれるので、不利益はないのですが……。
などと考えながら、リッチーの話を聞きます。
「はい、大丈夫です。危ないところを助けて頂きありがとうございました。えっと、おっしゃる通り、リッチーのウィズと申します」
リッチーのウィズさんはそう自己紹介すると、ローブのフードを取りました。
綺麗な茶色のロングヘアで、ウェーブがかかっています。
おぉ!美人さんじゃないですか!!?
リッチーと言うと、なんか細々とした弱っちい体をしていると思っていたのですが……真逆ですねー。
顔良し、胸も巨乳と言える程ある、お尻はムチっといい肉付き。
カズマ君が赤くなってる!!
何気にハーレム気質でもあるんじゃないかと言うくらい、カズマ君の周りには美人さんが多いですよねー。