平日よりも土日の方が辛いのは何故だろう?
「納得いかないわ!」
アクア様が怒っていらっしゃる。
時刻は既に空が白みがかってくる頃、私達は墓地から街へと歩いていた。
「しょうがないだろ?あんな良い人を討伐なんかする気にはならないだろうに」
アクア様の愚痴に、カズマ君が正論で返す。
私達はカズマ君の一存で、ウィズさんを見逃すことになった。
モンスターを見逃すことに抵抗があったダクネスさんとめぐみんは、カズマ君を通してウィズさんが一度も人間を襲った事がない、と説明する事で説得。
ついでに、私とめぐみんがギャーギャーと楽しいケンカ中にアクア様がウィズさんの代わりに墓地の浄化をする事が決まった。
少し解せないのは気のせいだと信じたい。(私がアクア様の援護に周らなかったせい)
「しかし、リッチーが普通に街で生活しているとか、この街の警備はどうなってんだ?」
「前線から離れた街だし、警備兵がリッチーを見抜けないのは当然だと思うけどね?」
カズマ君が、持っている紙切れをみながら呟いたので、私が反応してあげた。
カズマ君が持っている紙切れにはウィズさんの住所が書かれている。
小さなマジックアイテムショップを経営しているみたいだ。
今度、買い物に行こうと思う。
アクア様には内緒でね!
「でも、穏便に済んで良かったです。もし戦闘になったら、幾らアクアがいると言えど、私とカズマ、それにゆになは死んでいたかもしれませんよ」
「げ、そんなにヤバい奴だったのか!?」
「ヤバいなんてものじゃないです。リッチーは強力な防御魔法、武器以外での攻撃の無効化。相手に触れるだけで様々な異常状態を引き起こし、その魔力や生命力を吸収する伝説級のアンデットモンスター。そんなのに何故アクアの魔法が効いたのか不思議なくらいですよ」
あれれれ~?
リッチーってそんなにも、ヤバいモンスターだったのか。
そんなこと、学校で習ったけ?
まぁいいや、私が勉強できないのは仕方がない。
それにめぐみん、アクア様は女神様だよ!
魔王ですら軽く凌駕するに決まってるじゃん。
って私がリッチー如きに殺される?
「誰がリッチーに殺されるって?」
「い、痛いです!!肩を思いっきり掴まないでくださいよ!!」
「で、めぐみんは兎も角、誰が殺されるって?」
「ゆにながですよ!!先ほど言いませんでした?強力な防御魔法に加えて、武器以外での攻撃無効化ですよ。幾らゆになの魔法が強いからってリッチーには効きませんよ」
「わはっはっはっは!!誰がそんなこと決めた!禁術は使いようによっては魔法以上の力をみせるのだぁ!!」
私はめぐみんに「リッチーには勝てる!」と剛雄していると、ダクネスさんがポツリと呟いた。
「そういえば、ゾンビメーカー討伐のクエストはどうなるのだ?」
「「「あ」」」
うん、気づいた。
が、敢えて言わなかったんだよ。
クエスト失敗だねー、とは。
ゆになが言った、「魔法以上の力を見せる」技は考えています。
いつ披露させるかは未定ですが、デストロイヤー戦以降かな?